ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2022年6月29日水曜日

【本の紹介】解きたくなる数学




 数学の問題集です。解きたくなる問題を集めました。

 数学の問題を解くというと、いやいややっている印象が強いと思います。でも、この本には「解きたくなる」問題が集められています。

 著者らは、数学を教える手法を長年研究してきました。そして、あるとき、「現実の世界に数学の問題がデザインされる」と「ひと目で問題を解きたくなる」ことに気づきます。コップやタイル、チョコレート、窓枠、オセロのコマなど「現実の物」が数学との橋渡しを生き生きと演じると、数学が身近な形で現れ、問題を解くこと自体が面白くなるという訳です。

 3人の著者はすべて、多くの人に数学の面白さを知ってもらいたいと願っています。その願いを叶える一歩になる本だと思います。(店主)


解きたくなる数学

佐藤雅彦

大島遼

廣瀬隼也


岩波書店

2021年9月28日発行

定価(本体1800円+税)

2022年6月28日火曜日

【本の紹介】ぼく モグラ キツネ 馬




 旅の絵本です。子どもがモグラと出会うところから旅は始まります。やがてキツネが加わり、馬も一緒に旅を続けます。

 絵はラフスケッチのような線画で描かれています。簡素ながら温かみが伝わる絵です。文はほとんど会話です。短い会話であるが故に、一つひとつの言葉の意味に広がりがあります。

 旅の目的は何でしょうか。旅は人生そのものであるように思えます。子どもは旅を通じて愛することを知ります。そして、愛されていることも知るのです。

 彩色されたページに心踊ります。多くの人の心に寄り添う絵本だと思います。(店主)


ぼく モグラ キツネ 馬

チャーリー・マッケンジー

川村元気 訳


飛鳥新社

2021年3月22日発行

定価(本体2000円+税)

ウクライナ支援チャリティ絵はがき「花かんむり」が再入荷しました!




 くわのみ書房では、ウクライナの人々への救援活動を支援する目的で制作されたチャリティ絵はがきを販売しています。一時品切となっていましたが、再入荷しました。

 ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナでは、依然多くの人々が生活を脅かされ、辛い日々を過ごしていると伝えられています。習志野市内在住の平野だいさんがウクライナに平和な日々が戻ることを願い、ウクライナ支援チャリティ絵はがき「花かんむり」を制作しました。

 絵はがきには、ウクライナに伝わる「ヴィノク」という冠をつけた人の姿が描かれています。花やリボン、貝、コイン。ビーズ、羽などを使った華やかな冠です。絵柄は2種類あります。

 売上金は全額、平野さんを通じて、赤十字国際委員会などが募集するウクライナ人道危機救援金に寄付されます。絵はがきを通じて、ウクライナの人々に思いを馳せることができればと願っています。(店主)


ウクライナ支援チャリティ絵はがき「花かんむり」

1枚100円

2022年6月25日土曜日

【本の紹介】ちびちびうさまる ふわふわだいすき




 うさぎの「ちびちびうさまる」が小さかったころのお話です。ちょっと甘えん坊なところは、みんなと一緒です。

 ちびちびうさまるは、ふわふわな毛布が大好き。表紙や扉のページを見れば分かります。ふわふわがあれば安心するのかな。

 でも、今日は洗濯日和。ちびちびうさまるの毛布も綺麗に洗われて干されています。ふわふわがないと、うさまるはお昼寝もできません。

 お友だちの「ちびちびうさこ」も心配しています。ほかのふわふわを見つけようとしますが…。(店主)


ちびちびうさまる ふわふわだいすき

え・sakumaru

ぶん・せきちさと


岩崎書店

2022年6月30日発行

定価(本体900円+税)

2022年6月23日木曜日

【本の紹介】はるのにわで




 命が輝く春の庭を描きました。生きる喜びが伝わる絵本です。

 季節は春。朝のやさしい陽の光が庭に射し込むと、そこで暮らす生き物たちが動き始めます。 

 あまがえる、まるはなばち、こもりぐも、あめんぼが庭を案内します。色鮮やかな世界が広がり、踊り出したくなるほど気持ちが高まります。一方で、自然が提供する色の組み合わせは目に心地よく、穏やかな空気に満たされます。

 風が吹くと、世界が変わります。植物たちも動く力を得て、生き生きとしてきます。広々とした庭ではないかもしれません。それでも自然の豊かさに溢れた、魅力たっぷりの庭です。(店主)


はるのにわで

澤口たまみ 文

米林宏昌 絵


福音館書店

2022年3月10日発行

定価1760円(本体価格1600円+税10%)

2022年6月22日水曜日

「UNDONE」、販売中です!




 京成津田沼駅周辺に暮らす音楽好きの人たちが ZINE を作りました。それが「UNDONE」(「アンダーン」と読みます)。普通に暮らす、普通の人々が音楽の話を綴ります。

 ZINE とは、個人や何人かのグループが自主的に作る小冊子のことです。ZINE という呼び方は ”magazine” の ”zine” が由来と聞いたことがあります。

 特集テーマがあり、コロナ禍の状況も意識して、「ディスタンス時代の波間」というタイトルを付けました。人々の生活様式が変わった今、音楽の楽しみ方にも変化があったのでしょうか。

 音楽の好みは人それぞれ。音楽との接し方も一人ひとり異なります。あなたも、あなたと音楽の物語を紡いでみませんか。(店主)


「UNDONE」

行燈プロ

2022年4月17日発行

400円+税

2022年6月21日火曜日

「母の友」2022年7月号が入荷しました!




 今年の夏も暑くなるのでしょうか。夏を涼しく楽しく乗り切る方法を「母の友」2022年7月号で特集しています。

 最初は「ひんやりおやつレシピ」の紹介。夏の果物を楽しみましょう。続いて家庭でもできる草木染めや、天体観測の面白さを紹介します。短い怪談話も一つ載せました。大人だけでこっそり読んでください。

 最後に子どもの心のケアについて解説します。夏休みは子どもにとって心の浮き沈みが激しくなる期間。夏休み明けは子どもの自殺件数がもっとも多い時期だそうです。

 すでに熱中症の発症がニュースでも伝えられています。十分に気をつけて、夏を楽しみながら過ごしましょう。(店主)


「母の友」2022年7月号

福音館書店

2022年7月1日発行

定価580円(本体527円+税10%)

2022年6月18日土曜日

【本の紹介】ぼんさいじいさま



 一人のおじいさんのお話です。盆栽をこよなく愛し、ぼんさいじいさまと呼ばれているようです。

 春の空が青く晴れ渡ったある朝のこと。じいさまは庭に出ると裏山にまわり、弁天様のお供えを済ませました。

 たくさんの盆栽はじいさまの宝物。その中で、一番大切で、一番見事な枝垂れ桜の盆栽が満開の時期を迎えています。その枝に、ひいらぎの冠をつけた小さな少年が座って手を振っていました。少年がじいさまに言います。「お迎えにきました」

 動物たちがじいさまに別れを告げます。少年に手を引かれ、ゆっくりと裏木戸を出るじいさま。二人の姿が風の向こうに消えました。お話はこれでおしまい。

 この絵本は1984年に偕成社、その後2004年にビリケン出版から発行された作品を復刊しました。(店主)


ぼんさいじいさま

木葉井悦子


瑞雲舎

2022年3月15日発行

定価:本体1700円+税

【本の紹介】まどのむこうの やさいは なあに?(こどものとも年中むき2022年7月号)




 仕掛け絵本です。丸く開けられた窓の向こうにある野菜。それはいったい何なのか当ててみよう、というところから絵本が始まります。

 緻密に描かれた野菜の姿に驚嘆します。身近な存在であるはずの野菜ですが、あらためて作者の目を通して、その真実の姿が提示されます。

 作者は冷静な目で野菜を見つめています。私たちが見落とした部分もきちんと拾い上げ、表現しているように思います。その迫真さが私たちの心に響きます。

 断面図も描き、野菜の全体像が示されます。実物と見比べたくもなり、知ることへの満足感も得られることでしょう。(店主)


まどのむこうの やさいは なあに?(こどものとも年中むき2022年7月号)

荒井真紀 さく


福音館書店

2022年7月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2022年6月17日金曜日

【本の紹介】JAZZ SONG BOOK




 ジャズの歌を紹介する絵本です。ジャズを愛する人なら、眺めているだけで楽しくなるでしょう。作者の音楽、そしてジャズへの愛を感じます。

 スタンダートと言える27曲を取り上げました。1曲ごとに見開きページを使用し、絵と英語の歌詞、その日本語訳を組み合わせて構成しました。歌詞の翻訳も作者によるものです。

 作者は翻訳を通じて、アメリカの歌も、人々が泣いたり嘆いたり、淋しかったり切なかったりする様を描いた情けない歌であることに気づいたそうです。そうした情けなさは、日本を含めた世界の国々の歌と同じ。世界中の人々は、みんな似たような普通の人たちなんだと理解します。

 絵は作者が歌として味わった言葉の世界をイメージして仕上げました。かつて出版されていた2冊の絵本を再構成し、1冊にまとめあげた復刻版です。(店主)


JAZZ SONG BOOK

五味太郎


オークラ出版

2022年3月1日発行

定価:本体2500円+税

【本の紹介】カッパのかんた(こどものとも年少版2022年7月号)

 


 楽しい絵本です。明るく華やかな絵とリズミカルな言葉が合わさりました。

 カッパのかんたはダンスが大好き。「タンタカタン」と歌い、踊ります。「タンタカ タンタン タンタカタン」と、止まることを知りません。

 友だちがいれば、もっと楽しくなります。カエルのけろりんこや、カメのくーりーが仲間になりました。一緒に泳いだり、おやつを食べたり、お昼寝もして過ごします。

 いつもニコニコ、みんなでニコニコ。楽しい時間が終わっても「また あした」。子どものエネルギーをしっかり受け止められる絵本です。(店主)


カッパのかんた(こどものとも年少版2022年7月号)

カズコ・G・ストーン


福音館書店

2022年7月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2022年6月16日木曜日

【本の紹介】クリスタルを描く




 クリスタル(水晶)を通じて見ていた世界の一端が綴られます。単純な言葉で表された深い世界です。

 絵もシンプルです。冷たく感じるクリスタルを描きながら、温かみを感じさせ、ほっとする気持ちになります。

 作者はクリスタルを描いた14枚の絵を選び、文章をつけていたそうです。それをもとにこの絵本が作られました。絵本製作に当たり、2枚の絵が追加されました。

 作者が見つめた透明なクリスタルを私たちも共有することができます。作者の心と共鳴するかのように密やかな振動が伝わります。(店主)


クリスタルを描く

M. B. ゴフスタイン 作

谷川俊太郎 訳


平凡社

2021年11月17日発行

定価:本体1800円(税別)

【本の紹介】なぜ なくの?(こどものとも0.1.2. 2022年7月号)




 動物の子どもたちと友だちになれる絵本です。生き生きと描写された動物たちの表情に惹きつけられます。

 鳴き声を上げる動物の子どもたち。どうして鳴いているのでしょう。

 おかあさんを探したり、遊び友だちを呼んだり、その理由はさまざま。望みを叶えた動物たちは本当に嬉しそうです。私たちも同じ気持ちになって絵本の世界に入り込みます。

 さて、表紙に描かれた子どもの象はどんな声で鳴くのでしょう。「パオーン」でいいのかな?(店主)


なぜ なくの?(こどものとも0.1.2. 2022年7月号)

杜今日子 さく


福音館書店

2022年7月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2022年6月15日水曜日

【本の紹介】さむがりやのスティーナ




 スティーナは寒いのが嫌いな子どもです。寒い冬が来る前に、何が起きてもよいように、早めの準備に努めます。

 秋が終わるころ、息が白くなるのを見て、スティーナは後ろに下がって扉を閉めました。とうとう、冬がやって来ました。

 冬の間、部屋の中にいても、暖かいままでいるためにスティーナはとてもに忙しい。くたくたに疲れたスティーナは、ある日、深い眠りに落ちます。ようやく目を覚ましたとき、窓の外は吹雪です。それから、扉を叩く音。子どもが二人、家に入りこみます。なんと子どもたちは、バタバタ服を脱いで、わざわざ寒くなろうとしているではありませんか。

 スティーナの成長の物語です。本当の暖かさを知ったスティーナはもう大丈夫。アイスランドの絵本です。(店主)


さむがりやのスティーナ

ラニ・ヤマモト

朱位昌併 訳


平凡社

2021年11月17日発行

定価:本体1800円+税

【本の紹介】アチャチャをつかまえろ! -ねつのはたらき-(かがくのとも2022年7月号)




 パンがこんがり焼けるのは「ねつ」を使ったからです。ねつを使うと、いろいろなことができます。どんなことができるのか、この絵本を読めば分かります。

 絵本に登場するのは妖精の「サーモ」と「アチャチャ」。オニごっこをしているうちに、ハカルくんが暮らす人間の世界に飛び込んできました。サーモはアチャチャを追いかけますが、なかなか捕まえることができません。

 アチャチャは、ねつの妖精です。ねつを自由に使うことができます。アチャチャがいれば、パンが焼けたと思ったら、バターはどろどろに溶けるし、濡れたタオルは乾いてしまいます。お菓子の袋がぱんぱん膨らむのもアチャチャのせい。ねつはガス(気体)を膨らませることができるので、アチャチャは窒素ガスが入った袋をぱんぱんにすることもできるのです。

 やがてハカルくんは、人間だってねつを使っていろいろなことをやっていることに気づきます。ねつはガスや電気で生み出すことができるのです。アチャチャはいつだって、私たちの身近なことろに隠れているのかもしれませんね。(店主)


アチャチャをつかまえろ! -ねつのはたらき-(かがくのとも2022年7月号)

森川智喜 ぶん

Unpin え


福音館書店

2022年7月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2022年6月14日火曜日

【本の紹介】スタコラサッサ




 子どもがごはんを食べていると、ウインナーがお皿からぽとんと落っこちました。タコの形のウインナーです。「スタコラサッサ」と、どこ行くの?

 ミニトマトもころんと落っこちて、「ころりん ころりん」とスタコラサッサ。おにぎりもお豆もスタコラサッサ。お皿とスプーンもスタコラサッサ。

 ウインナーやミニトマトたちはお友だち。一緒にお外で遊ぼうよと誘います。もちろん子どももスタコラサッサ。元気よく原っぱをかけ出します。

 エネルギッシュな子どもが大人しくじっとしていられる訳が無い。そして子どもは、友だちと遊ぶことの楽しさも感じ始めたようです。子どもの成長も描かれた絵本です。(店主)


スタコラサッサ

花山かずみ


こぐま社

2022年6月15日発行

定価 本体1000円+税

【本の紹介】ねこまたえん(こどものとも2022年7月号)




 こんなに楽しい幼稚園が本当にあるかって? もちろん、あります!

 その幼稚園は「ねこまたえん」。長生きして尻尾が二つに裂けてしまった猫の妖怪の「猫又」が先生をしています。通ってくる園児は猫ばかり。でも、人間の子どものだいちゃんは飼い猫のミケに連れてきてもらいました。

 自由気ままに生きることが当たり前の猫。歌だって、歌わされるのはいやだけど、楽しい気分になれば自然に声が出て歌ってしまいます。だいちゃんも猫に倣って自分らしく生きる道を見つけたようです。

 誰もみんな、ねこまたえんに行くことができます。ねこまたえんは、みんなの心の中にあるからです。そのことを教えてくれる絵本です。(店主)


※絵を描かれた花山かずみさんが、この絵本に登場する猫たちのモデルになった猫を紹介するフリーペーパー「ねこまた名鑑」を作成しました。当店で配布中です(数に限りがあります)。


ねこまたえん(こどものとも2022年7月号)

とみながまい 文

花山かずみ 絵


福音館書店

2022年7月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2022年6月11日土曜日

【本の紹介】たぬき




 2011年3月11日、日本では東北地方を震源地とする大きな地震がありました。津波を引き起こし、原子力発電所を破壊するなど、大きな被害をもたらしました。

 その日から1カ月ほど経ったある夜、一人の絵本作家が自宅の庭でたぬき一家と出会います。この絵本の作者です。

 3月11日以来、日本各地で地震が発生していました。絵本作家は地震日記をつけていましたが、たぬき一家と出会って以来、その日記は庭の観察記録の「たぬ記」になります。この絵本は「たぬ記」につづられた日々を絵で再現したものです。

 絵本作家の庭で繰り広げられたたぬき一家の物語は2012年夏に終わります。絵本作家には、いつしかあるがままの「いのち」を描きたいという思いが湧き起こります。その思いが、この絵本に結実しました。(店主)


たぬき

いせひでこ


平凡社

2021年11月17日発行

定価:本体1600円(税別)

2022年6月7日火曜日

【本の紹介】へび ながすぎる




 表紙に描かれた緑色の長い物体。綱引きができそうです。これはいったい何でしょう。

 実は、これはへびです。とてもとても長いへび。長すぎて、ねずみもうさぎもゴリラも、動物たちはみんなへびだと気づきません。

 長くてにょろにょろのへび。いろいろな形をつくって遊びます。みんな楽しそう。やっと気づきました。「わっ! へびだー!」。

 でも、それでおしまいではありません。驚きはまだ続きます。どんなオチが待っているかお楽しみ。(店主)


へび ながすぎる

ふくながじゅんぺい 作


こぐま社

2022年5月25日発行

定価 本体1400円+税

2022年6月3日金曜日

【本の紹介】ルナのたまごさがし




 明るく華やかな色使いの絵が魅力的な絵本です。テンポよく進むお話に引き込まれます。

 ルナはおとうさん、おかあさんと一緒に、新しい家に引っ越してきました。新しい学校に通うルナは、教室も友だちも好きになれず、ちょっと憂鬱です。

 ルナはお絵描きの時間にそっと教室を抜け出しました。廊下で白いたまごを見つけます。たまごに模様を描くと、蝶ネクタイを付けたうさぎが飛び出しました。うさぎは「たまごさがしに いかない?」とルナを誘います。友だちもつられて、たまごさがしが始まりました。あそこにも一つ、ここにも一つ。たまごが「ぱりん!」と割れて、出て来るのは「あたらしい はじまり」。気がつくと、ルナとみんなの新しい一日が始まっていました。

 イースターから着想を得たお話です。キリスト教の春の訪れを祝う行事のイースターでは「たまご」がシンボル。「たまごさがし(エッグハント)」はイースターの楽しいイベントです。(店主)


ルナのたまごさがし

たなか鮎子 作・絵


フレーベル館

2020年1月発行

定価[本体1300円+税]

2022年6月2日木曜日

【本の紹介】海とそらがであうばしょ




 素敵なタイトルの絵本です。幻想的な表紙の絵は、この絵本が導く世界の深さを予感させます。

 子どもの名前はフィン。フィンは窓から海を見つめています。おじいさんならきっとこう言ったでしょう。「ふねをだすには さいこうの日だ」。でも、もうおじいさんはいません。

 フィンにはおじいさんの話す声が聞こえてきます。「ずうっと ずうっと とおくにな、海とそらがであうばしょが あるんだよ」。フィンはおじいさんを思い出しながら船をつくります。疲れて昼寝をしてしまったフィンが目を覚ますと、いつの間にか船の旅が始まっていました。

 大きな金色の魚がフィンの旅の水先案内人を務めます。金色の魚は誰かとよく似ているように見えます。フィンと一緒に「海とそらがであうばしょ」に向かう旅を楽しみましょう。(店主)


海とそらがであうばしょ

テリー・ファン&エリック・ファン 作

増子久美 訳


化学同人

2020年11月発行

定価(本体2100円+税)

【本の紹介】さくらがさくと




 川沿いの桜並木のようすを描いた絵本です。まだ風が冷たい3月半ばの月曜日。いつものように、人々はみんな駅に向かいます。

 桜の木は花を咲かせる準備を始めていました。花びらが開くと、真っ先にやって来るのは鳥たちです。次の月曜日、みんなはいつものように駅に向かいますが、この日の朝はいつもとちょっと違います。「しゅうまつには まんかいかねえ」。さくらまつりはもうすぐです。

 桜の花に、私たちはいつも励まされていると思います。新年度が始まるころ、見事に咲き誇り、私たちが気持ちを新たにすることを後押しします。

 4月半ばの月曜日。花は散り、緑の葉が広がりました。そして、みんなはいつものように、駅に向かって歩いています。(店主)


さくらがさくと

とうごうなりさ さく


福音館書店

2020年2月10日発行

定価1540円(本体1400円+税10%)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...