こたつを真ん中に、大晦日からお正月までの家族のようすを描いた絵本です。ご飯を食べたり、新聞を読んだり、料理の下ごしらえをしたり、こたつは暮らしの中心になっています。
こたつは居間の真ん中に置かれているようです。この絵本でもこたつはページの真ん中に置かれています。そこに家族が集います。私たちはこたつの真上から、この家族と一緒に、何気ないけどとても楽しいひとときを過ごします。
生活様式が変わり、こたつはあまり使われなくなったようです。私にとっても今、こたつは懐かしく思うものになってしまいました。こたつはその中で足が触れ合ったり、ともに過ごす人をとても身近に感じることができました。こたつは家族の繋がりを確認できる場であったのかもしれません。
こたつとともに細々とした生活のようすが描かれています。そこにある別の物語を読み取ることも絵本ならではの楽しみです。(店主)
こたつ
麻生知子
福音館書店
2020年11月15日発行
本体1300円+税