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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2024年2月24日土曜日

【本の紹介】ぷう と ぶう-まる てんてんのまき(かがくのとも2024年3月号)




 2匹の子ぶたと楽しく遊べる絵本です。似ているけど、ちょっと違う2匹の子ぶたです。

 2匹の名前は「ぷう」と「ぶう」。似ていますね。違いのポイントは「まる」か「てんてん」か、ということ。

 まるが付いた仮名文字は半濁音の表記になり、てんてんが付くと濁音の表記になります。私たちが暮らしの中で使う言葉は、半濁音や濁音が入り混じっています。ぷうとぶうの一日を通じて、いろいろな半濁音と濁音を体験してみましょう。

 例えば「ぷかぷか」と「ぶかぶか」のように、半濁音か濁音かの違いだけで意味が大きく異なる場合もあります。この絵本で日本語表現の面白さを再確認することができそうです。(店主)


ぷうとぶう-まる てんてんのまき(かがくのとも2024年3月号)

織田道代 ぶん

早川純子 え


福音館書店

2024年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年2月15日木曜日

【本の紹介】じゃりじゃり あくしゅ(ちいさなかがくのとも2024年3月号)




 お散歩に出かける子どもがおかあさんと握手しているところから、この絵本のお話が始まります。「いってきます」の握手です。

 おかあさんに抱っこされた赤ちゃんとも握手。ぬいぐるみのうさぎとも握手。公園まで一緒に行くおとうさんとも手をつないで握手。いろいろな握手がありますが、タイトルの「じゃりじゃり あくしゅ」って、何?

 二人の子どもが砂場でお山のトンネルを掘って、トンネルがつながったときに手が触れ合えば「じゃりじゃり」握手。少し湿った砂が手にいっぱい付いているようすが伝わります。「じゃりじゃり」という言葉で、体の皮膚で感じる感覚を表現することができるのです。

 皮膚がセンサーとなる感覚は「触覚」といいます。手の触覚はとても感度が高く、多くの情報を得られるそうです。握手はそうした手の特性を使って、相手をよく知るためのコミュニケーション手段となるようです。(店主)


じゃりじゃり あくしゅ(ちいさなかがくのとも2024年3月号)

大川久乃 ぶん

福地伸夫 え


福音館書店

2024年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年2月14日水曜日

【本の紹介】はんぶんライオン(こどものとも2024年3月号)




 未完成のぬいぐるみの「はんぶんライオン」が大活躍する絵本です。未完成でも、ライオンはライオン。誇り高く生きる姿が胸を打ちます。

 ぬいぐるみを売っている小さなお店がありました。ぬいぐるみは、職人のおじいさんが一つひとつ丁寧に作ります。でも、おじいさんは年を取り、店を閉めることになりました。最後に売れ残ったのはライオンのぬいぐるみ。顔のたてがみが半分だけの「はんぶんライオン」です。

 途中で材料が無くなってしまい、はんぶんライオンは未完成のままでした。おじいさんは家に持ち帰ることにして、窓辺に飾ります。おじいさんから、しっかり家を守るよう頼まれたはんぶんライオン。おじいさんの家に危機が訪れたときの奮闘ぶりが見事です。

 はんぶんライオンは、謙虚な姿勢で仲間に教えを請うことはあっても、誇りを失うことはありませんでした。頼もしく爽快な生き方に共感します。絵はウッドバーニングの手法で描かれたそうです。不思議なタッチですが、温かみを感じさせます。(店主)


はんぶんライオン(こどものとも2024年3月号)

大原悦子 文

猫野ぺすか 絵


福音館書店

2024年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】もじもじこぶくん ピンクのぼうし(こどものとも年中向き2024年3月号)




 春の訪れが待ち遠しくなる絵本です。こぶたの「こぶくん」と一緒に、公園で遊びたくなります。白地を生かした線画と淡い色づかいの絵で春を強く印象づけています。

 恥ずかしがり屋のこぶくんですが、ピンクの帽子をかぶっていれば元気いっぱい。こぶくんが初めて自分で選んだ大事な帽子です。

 ある日、公園のすべり台で遊んでいると、ピンクの帽子は風に飛ばされてしまいます。「ぽとん」と落ちたところは、小さなきかんぼのこぶたの「もこちゃん」の前。さあ、たいへん! ピンクが大好きなもこちゃんは、こぶくんの大切な帽子をつかんで、なかなか返してくれません。

 もじもじするばかりのこぶくんは、果たして帽子を取り戻すことができるのでしょうか。ハラハラドキドキさせられますが、最後はもこちゃんと一緒に楽しく遊びます。


もじもじこぶくん ピンクのぼうし(こどものとも年中向き2024年3月号)

小野寺悦子 ぶん

きくちちき え


福音館書店

2024年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年2月10日土曜日

【本の紹介】ポンチャックさん(こどものとも年少版2024年3月号)




 何気ない普段の暮しの中で見つけた「いいもの」こそ、私たちの宝物であることを気づかせてくれる絵本です。鮮やかな色使いの絵も存分に楽しみましょう。

 牛のポンチャックさんは、海と空が見える素敵な家に暮らしています。今日はとてもよいお天気。ポンチャックさんは丘の上でスケッチをしました。

 帰り道で、いい匂いの花を見つけました。綺麗な石も見つけました。いいものでポンチャックさんのエプロンのポケットはいっぱいになりました。

 家に帰ると、おやおや、ポンチャックさんのお家はいいものでいっぱいのようす。お掃除や片付けは大変そうですが、ポンチャックさんはとても幸せです。そういえば、店主の娘も小さいころ、いろいろなところで石を拾ってご満悦でした。(店主)


ポンチャックさん(こどものとも年少版2024年3月号)

池谷陽子 さく


福音館書店

2024年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2024年2月6日火曜日

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.8




 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.8」を3月1日(金)に開催します。作家・村上春樹が提供する絵本の世界に旅立ちましょう。

 村上春樹は翻訳家として多くの絵本を手がけています。今回はその中から、1985年9月に出版された『西風号の遭難』(河出書房新社)を一緒に読みたいと思います。飲み物とお菓子付きです。お気軽にご参加ください。


■読む本:

『西風号の遭難』(クリス・ヴァン・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳、河出書房新社)


■日 時:2024年3月1日(金)午後6時~7時

■会 場:くわのみ書房

■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き

■定 員:4人


〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年2月3日土曜日

【本の紹介】あーちゃんは なかよし(こどものとも0.1.2. 2024年3月号)




 子どもの興味の広がりを促す絵本です。「なかよし」になれるものがたくさんあると、うれしくなります。

 なかよしがいっぱいの「あーちゃん」。お友だちの「ゆうくん」や犬の「コロ」、おもちゃの「ボール」もなかよしです。

 作者は子どもの気持ちに成りきって絵を描いたのでしょう。絵の線はシンプルで柔らかいタッチ。そこから、子どもが伸び伸びと描く姿が浮かんでくるようです。

 あーちゃんとなかよしたちの豊かな表情も楽しみましょう。お顔とお顔が一つにつながり、感情表現が高まります。(店主)


あーちゃんは なかよし(こどものとも0.1.2. 2024年3月号)

しいきさいこ


福音館書店

2024年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...