ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2019年3月31日日曜日

【本の紹介】マルチダとふたりのパパ




 前回の「本の紹介」で、ママが二人いる家族の絵本を取り上げました。今回取り上げる絵本には、パパが二人いる家族が描かれています。性の多様性をテーマにした絵本が増えています。
 パールの学校に転校生がやってきました。転校生のマルチダは、足が速くて高い木にも登れる。おまけに、どろんこあそびも大好き。パールは「わたしと そっくり!」と大喜びです。でも、パールは気づきます。マルチダの家族はおとうさんが二人いるのです。
 パールはマルチダの二人のパパから夕食に招待されます。パールはパパと遊ぶことが大好き。パパが二人いる家なら、きっと楽しさも2倍のはず。期待に胸を膨らませていたパールですが、ちょっとがっかりしたように帰ってきました。マルチダの家が全然普通だったからです。
 パールは、パパが二人の家でも「うちの パパと ママと かわらないんだよ!」と教えてくれました。誰もが性の多様性を理解し、性的マイノリティの存在を受け入れる社会になることを望みます。(店主)

マルチダとふたりのパパ
メル・エリオット さく
三辺律子 やく

岩崎書店
本体1500円+税
2019年3月31日発行

2019年3月30日土曜日

「大人のための絵本の会 vol.2」を開催しました!




 大人にとっても味わい深い絵本があります。そうした絵本の楽しみを広げる場として、くわのみ書房は「大人のための絵本の会」を開いています。
 2回目となる「大人のための絵本の会 vol.2」を3月29日に開催しました。定員いっぱいの6人の方の参加を得て、楽しいひとときを過ごすことができました。
 絵本を読んだのは宮本由佳理さんと藤岡美保さんのお二人。春をテーマに選書していただき、「だって春だもん」(アリス館)、「だいどころにも はるがきた」(福音館書店)、「ライフ」(瑞雲社)。「おさびし山の さくらの木」(BL出版)、「根っこのこどもたち 目をさます」(童話館出版)の5冊を読んでいただきました。参考ということで「ねっこぼっこ」(平凡社)という絵本もご紹介いただきました。この絵本は「根っこのこどもたち 目をさます」と原作が同じで、翻訳が異なります。
 絵本を読んだ後のお楽しみは参加者同士の語り合い。コーヒー・紅茶やお菓子と一緒に、絵本談義に花が咲きました。次回開催もお楽しみに! (店主)

「大人のための絵本の会 vol.2」
【絵本を読む人】藤岡美保・宮本由佳理
■日時:2019年3月29日(金)午後7時
■会場:くわのみ書房
■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き
■定員:6人

2019年3月29日金曜日

【本の紹介】ふたりママの家で




 家族の物語を描いた絵本です。ごく普通の家族です。とくに大きな出来事が起こる訳ではありません。
 でも、この家族には少し変わったところもあります。ママが二人いるのです。パパはいません。3人の子どもたちは、それぞれどこか別のところで生まれて、この家にやってきました。
 この絵本の背景には、性の多様性について理解が広がったことが上げられます。ただ、まだすべての人から理解が得られている訳ではないでしょう。この絵本にも、この家族を受け入れられない人が描かれています。
 性の多様性への理解は、家族の多様性への理解につながっていきます。それがさらに人間の多様性の理解への広がるでしょう。世界の人々が平和に暮らしていくためには、こうした理解の広がりが不可欠です。(店主)

ふたりママの家で
パトリシア・ポラッコ 絵・文
中川亜紀子 訳

サウザンブックス社
本体2300円+税
2018年10月29日発行

2019年3月28日木曜日

【本の紹介】オーケストラ




 探して遊べる絵本です。オーケストラの楽団員を探します。
 コンサートまであと1週間しかないのに、オーケストラの楽団員はみんなバカンスに行ってしまいました。マエストロの指揮者がアシスタントと一緒に楽団員を探しに出かけます。
 世界の町を巡ります。日本の東京にもやってきます。大勢の人たちが描かれている中で楽団員を探すのは一苦労。がんばって探しましょう。
 表紙をめくると、楽団員と楽器が描かれています。楽団員がバカンスに行った先から出したハガキもヒントになります。子どもと一緒に大人も楽しめます。(店主)

オーケストラ
さく・え クロエ・プラルノ
やく うちださやこ

アノニマ・スタジオ(KTC中央出版)
本体1800円+税
2018年9月25日発行

【本の紹介】リズムがみえる




 アフリカ系アメリカ人の音楽の歴史を綴る絵本です。絵はパワフルでエネルギッシュ。光輝くような絵本です。
 音楽の歴史とはいえ、アメリカで黒人がたどってきた歴史そのものといってもよいでしょう。黒人たちの生活には、いつも音楽があったことの証左でもあります。
 5~6年ほど前のアメリカ旅行でニューヨークに行きました。この絵本でも紹介されているハーレムのアポロシアターや、グリニッジビレッジのジャズのライブハウスにも行きました。音楽は本当に素晴らしい。
 ハーレムでは教会の日曜礼拝にも行きました。迫力あるゴスペルに圧倒されました。音楽は魂を解放する。リズムが音楽の本質であることを実感しました。(店主) アレサ・フランクリンを聴きながら…。

リズムがみえる
絵 ミシェル ウッド
文 トヨミ アイガス
訳 金原瑞人
監修 ピーター バラカン

サウザンブックス社
本体3000円+税
2018年9月25日発行

2019年3月24日日曜日

【本の紹介】やまのかいしゃ




 この絵本の主人公はサラリーマンのほげたさんです。ほげたさんは朝起きるのがとても苦手です。私も朝起きるのがとても苦手。だから、ほげたさんにはともて親近感を感じます。
 それにしても、ほげたさんはすごい。寝坊しすぎて会社に出かけるのが昼過ぎになってしまうとは! そして、ほげたさんが乗った電車は、会社のある街には行かず、なぜか緑の森を超えて山に向かうのです。
 そこでほげたさんは、今日は山の会社に行くことにしました。道の途中で、同じ会社で働くほいさくんと会います。二人は山の頂上に着くと、そこが山の会社だと思い込んで仕事を始めます。
 山の会社は空気もおいしくて、とてもよいところです。ほげたさんは街の会社の人たちも呼び寄せますが、やはり全然儲からないので、社長はほげたさんとほいさくんに山の会社を任せて、ほかの社員と一緒に帰ってしまいます。今でも二人は、山の頂上にある会社で頑張っているそうです。うらやましいですね。(店主)

やまのかいしゃ
スズキコージ・さく
かたやまけん・え

福音館書店
本体1500円+税
2018年5月5日発行

2019年3月23日土曜日

【本の紹介】もみじのてがみ




 もみじの手紙が届きました。赤く染まったもみじの葉は冬の到来を伝えます。
 一羽のつぐみが、向こうの山からもみじの手紙が来たことをねずみに伝えます。ねずみはこっちの山にも赤いもみじがあるか探しに行きます。りすやひよどりも誘いました。
 森の中に赤いものはいくつもあるのに、もみじとは違うものばかり。みんな、がっかりしています。でも、こっちの山にもちゃんとありました。それはそれは見事なもみじです。
 大胆に描かれたもみじの絵に引き込まれます。少ない色数ながら深く色濃い世界が表現され、作家の力を感じます。(店主)

もみじのてがみ
きくちちき

小峰書店
本体1600円+税
2018年10月11日発行

2019年3月22日金曜日

【本の紹介】キツネのはじめてのふゆ




 まだ幼さが残るキツネが初めての冬を迎えようとしています。ひとひらの雪が鼻先でじんわりとけていきます。
 冬が来たら何かをしなければいけないような気がしています。でも、それが何か分かりません。キツネは漠然とした不安を抱えているようです。
 キツネの成長を見守る作者の暖かい心が伝わる絵本です。厳しさだけではなく、命を育む寛容さも併せ持つ自然の描き方にほっとします。
 もう雪はすっかり積もりました。キツネはパートナーとなるキツネと出会い、雪と一緒に踊りはじめます。それは一人ぼっちだったキツネが新しい家族をつくるためのダンスでした。(店主)

キツネのはじめてのふゆ
マリオン・デーン・バウアー 作
リチャード・ジョーンズ 絵
横山和江 訳

鈴木出版
本体1500円+税
2018年10月5日発行

2019年3月21日木曜日

【本の紹介】やましたくんはしゃべらない




 小学生のやましたくんを描いた絵本です。やましたくんは、かなり変わった子どもです。学校ではまったくおしゃべりをしません。
 1年生のときから6年生になった今でも、ひとこともしゃべることはありません。しゃべらないのに、授業中はしょっちゅうふざけいます。参観日に作文を読まなければならなくなったときは、家でカセットテープレコーダーに録音して披露しました。クラスの友だちは、このとき初めてやましたくんの声を聞きました。
 やましたくんも卒業のときを迎えます。卒業式で名前を呼ばれたとき、やましたくんは「はい…」と返事をしました。でも、とても小さい声だったので誰にも聞こえなかったようです。最後のページに、中学生になったやましたくんがいます。もう普通に話すようになったのでしょうか。友だちとも仲良くしているようです。
 この絵本のお話は、作者の山下賢二さんの実際の体験が元になっています。山下さんは幼稚園に入ったときから、人前では話さない生活をすると決めたそうです。そして、小学校の卒業式を機に9年間に及んだ「だんまりゲーム」を自ら終わらせます。
 話す能力は十分ありながら特定の場面ではまったく話せなくなってしまう状態を「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」というそうです。幼児期に見られることが多く、一定の割合で存在するようです。山下さんが場面緘黙症だったといってよいかどうかは分かりませんが、この絵本は子どもの多様性を理解するきっかけの一つになるように思います。(店主)

やましたくんはしゃべらない
山下賢二 作
中田いくみ 絵

岩崎書店
本体1600円+税
2018年11月30日発行

2019年3月20日水曜日

「かぞくのじかん」Vol.47 をお届けします!




 春は多くの人たちにとって区切りの季節です。心と家をリセットするきっかけを「かぞくのじかん」Vol.47(2019/SPRING)でみつけてください。
 特集のテーマは「楽に続けられる家事」です。毎日続く家事は、負担が重すぎず、ゆるやかに続けられる方法をみつければ、心も体も楽になります。
 紹介するレッスンは、わが家のウィークポイントを書き出して「無理なくできる仕組み」をつくること。がんばらなくてもうまくいく仕組みができれば、生活はラクに回るようになります。
 第2特集は「お母さんの心と体のメンテナンス」。突然のトラブルや行き違い、信頼関係の崩壊などにぶつかった人たちの体験談が参考になります。体調がすぐれないときに効果的なストレッチヨガのポーズも紹介しています。自分なりのメンテナンス法を探してみましょう。((店主)

「かぞくのじかん」Vol.47(2019/SPRING)

婦人の友社
本体759円+税
2019年3月5日発行

2019年3月16日土曜日

【本の紹介】はっぱのうえに(ちいさなかがくのとも2019年4月号)




 見事な細密画でナナホシテントウが蛹から成体になるまでの変態を描いた絵本です。「作者のことば」によると、取材のための観察は3年に及んだそうです。
 ときは春。住宅地にある原っぱは花が咲き乱れ、虫たちでいっぱいです。
 葉っぱの上に、何だかわからない変なものがあります。ここにもそこにも、葉っぱの上についています。じっとしているようですが、蟻が触ると「ぴくん!」と動きました。生きているようです。
 何か出てきました。虫のようです。何だかわからないものは虫の蛹だったのです。出てきた虫は葉の裏に回ります。だんだん模様が浮かんできて、色も濃くなってきました。ナナホシテントウでした。葉っぱの上にナナホシテントウ。やがて羽を広げ始めると、空高く飛び立って行きました。(店主)

はっぱのうえに(ちいさなかがくのとも2019年4月号)
たてのひろし さく

福音館書店
2019年4月1日発行
本体407円+税

2019年3月15日金曜日

【本の紹介】テオのりんご(こどものとも年中向き2019年4月号)




 この絵本の主人公はこぐまのテオです。テオはおばあちゃんにりんごを届けに出かけます。たくさんのりんごが入ったバケツはとても重そうです。
 テオは友だちと会うたびに、りんごをあげてしまいます。バケツは軽くなりました。でも、テオは残りのりんごが少なくなっていることに気がつかなかったようです。テオはまだまだ子どもだから仕方ないですね。
 テオは残り少なくなったりんごも川にを落としてしまいます。おばあちゃんにあげるりんごは全部無くなってしまいました。泣きじゃくるしかないテオですが、テオの優しさは友だちのみんなにも広がっていました。
 みんなが優しくなれる絵本です。登場する動物たちが生き生きと描かれ、お話に輝きを与えています。(店主)

テオのりんご(こどものとも年中向き2019年4月号)
きたむらえり さく
きくちちき え

福音館書店
2019年4月1日発行
本体407円+税

2019年3月14日木曜日

【本の紹介】まゆとそらとぶくも(こどものとも2019年4月号)




  子どものころ、空を飛ぶ夢を見たことがあります。50年以上前に見た夢ですが、今でも覚えているということは、よほど強烈なインパクトがあったのでしょう。
 この絵本を読んで、その夢の感覚を思い出しました。やまんばの娘のまゆが、小さな雲に乗って空を縦横無尽に飛び回ります。
 まゆが雲を捕まえると、雲はまゆを乗せたまま「バビューン!」と空に向かって飛び上がります。まゆは「ヤッホー! あたし、とんでるよぉ!」と叫びます。叫びたくなるまゆの気持ちがよく分かります。
 まゆが見つけた雲はカミナリぼうやの雲でした。カミナリぼうやは雲乗りの練習をしているうちに、風に飛ばされて雲から落っこちてしまったのでした。まゆはカミナリぼうやを無事お家まで送り届けてあげます。そして、カミナリとうさんがつくってくれた一人乗り用の雲に乗って帰ります。まゆがとてもうらやましくなりました。(店主)

まゆとそらとぶくも(こどものとも2019年4月号)
富安陽子 文
降矢なな 絵

福音館書店
2019年4月1日発行
本体407円+税

2019年3月13日水曜日

【本の紹介】どこいくの(こどものとも年少版2019年4月号)




 春めいてきました。散歩が楽しい季節です。この絵本でも、大勢の友だちが一緒に「ぶーらぶら」と散歩を楽しみます。
 子どもが歩いているとねこさんと会いました。ねこさんは大きな黄色いリボンをつけています。「どこいくの」と尋ねる子どもに、ねこは「ちょっと そのへん ぶーらぶら」と応じます。この後の会話は、ちょっと大人っぽくおしゃれに。「ごいっしょしても いいかしら」という子どもに、ねこさんは「おすきに どうぞ」と返しました。こうして一緒に散歩する友だちがっだんだん増えてきいきます。
 最後に誘ったのはうさぎさん。でも、うさぎさんはのどが痛いといってお医者さんのところへ行くようです。その後、みんなはぶたさんからおやつにプリンをいただきました。うさぎさんがちょっとかわいそう。でも裏表紙をみると、子どもがプリンを持ってうさぎさんのお見舞い行きました。うさぎさん、よかったね。
 この絵本は「ぼうさん ぼうさん」というわらべ歌がもとになっているそうです。そのせいか、絵も文章も、とてもリズミカル。読み始めると楽しい気分になってきます。(店主)

どこいくの(こどものとも年少版2019年4月号)
やぎゅうまちこ さく

福音館書店
2019年4月1日発行
本体407円+税

2019年3月8日金曜日

【本の紹介】家をかざる(たくさんのふしぎ2019年4月号)




 世界各地で撮影した家を紹介する写真絵本です。きれいに飾り付けられた家の写真を集めました。家は飾り付けなくとも住むことができるのに、人々はどうして家を飾るのでしょう。作者の好奇心がこの絵本を生み出しました。
 ギリシアのヒオス島から旅が始まります。この島のピルギー村の家の壁はクシスタという模様で飾られています。クシスタは、近くの海岸でとれた黒い砂のセメントを下地にして、その上に白い漆喰を塗り、まだ生乾きのうちにフォークで引っ掻いて模様を描きます。シンプルで美しい幾何学模様が目をひきます。
 イタリアのサルデーニャ島の家に驚かされました。壁にムラーレスと呼ばれるフレスコ画の絵が描かれています。現実と区別することがむずかしいほど写実的な絵がてとても見事です。不思議な感覚を覚えます。
 飾り付けの方法はさまざまです。人々はその土地に合ったやり方で家の飾り付けを楽しんでいます。家を飾ると心も豊かになるという作者の言葉に納得します。それにしても、家を飾ることに並々ならぬ情熱を感じます。人は家を飾らないと生きていけないのかもしれないと、作者は思い至ったようです。(店主)

家をかざる(たくさんのふしぎ2019年4月号)
小松義夫 文・写真

福音館書店
2019年4月1日発行
本体713円+税

2019年3月7日木曜日

【本の紹介】あーそーぼ あーそーぼ(こどものとも0.1.2. 2019年4月号)




 昔、まだ多くの家で電話があることさえめずらしかったころ、子どもたちは友だちを遊びに誘う際、直接その子の家まで出向き、窓の外から大きな声で呼び出したものでした。「あーそーぼ」といったこともあっただろうし、いわなかったときもあったのかもしれませんが、実際の声による呼びかけ言葉以上の意味を持って受けとめられ、喜びも大きかったのだと思います。
 この絵本ではこねこやこいぬといった小さな動物たちが友だちに「あーそーぼ」と呼びかけます。すると、友だちもうれしそうに「いーいよ」と応えます。そのやりとりを、この絵本を読む子どもたちも自分のことのように楽しむでしょう。
 こぶたの登場に驚かされますが、作者のことばによると、住宅展示場のイベントでミニブタと会った体験がお話のもとになっているようです。ミニブタには犬と同レベルの知能があるそうです。
 動物たちは温かみのある繊細なタッチで描かれ、語りかけるような目が印象的です。「あーそーぼ」の後はボール遊びが始まりました。人間の赤ちゃんもハイハイしながら、動物の子どもたちとボールの追いかけっこをしています。(店主)

あーそーぼ あーそーぼ(こどものとも0.1.2. 2019年4月号)
ひろのたかこ

福音館書店
2019年4月1日発行
本体407円+税

2019年3月6日水曜日

「母の友」2019年4月号をお届けします!




 ビッグな対談が「母の友」2019年4月号に掲載されています。ロングセラー絵本の「はじめてのおつかい」をつくった作家の筒井頼子さんと画家の林明子さんのお二人による対談です。
 現在、筒井さんは宮城県、林さんは長野県にそれぞれ在住されています。なかなかお会いする機会がなかったのですが、昨年、林さんの絵本原画展が宮城県仙台市の美術館で開催され、その会期中に林さんが仙台を訪ね、お二人の再会が30数年ぶりに実現しました。
 筒井さんには3人の娘さんが同行していました。その娘さんたちは、絵本の「はじめてのおつかい」に登場するみいちゃん、「あさえとちいさいいもうと」のあさえちゃんとあやちゃんのモデルになった方々だそうです。
 林さんは絵を描く前に写真を撮り、その写真を参照しながら絵を仕上げていきました。その撮影対象になったのが、筒井さんのご自宅だったそうです。撮影時のエピソードは絵本制作の裏話として、とても興味深く読みました。撮影から30年以上経っても、林さんは娘さんたちの中に、絵本書いた当時の姿を見ることができたと語っています。(店主)

「母の友」2019年4月号

福音館書店
本体537円
2019年4月1日発行

2019年3月3日日曜日

Co-展が開催されました!




 くわのみ書房も参加する「Co-展」が習志野市大久保の八幡公園で開催されました。今回も大勢の方にご来場いただきました。本当にありがとうございました!
 今回で3回目の開催となったCo-展。すっかり習志野の街に定着したように思います。子どもも楽しめるワークショップや近隣のお店による食べ物・飲み物、雑貨類の販売など、提供するサービスも前回からパワーアップしました。
 ライブもありました。オカリナ・デュエットのトィンクルバーズは絵本作家の宮田ともみさんと当店スタッフ(店主の妻)によるユニット。今回のCo-展で見事デビューを果たしました。店主もCo-展スペシャルズにベースとボーカルで参加しました。
 くわのみ書房は、ややこじんまりとしたブースで絵本などを販売しました。たくさんの人にお声がけいただき、楽しいひとときを過ごすことができました。また次回、よろしくお願いいたします!(店主)

京成らいんで紹介されました!




 くわのみ書房が「京成らいん」2019年3月号で紹介されました。京成らいんは京成電鉄が発行する無料の沿線情報誌です。
 くわのみ書房は「沿線で楽しめる絵本の世界」という企画の中で取り上げていただきました。1ページ分を使い、店内のようすがわかる大きな写真も掲載されています。 
 前ページで紹介されているのは東京・上野の国際子ども図書館。並んで取り上げられるとは、恐縮するどころか穴があったら入りたい気持ちです。企画の趣旨は、親子で出かけるきっかけづくりや絵本への関心を持っていただくことだそうです。これを機会に絵本を手にする人が増えるようになればうれしく思います。
 京成らいんの発行部数は8万部。京成線・新京成線・都営浅草線の各駅、都営新宿線(本八幡~新宿三丁目)、京急線(品川~横浜)、京成グループ関連施設。地元市町村の庁舎などで配布されています。どうぞ、お手に取ってご覧ください。(店主)

京成らいん2019年3月号 vol.708
京成電鉄

2019年3月1日金曜日

【本の紹介】もりのたんじょうびパーティ




 色鮮やかに描かれた森の生き物たちがたくさん登場します。王さまのお誕生日パーティが始まります。
 森の王さまは、きのこの「きのこだいおう」です。王さまにあいさつをするため、集まった生き物たちが並んでいます。先頭のメガネをかけたお髭のおじいさんは小人でしょうか。かえるやきのこが続きます。木の実や虫たちもいます。
 楽しいパーティのようすをシンプルに描いた絵本です。登場する生き物の名前を一つひとつ当てていくのも楽しそうです。
 オリジナルは1944年にベルギーで出版された「もりのこえほん」シリーズの1冊です。グワッシュという不透明な水彩絵の具が5色使われています。戦時下の厳しい環境でも、これだけ明るい絵本が生み出されたことに驚かされます。(店主)

もりのたんじょうびパーティ
エリザベス・イワノフスキー 作
ふしみみさを 訳

岩波書店
本体1000円+税
2018年4月18日発行

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...