森に白い動物が迷い込みました。見たこともない生き物の出現に、森の動物たちは恐れ慄きます。
しかも奇妙な行動を取るようになりました。葉っぱを集め始めたのです。やがて白い動物は「リーフ」と呼ばれるようになります。「はっぱ」という意味です。葉っぱを身につけて走り出し、空を飛ぼうとするリーフ。始めはこわがっていた森の動物たちですが、リーフの話に耳を傾けます。
リーフはシロクマでした。北極近くに暮らすシロクマがなぜ森に? 溶けた氷に乗って海の上を流されて来たようです。リーフは空を飛んで、家族がいる家に帰ろうとしていたのです。森の動物たちは、事情が分かると家まで帰れるように手伝ってあげることにしました。大勢のカラスによって空を飛ぶリーフ。何とか家に帰れたようです。
絵の美しさに引き込まれる絵本です。深みのある色使いが見事です。気候の温暖化や、自然環境の変化に関わるテーマも取り入れたお話です。(店主)
もりにきたのは
サンドラ・ディークマン 作
牟禮あゆみ 訳
春陽堂書店
2021年9月16日発行
定価(本体1900円+税)