ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2019年6月30日日曜日

【本の紹介】怪物があらわれた夜 『フランケンシュタイン』が生まれるまで




 怪物のフランケンシュタインが生まれるまでのいきさつを描いた絵本です。フランケンシュタインは、もともと「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」という小説に描かれた怪物です。その小説を書いた作家はメアリー・シェリー。まだ20歳の若い女性でした。
 メアリーは友人たちと一夏を過ごすため、スイスのレマン湖のほとりにある別荘に滞在していました。雨が続き、別荘に閉じ込められていた人々は、それぞれに怪談を書いて読み比べをしようということになりました。メアリーは死者を蘇らせる物語を生み出します。
 メアリーは、幼いころに聞いた、電気を使って死体を動かしたという実験の話を思い出します。一方でメアリーは、死者が蘇ることの恐ろしさよりも、蘇った死者として生きることの恐ろしさに思いを馳せます。メアリーの人間に対する深い理解があったからこそ、フランケンシュタインの物語は多くの人々に愛されたのだと思います。
 迫力ある絵に引き込まれます。読む人に不安をかきたてる絵は、自分に対する不安を抱えたまま生きるメアリーの心情を反映しているようです。この絵本のお話は、自分らしく生きようとしたメアリーの物語でもあります。最後の見開きページで、怪物に微笑みかけるメアリーの姿が印象的です。(店主)

怪物があらわれた夜 『フランケンシュタイン』が生まれるまで
文 リン・フルトン
絵 フェリシタ・サラ
訳 さくまゆみこ

光村教育図書
2018年12月20日発行
本体1500円+税

2019年6月29日土曜日

京成らいん × OZ magazine 2019年7・8月号で紹介されました!




 くわのみ書房が「京成らいん × OZ magazine」2019年7・8月号で紹介されました。京成線の各駅などで無料配布中です。
 この号の企画テーマは「ひとりカフェ町さんぽ」。京成津田沼、公津の杜、みどり台、京成佐倉、そして京成大久保の各駅周辺のカフェをマップつきで紹介しています。
 くわのみ書房は京成大久保駅からスタートするカフェ巡りのコースの中でご紹介いただきました。このコースでは5つのお店を取り上げています。どれも個性的なお店で、楽しいカフェ巡りができそうです。
 そのほかのコースも楽しそう。意外と知らないお店が多いことに驚きます。どうぞ、お手に取ってご覧ください。(店主)

京成らいん × OZ magazine 2019年7・8月号 vol.712
京成電鉄

2019年6月28日金曜日

【本の紹介】アリになった数学者




 数学者が書いた数学の絵本です。数学を通じて世界をどのように見ることができるのか教えてくれます。洗練された美しい文章で、私たちを数学の世界に誘います。
 主人公の数学者がアリになったところからお話が始まります。アリには数を数えるための指がありません。たくさんのものを同時に見渡すこともできません。アリには数というものがわからないのでしょうか。
 アリになった数学者は、働きアリと数について話をしようとします。やはり、アリには伝わりません。数の概念がないようです。でも、背中に翅の生えた艶やかなアリが現れ、「わたしはここで、朝の露をかぞえていたのよ」というではありませんか。数学者は驚きます。「あなたには数がわかるんですか?」
 どうやら、アリにはアリの数学があるようです。いつか人間が、アリの数学を分かるようになるかもしれない。数学者は、小さなアリになってはじめて、大きな数学の宇宙の入り口に立ったことを実感します。
 この絵本は「たくさんのふしぎ」2017年9月号として発刊されました。異例の早さでハードーカバー化されました。(店主)

アリになった数学者
森田真生・文
脇坂克二・絵

福音館書店
2018年10月5日発行
本体1300円+税

2019年6月27日木曜日

【本の紹介】ごろうのおみせ




 空き地に子どもがいます。この子が、ごろうです。
 この日、ごろうは小学校を辞めてしまいました。どうして辞めたのかは分かりません。友だちが学校に向かう中、ごろうは一人、逆の方向に進み、空き地に来たのです。
 空き地でごろうはお店を開きます。でも、売るものを何も持っていません。そこで、ごろうは落書きで○を描きました。すると、何とそれが全部売れてしまいました。ごろうもびっくりしたみたい。空き地は子どもの心を自由にします。
 ごろうが引き起こす不思議なお話に引き込まれます。絵がお話のイメージを広げ、この絵本の世界を形作っているように思います。(店主)

ごろうのおみせ
ごろう 作
死後くん 絵

岩崎書店
本体1600円+税
2018年12月31日発行

2019年6月26日水曜日

【本の紹介】しゅつどう! しょうぼうたい




 火災現場などで大活躍する消防隊員のようすをリアルに描いた絵本です。消防隊員の日常生活から緊迫する火災現場まで丁寧に描き、読む人を惹きつけます。
 消防隊員は決してスーパーマンではありません。家庭があり子どももいる消防隊員は、家では普通のおとうさんです。でも消防署に出勤し服を着替えれば、人もまちも守る消防隊員になります。
 消防署で働く人たちは「交代制勤務」と「毎日勤務」に分かれているそうです。交代制勤務は24時間勤務で、朝8時30分から次の日の8時35分まで消防署にいます。消防署の中のようすも詳しく描かれていて興味深い。仮眠室があるほか、体を鍛えるための体育館やトレーニングルームを備えていることもあるようです。
 この絵本は、消防隊員が日ごろから訓練を重ねていることを教えてくれます。また、消防車などの車両点検も怠りません。そうした積み重ねが人々の命を救うことにつながるのです。(店主)

しゅつどう! しょうぼうたい
鎌田歩 作・絵

金の星社
本体1300円+税
2019年2月発行

2019年6月20日木曜日

【本の紹介】ロミオとジュリエット




 原作はウィリアム・シェイクスピアによる戯曲です。誰もが知っていると言ってよいほど有名な作品が贅沢な絵本になりました。
 原作を読んだことはなくても、お話は大筋知っていたつもりでした。この絵本を読むと、かなり荒唐無稽にも感じられるラブストーリーだったことが分かります。
 訳者あとがきに「これは熱にかられた若者たちが、つかのまの光を放って駆け抜けていく物語なのです」と書かれていることに納得します。シェイクスピアが描いた若者の熱情は、今現在を含め、いつの時代でも見ることができるのです。その普遍性が、この物語を永遠のものにしているように思います。
 国際アンデルセン賞の画家賞を1990年に受賞したリスベート・ツヴェルガーさんが再話し、絵を描きました。とても読みやすく、シックな色使いの絵が物語に深みを与えています。まだ読んだことのない原作も、あらためて読んでみたいと思いました。(店主)

ロミオとジュリエット
再話と絵 リスベート・ツヴェルガー
原作=ウィリアム・シェイクスピア
訳=小森香折

BL出版
本体1700円+税
2018年10月1日発行

2019年6月19日水曜日

【本の紹介】ねこのオーランドー たのしい日々




 ねこのオーランドー一家のお話です。猫も人間と同じように、子どもの教育問題には頭を悩ませているようですが、家族の思いやりがあれば楽しい日々を過ごせます。
 子猫たちを学校で学ばせようと考えたオーランドーは、そのための費用をかせぐことにしました。猫に役立つものを発明して買い取ってもらうのです。奥さんのグレイスも、古い毛布を新品のようにふかふかに仕立て直したり、手袋やマフラーを縫ったりしてお金をかせぎます。
 お金ができたので子猫たちは学校に通えるようになりました。ところが、子猫たちは学校に行くのをいやがります。あらゆる手段を使って学校をさぼろうとします。怒ったオーランドーは「おまえらは、もう学校へいかんでいい!」と怒鳴りますが、グレイスはこれを聞いてちょっとほっとしたみたい。グレイスは本当のところ、〈ねこは勉強よりねずみ捕り〉をモットーにしていたからです。
 オーランドーを主人公にした最初の絵本は、1938年にイギリスで発行されました。その後、シリーズ化され、全部で18巻に及ぶようです。この絵本はその中の一冊で1942年の発刊です。猫たちの生活を生き生きとダイナミックに描きます。オーランドーはマーマレード色の猫という設定。とてもゴージャスで、カッコいいのです。(店主)

ねこのオーランドー たのしい日々
キャスリーン・ヘイル さく
こみやゆう やく

好学社
本体1600円+税
2018年12月19日発行

2019年6月16日日曜日

【本の紹介】てんにんにょうぼう(こどものとも2019年7月号)




 昔話の絵本です。お話は、よく知られている羽衣伝説のひとつです。
 天から降りてきた天女が水浴びをしているあいだに衣を隠されてしまい、天に戻れなくなってしまいます。天女は衣を隠した男と夫婦になり、子どもも生まれます。
 ある日、子どもが衣をの隠し場所を天女に教えてしまいます。衣を見つけた天女は天に戻り、男と子どもは後を追います。天を舞台にお話は続きますが、その内容がとても興味深い。それ内七夕の由来を伝えるお話でした。
 ダイナミックに展開する物語と色鮮やかに描かれた透明感のある美しい絵に魅せられます。新潟県に伝わる昔話を再話したそうです。昔話の力強さを感じさせます。(店主)

てんにんにょうぼう(こどものとも2019年7月号)
長谷川摂子 再話
中井智子 絵

福音館書店
2019年7月1日発行
本体407円+税

2019年6月15日土曜日

【本の紹介】まどのむこうのくだものなあに?(こどものとも年中向き2019年7月号)




 四角い窓がある絵本です。タイトルから窓の向こうに見えるのは果物の一部だと分かります。その果物は、さていったい何でしょう?
 いちごやメロンはやさしい。その次のパイナップルからむずかしくなります。
 果物の一部だけを見せてもらうことは、その部分を拡大して見ることになるようです。最初に出てくるいちごでは、外側についているつぶつぶに何か尻尾のようなものが付いているます。これは雌しべの名残だそうです。
 拡大してじっくりみると、見慣れた果物もまったく別のものに見えてきます。じっくり観察すれば、何か新しいものが見えてくる。その感動が荒井真紀さんにこの絵本を作らせました。荒井さんがじっくり観察して描いた絵を、私たちもたっぷり楽しませていただきましょう。(店主)

まどのむこうのくだものなあに?(こどものとも年中向き2019年7月号)
荒井真紀 さく

福音館書店
2019年7月1日発行
本体407円+税

2019年6月14日金曜日

【本の紹介】くびかざり(こどものとも年少版2019年7月号)




 シンプルに描かれた絵本です。でも、こどもの想像力を大いに刺激します。
 小さな玉が連なり、輪になった首飾りがあります。輪っかの首飾りが変身ごっこを始めました。
 輪っかは、くねくねと姿形を変えることができます。そこに少し想像力を加えれば、いろいろなものに変身できます。首飾りがサカナやゾウ、そしてタコに変身しました。
 玉をつないでいる紐を外せば、もっと自由になれます。色違いの首飾りもやってきました。いろいろな色の小さな玉が集まり、変身の可能性は無限大です。(店主)

くびかざり(こどものとも年少版2019年7月号)
殿内真帆 さく

福音館書店
2019年7月1日発行
本体407円+税

2019年6月13日木曜日

【本の紹介】おっぱい どーこ?(こどものとも0.1.2. 2019年7月号)




 一匹の子犬がおかあさんのおっぱいを探しています。おかあさんが待っていてくれました。子犬の兄弟たちも次々におかあさんのところにやってきます。
 子犬は毎日、おっぱいを飲んだら眠って、起きたら遊んで、またおっぱいを飲んで、という過ごし方を繰り返します。そして、日に日に大きくなり、独り立ちできるようになります。
 また目が開いていない生まれたばかり子犬でもおっぱいを探し当てます。その生命力の強さには感嘆するばかりです。そんな子犬たちの姿に感動したほりかわりまこさんが、この絵本を作りました。
 子犬たちからはいろいろな音が聞こえてきます。おっぱいを飲むときは「みゅくみゅく」、飲んだら「きゅむきゅむ」、眠るときは「すーすーすー」「しゅぴーしゅぴーしゅぴー」。ほりかわさんが子犬たちに注ぐ愛情の大きさを感じます。この絵本を通じて、子どもたちも自分が愛されていることを実感できるのではないでしょうか。(店主)

おっぱい どーこ?(こどものとも0.1.2. 2019年7月号)
ほりかわりまこ さく

福音館書店
2019年7月1日発行
本体407円+税

空きがあります!




 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会」を6月15日(土)に開催します。作家の村上春樹は翻訳家としても活躍しています。そして、絵本もたくさん翻訳しています。
 最新作の「わたしのおじさんのロバ」(あすなろ書房)を一緒に味わいましょう。まだお席に空きがあります。お気軽にご参加ください。飲み物とお菓子付きです。
 
【ご案内】村上春樹の絵本を読む会

■読む絵本:「「わたしのおじさんのロバ」(あすなろ書房)
■日 時:2019年6月15日(土)午後7時~8時
■会 場:くわのみ書房
■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き
■定 員:4人

〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房 電話047-419-3567(電子メール・SNSなどでも受け付けます)

2019年6月12日水曜日

【ご案内】木とこどものくらし展mini





 くわのみ書房は6月23日(日)、「木とこどものくらし展mini」で出張販売と絵本などの読み聞かせを行います。みなさまのご来場をお待ちしております!
 2019年4月から毎月、習志野市本大久保の「林檎の木」で開催されている「木とこどものくらし展mini」。子ども向けの家具や雑貨の販売とともに、さまざまなワークショップやイベントが開催されています。
 6月はくわのみ書房が「出張絵本屋さん」として登場。23日(日)は出張販売だけでなく、絵本の読み聞かせなどで楽しいひとときを提供します。あわせて、しまんと新聞ばっぐインストラクターの菊野千寿子さんによる新聞ばっぐワークショップも行われる予定です。
 前日22日(土)の夜は、すっかりおなじみになった「木とこどものナイトマーケット」。美味しい食べ物や飲み物と一緒に土曜の夜を過ごしましょう。

[木とこどものくらし展mini]
■日 時:2019年6月22日(土)17:00~20:00、23日(日)11:00~17:00
■会 場:ギャラリー林檎の木(http://www.gallery-ringonoki.com/)
     千葉県習志野市本大久保3-8-3河合ビルB2F
■入場料:無料(飲食代、ワークショップ代は別途)

※詳細はインターネット上の以下のサイトをご覧ください。
 https://facebook.com/hoppe2015/

2019年6月9日日曜日

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会




 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会」を6月15日(土)に開催します。絵本を通じて、村上春樹の世界を発見する旅に出かけましょう。
 作家の村上春樹は翻訳家としても活躍しています。そして、絵本もたくさん翻訳しています。
 最新作は「わたしのおじさんのロバ」(あすなろ書房)です。この絵本を一緒に味わいましょう。
 お気軽にご参加ください。飲み物とお菓子付きです。

【読む絵本】「「わたしのおじさんのロバ」(あすなろ書房)

■日時:2019年6月15日(土)午後7時~8時
■会場:くわのみ書房
■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き
■定員:4人

〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房 電話047-419-3567(電子メール・SNSなどでも受け付けます)

2019年6月7日金曜日

「母の友」2019年7月号が入荷済みです!




 福音館書店が発行する「かがくのとも」を通じて科学の面白さに目覚めた人は数多いと思います。同社発行の「母の友」2019年7月号は「かがくのとも」の創刊50周年を記念し、特集テーマに「子どもが科学にめざめるとき」を取り上げました。
 スペースシャトル・エンデバーに科学者として乗り込み、宇宙で科学実験を行なった経験のある毛利衛さんのインタビュー記事が掲載されています。毛利さんが科学好きになったのは、毛利さんが感じた科学の面白さを一緒に感じ取ってくれた母親の影響もあったそうです。
 毛利さんは、大前提として誰もが科学好きになる必要はないと指摘します。その上で、子どもを科学好きに育てるためには、子どもの好奇心を妨げないことが大切といっています。科学であれ音楽であれ、親自身が楽しめば、それが自然に子どもにも伝わり、興味を示すようになると語ります。
 数学の絵本を作ったお二人の対談も掲載されています。お二人の年齢差は59歳! 「はじめてであうすうがくの絵本」など多数の絵本を作った安野光雅さんと、「アリなった数学者」の作者の森田真生さんのお話はとても興味深い内容です。どうぞお手に取ってご覧ください。(店主)

「母の友」2019年7月号

福音館書店
本体537円
2019年7月1日発行

2019年6月5日水曜日

【ご案内】大人のための絵本の会 vol.5




 くわのみ書房は5回目となる「大人のための絵本の会」を6月28日(金)に開催します。大人も絵本の魅力を再発見しましょう。
 絵本を読むのは宮本由佳理さんと藤岡美保さんのお二人のユニット《えほんの木》です。夜のひとときを絵本と一緒にお過ごしください。
 絵本を読んだ後、参加者同士で感じたこと、思ったことなどを語り合いましょう。絵本の楽しみがいっそう深まります。
 お気軽にご参加ください。飲み物とお菓子付きです。

【絵本を読む人】《えほんの木》宮本由佳理・藤岡美保

■日時:2019年6月28日(金)午後7時~8時
■会場:くわのみ書房
■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き
■定員:6人

〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房 電話047-419-3567(電子メール・SNSなどでも受け付けます)

【ご案内】子どもの本のろうどく会




 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会」を開催します。小学校1~3年生の子どもたちを対象に本を朗読します。子どもたちの参加を待っています。お気軽にご参加ください。

■日 時:2019年6月9日(日)11:00-11:30AM
■会 場:くわのみ書房
■対 象:小学校!~3年生の子ども
■参加費:無料

くわのみ書房に、開始時間までにご来店ください。事前のお申し込みは不要です。

〈お問い合わせ〉くわのみ書房 電話047-419-3567

「暮しの手帖」100号をお届けします!




 「暮しの手帖」100号をお届けします。「暮しの手帖」は1号から100号までの発行を「世紀」と数えています。今号は第4世紀100号、つまり4番目の世紀の最終号になります。
 第4世紀100号記念企画として「16人のくり返しレシピ」が掲載されています。さまざまな分野で活躍する人が、第4世紀で紹介されてきた料理の中から、何度も繰り返し作るお気に入りの料理のレシピを紹介しています。
 俳優の片桐はいりさんが選んだ一品は、料理研究家の川津幸子さんの「ステーキ」。片桐さんが実際に川津さんのお宅にお邪魔し、実際に調理しながらその作り方のおさらいをしています。臨場感あふれるレポートで、ステーキの美味しさがひしひしと伝わります。そのほか、「プレーンシフォン」や「塩揉みきゅうりサンド」「秋刀魚のパエリア」など、美味しそうな料理のレシピが並びます。
 荻上チキさんの連載エッセイの「みらいねがめ」が単行本化されたことを記念し、イラストを担当するヨシタケシンスケさんと荻上さんの特別対談も掲載されています。次号から「暮しの手帖」は第5世紀が始まります。1号は特大号として発行される予定です。(店主)

「暮しの手帖」100号

暮しの手帖社
本体907円+税
2019年5月25日発行

2019年6月1日土曜日

【本の紹介】わたしのおじさんのロバ




 叔父さんとロバの暮らしを描いた絵本です。ロバは叔父さんに飼われているようですが、かなり自由気ままに暮らしています。
 自由気ままといっても、どこかに行ってしまう訳ではありません。お家の中に入って、好きなように過ごしているのです。椅子に座って新聞を読んだり、テレビで映画を観たりします。自分のベッドも持っていて、そこでぐっすり眠ったりもします。
 叔父さんは家の中にいるロバのことをほとんど気にかけていないようす。ロバは本当にいるのでしょうか。一緒にいるはずなのに、叔父さんにはロバのことが見えていないようです。
 誰もが叔父さんのようにロバと暮らせたら幸せかもしれません。幸せをもたらしてくれた叔父さんのロバ。ひょっとして私たちの隣にも、ロバがいたりしませんか。きっといますよ。(店主)

わたしのおじさんのロバ
トビー・リドル
村上春樹 訳

あすなろ書房
本体1400円+税
2018年12月10日発行

【本の紹介】イヌワシつかいのエルジャン

 モンゴルの高地に住む子どもの成長を描いた絵本です。そこではイヌワシを使う狩りが古くから行われていました。子どもの「エルジャン」は父親に習い、イヌワシつかいへの道を歩み始めます。  お話はイヌワシのヒナを捕まえに行くところから始まります。イヌワシをヒナから育てあげ、狩りができるよ...