ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2023年2月17日金曜日

【本の紹介】バンバンバンバンバンソウコウ




 リズムに乗って歌い出したくなる絵本です。明るいパステルカラーの絵で気分も盛り上がります。

 誰もがお世話になる絆創膏。「バン」「ソウ」「コウ」と声に出せば、自然とリズムが生まれます。それ、「バンバンバンバンバンソウコウ」。

 絆創膏を持って登場した二人の子どもは、まるでレスキュー隊。ころんだとき、ぶつけたとき、そしてかまれたときにも「バンソウコウ」。切り傷、擦り傷、かすり傷、なんでもござれの「バンソウコウ」。ピタッと貼れば楽しくなります。

 絆創膏がこんなに楽しいものだったとは! 作者の発想に脱帽です。(店主)


バンバンバンバンバンソウコウ

いとうひろし


ポプラ社

2023年1月発行

定価:本体1,300円[税別]

2023年2月16日木曜日

【本の紹介】津津浦浦(たくさんのふしぎ2023年3月号)




 不思議なタイトルの絵本ですね。大の鉄道好きの作者は、駅の名前からお話を始めます。

 全国の鉄道に乗っている作者はあることに気づきます。駅名に「津」や「浦」の字が多く使われているのです。作者は「津津浦浦」という言葉があることに思い至ります。「国じゅう」とか「日本のすみからすみまで、もれなく」といった意味です。

 日本は、いたるところに津や浦があるのでこういう言葉が生まれたのでしょう。では、津や浦とはどんな場所なのでしょう。どちらの字にも付いている「氵」は水に関係する部首です。津や浦は水に関わる場所と想像できます。作者は実際の駅まで出かけて行って確かめることにしました。

 こうして作者の旅が始まります。「氵」の付いた文字が使われる場所には、海や川とつながる物語がありました。やがて作者は、どんな場所にも小さな物語が隠されていることに気づきます。そんな物語を、あなたも探してみませんか? (店主)


津津浦浦(たくさんのふしぎ2023年3月号)

野坂勇作 文・絵


福音館書店

2023年3月1日発行

定価770円(本体700円+税10%)

2023年2月15日水曜日

【本の紹介】はなやさん(かがくのとも2023年3月号)




 街のお花屋さんの一日を描いた絵本です。華やかなお店に笑顔がいっぱい広がります。

 お花屋さんの仕事は朝早い時間から始まります。外はまだ真っ暗。車で向かうのは花市場です。

 花を仕入れると大急ぎで店に戻ります。花に水をやらないと枯れてしまうのです。お花屋さんは花が元気に長持ちするよう、それぞれの花に合わせたいろいろなやり方で水を吸いやすくしてあげます。

 お花屋さんは、お客様がいないときも花束やアレンジメントを作ったり、いつも大忙し。でも、お客様の笑顔を思い浮かべながら、楽しく仕事をしています。街のお花屋さんは、いつも私たちの暮らしに潤いを与えてくれる大切な場所です。(店主)


はなやさん(かがくのとも2023年3月号)

広野多珂子 さく


福音館書店

2023年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年2月9日木曜日

【本の紹介】あわあわ ふわふわ! くまの たんくん(ちいさなかがくのとも2023年3月号)




 ぬいぐるみの「くまのたんくん」は、はーちゃんといつも一緒。はーちゃんが転んで、たんくんは水たまりに落ちてしまいました。汚れたたんくんをお風呂に入れてあげましょう。

 おけにお湯がたまって、あっという間にちいさなお風呂の出来上がり。シャワーで汚れをさっと流してから、お風呂に入れます。

 おや、たんくんからあぶくが「ぷくぷく」と出てきました。たんくんはお湯を吸って重たくなり、ちょっと小さくなったように見えます。ちょっと心配になったはーちゃんですが、石鹸でごしごし洗い始めました。あわあわのたんくんは真っ白な洋服を着ているみたい。きれいにあわを落とし、お日さまに乾かしてもらうと、次の日にはふわふわでいい匂いのたんくんに戻りました。

 ぬいぐるみを洗う機会はそうそうある訳でもないでしょう。でも、実際に洗ってみると、いつもとちょっと違う姿を見せてくれます。その変化を見ることの楽しさを教えてくれる絵本です。(店主)


あわあわ ふわふわ! くまの たんくん

大川久乃 ぶん

川崎由紀 え


福音館書店

2023年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

苅谷夏子さんと「子どもの本の茶話会」を開催します!


 


 くわのみ書房は、苅谷夏子さんをゲストにお招きして「子どもの本の茶話会」を開催します。苅谷さんは今年1月、「タカシ 大丈夫な猫」(岩波書店)を出版されました。

 多方面でご活躍の苅谷さんは、生き物と人の暮らしを描くノンフィクション作家としてのお顔もお持ちです。苅谷さんは2020年5月、猫のタカシと出会いました。

 驚いたことに、タカシは足が体の左側の2本しか無かったのです。それでも、タカシは自力で立ち、走り、木に登り、恋もする! 足が2本しかなくても、タカシは大丈夫。タカシに惹きつけられた苅谷さんはタカシの物語を描き、それが1冊の本になりました。今回の茶話会では、タカシやタカシを支えている人たちのお話をたっぷりお聞きします。

 会場は、京成大久保駅近くのカフェギャラリー、Art Space Cafe PaPa(アートスペース カフェパパ) です。くわのみ書房の茶話会でも、すっかりお馴染みです。美味しいケーキと飲み物をいただきながら、苅谷さんや参加される方々とのおしゃべりもゆっくり楽しみましょう。(店主)


■ゲスト:苅谷夏子さん(ノンフィクション作家)

■日 時:2023年4月2日(日)午後2時~4時

■会 場:Art Space Cafe PaPa(アートスペース カフェパパ、https://cafepapa.info)

■参加費:2000円 ※ケーキセット付き

■定 員:10人


〈お問い合わせ・お申し込み〉

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(SNSでも受け付けます)

2023年2月8日水曜日

【本の紹介】はるちゃんと4にんのかぜのこ(こどものとも2023年3月号)




 やさしい風に吹かれたときの幸せな瞬間が4つのお話になりました。風が子どもの姿になってお話してくれる絵本です。

 はるちゃんは熱を出してベッドで寝ています。なかなか寝付けないようですが、そのうち、とろとろ眠くなってきました。

 気がつくと、はるちゃんは広い原っぱの真ん中にいました。前、左、右、そして後ろに4つの道があり、お家が見えます。それぞれの道の向こうから、風が吹いてきました。風は子どもの姿になり、それぞれのお家で起こったことをお話してくれました。

 病気で熱を出して寝込むのは辛いことです。でも、こんな楽しい夢が見られるのなら悪くないかも! (店主)


はるちゃんと4にんのかぜのこ(こどものとも2023年3月号)

たかどのほうこ さく


福音館書店

2023年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年2月7日火曜日

【本の紹介】だいくのだいきち おおねぼう(こどものとも年中向き2023年3月号)




 古典落語みたいなお話ですが、作者の太田大輔さんによる創作です。絵の雰囲気もぴったり。この絵本で、のんびり江戸時代にタイムスリップしましょう。

 主人公のだいきちは、道具を大切にする大工。腕もいいのですが、人並外れた大寝坊で、仕事を頼んだ人が使いを出してもなかなか起きません。お昼ごろになって、ようやくのこのこ仕事場に出てくる始末です。

 ある晩、侍が来て、殿様の馬小屋を作る仕事を頼みます。ところが次の日、例によってだいきちは大寝坊。次の日から、からくりを作って起きられるようにしましたが、それでも駄目。何日も寝坊が続くと、怒り心頭の侍は刀に手をかけ、「こんど おくれたら ただでは すまんぞ!」と凄みます。

 それでもなかなか起きられないだいきちにハラハラドキドキ。さて絶体絶命のだいきちにを救ったのは誰でしょう? (店主)


だいくのだいきち おおねぼう(こどものとも年中向き2023年3月号)

太田大輔


福音館書店

2023年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年2月4日土曜日

【本の紹介】トラックくん(こどものとも年少版2023年3月号)




 牧場で働くトラックが主人公の絵本です。名前は「トラックくん」。今日は牛乳を遠い街のお店まで届けます。

 トラックくんの荷台は冷蔵庫になっています。出来立ての牛乳を冷蔵庫に積んで、さあ出発です!

 救急車に道を譲ったり、渋滞に巻き込まれたりして、トラックくんはなかなかスムーズに走れません。「おくれる、おくれる! いそげ、いそげ!」と焦るトラックくん。「かん、かん、かん、かん」と音を鳴らす踏切で急ブレーキをかけて止まりました。そう、「あんぜん、だいいち!」ですね。

 おや、この踏切はどこかで見たことがあります。絵本の「ふみきりくん」の踏切です。実は、この絵本は「ふみきりくん」と同じお二人の作者による姉妹作です。2冊合わせてお楽しみください。

 「ふみきりくん」は京成線・海神駅の踏切をモデルにしてつくられました。(店主)


トラックくん(こどものとも年少版2023年3月号)

えのもとえつこ 文

鎌田歩 絵


福音館書店

2023年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)


【本の紹介】カランカランコロン(こどものとも0.1.2. 2023年3月号)






 音で遊ぶ絵本です。おもちゃや楽器の音で遊びましょう。

 はるくんがガラガラを持って、とことこやってきました。「カラン カラン カラン コロン コロン コロン」と楽しい音がします。

 するとタンブリンを持ったタヌキが登場。「タン タン シャララ タン シャララー」と音を鳴らすと、はるくんと合奏が始まります。

 続いて、トラはラッパ、カンガルーはカスタネット、シマウマはシンバルをそれぞれ持ってやってきました。どんな音がするのかな。さあ、こうなったらもう止まらない。みんな一緒に合奏です。楽しそう! (店主)


カランカランコロン(こどものとも0.1.2. 2023年3月号)

中野明美 文

ささめやゆき 絵


福音館書店

2023年3月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年2月1日水曜日

【本の紹介】タカシ 大丈夫な猫



 その猫の名前は「タカシ」。タカシは足が左側の2本しかありません。足が2本しかなくても、タカシは「大丈夫な猫」です。

 この本を書いた苅谷夏子さんは2020年5月の夕暮れ時、1匹の猫と出会いました。出会いは続き、3回目に会ったとき、苅谷さんはその猫の足が体の左側の2本しかないことに気づきます。その2本の足で、猫は鈴をチリンチリンと鳴らして駆けていきました。

 その後、苅谷さんが猫と再び出会うことはありませんでした。ところが、コロナ禍の緊急事態宣言の合間を縫っておしゃべりを楽しんだ近所の友人から、思いがけず猫のことを知らされます。すぐ近く家の飼い猫だったのです。苅谷さんはそのお家を訪ね、猫と再会を果たします。そして飼い主の黒岩ケイコさんから、猫の名前がタカシであること、タカシが2本足になった経緯、さらに2本足のタカシがこれまでどうやって生きてきたか聞くことになります。

 タカシは2本足ですっくと立ち、木にも登ります。恋だってしたのです。自分の当たり前の生を、当たり前に生きてきたタカシ。タカシは全身でこういっているのです。「なにがあったって、この世の終わりじゃない。大丈夫!」(店主)


※タカシの写真や動画はこちらから

https://instagram.com/takashi.djb?igshid=YmMyMTA2M2Y=


タカシ 大丈夫な猫

苅谷夏子


岩波書店

2023年1月26日発行

定価(本体1500円+税)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...