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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2020年6月29日月曜日

【本の紹介】九色のしか



 中国の昔話の絵本です。登場する人物や動物たちを影絵のように黒色で描いていますが、その下にはさまざまな色彩が隠されているようです。色彩の対比も存分に味わいましょう。

 砂漠の中に王宮がありました。そこに住む王妃は自分を美しくする薬草を取ってくるよう薬草とりに命じます。薬草とりは砂漠を越え、森に行き、光り輝く美しい九色の鹿と出会います。

 薬草とりは川に落ちたところを九色の鹿に救われます。お礼をいう薬草とりに、鹿は自分のことは決して誰にもいわないようにいいつけます。でも、王宮に帰った薬草とりは、九色の鹿のことを王妃に話してしまいます。国王から褒美を与えるといわれ、薬草とりは九色の鹿をとらえるため、国王を連れて再び森に行くことになります。

 敦煌の壁画に描かれた物語が絵本になりました。一羽の鳥がお話の語り手を勤め、たんたんとした語り口ながら「欲は 人を 恩知らずに してしまうもの」といったドキッとさせられる表現も織り込みます。作者は物語を冷静に見つめ、洗練された形に仕上げました。(店主)


九色のしか

リン・シュウスイ:文

リャオ・ジャンホン:絵

宝迫典子:訳


廣済堂あかつき

2020年5月30日発行

本体1600円+税


2020年6月26日金曜日

【本の紹介】こぶたのプーちゃん



 プーちゃんは桃色のかわいいこぶたです。おしりにくるんと丸まったしっぽがついています。

 散歩に出掛けたプーちゃんは大きなぬかるみを見つけます。「わあーい、いいもの みーつけた!」と大喜び。ぬかるみに飛び込んで、どろんこおばけに変身です。

 プーちゃんの変身は、まだまだ続きます。干し草の山に飛び込んでもじゃもじゃおばけ、たんぽぽの綿毛を使ってふわふわおばけ。やぎさんやうしさん、からすさんたちが驚いて逃げ出します。プーちゃん、調子に乗って大丈夫?

 この絵本を読んで大喜びする子どもたちの姿が目に浮かびます。最後はおかあさんに正体を見抜かれたプーちゃん。しっぽを見れば、すぐわかりますよね。(店主)


こぶたのプーちゃん

本田いづみ 文

さとうあや 絵


福音館書店

2020年5月15日発行

本体900円+税

2020年6月25日木曜日

【本の紹介】うさぎくんとママ



 元気いっぱいの子どもは、いつだって大人を困らせます。この絵本のうさぎくんもママを困らせてばかりです。

 テレビの音を思いっきり大きくしてママをびっくりさせたり、壁にクレヨンでらくがきをしたり。ママは叱って「いますぐ、じぶんの へやに いきなさい!」といいました。でも今度は部屋の中をめちゃくちゃに散らかしてしまいます。ママは困って「そとで あそびなさい!」といいました。

 うさぎくんは叱られているばかりではありません。外に出て花を摘みはじめたうさぎくんはなかよしのウィリアムくんから「いけないんだぞー」といわれてしまいますが、「はい、ママ どうぞ」と花を差し出します。うれしくなったママは叱ることができません。おひるねをしなさいといわれても、眠りたくないうさぎくんは知恵を働かせて、ママが来ると寝たふりをしています。

 子どもの行動は一筋縄では行かないようです。それでも、ママはうさぎくんが大好き。うさぎくんもママが大好きです。きっと気持ちは通じ合えます。(店主)


うさぎくんとママ

さく リチャード・スキャリー

やく 木坂涼


好学社

2019年2月21日発行


1400円+税

2020年6月19日金曜日

【お知らせ】最寄りのコインパーキングが一時閉鎖されます



 くわのみ書房の最寄りのコインパーキングが6月19日(金)午後11時から一時閉鎖されます。閉鎖解除は7月29日(水)の予定です。ご注意ください。

 くわのみ書房には駐車スペースがありません。自動車でご来店の際は近くのコインパーキングをご利用される方が多いと思います。

 店の斜向かいにあるコインパーキングが最も近く、便利に使えるのですが、ここが一時閉鎖されることになりました。6月19日から40日間ほど、貸切のため閉鎖されます。7月29日から使用再開の予定です。

 近隣の少し離れた場所に別のコインパーキングがあり、ご利用いただけます。しばらくの間、ご不便をおかけします。(店主)

【本の紹介】つぶつぶ ころん(ちいさなかがくのとも2020年7月号)



 イモムシの観察がテーマの絵本です。「作者のことば」によると、5〜6月はイモムシ・シーズン真っ盛り。イモムシを手元に置いて、その成長を観察することもできます。

 子どもがおばあちゃんの家で庭の木の枝をもらいました。花瓶に入れて飾ります。花のつぼみが付いています。もうすぐ咲きそうで、楽しみです。

 花瓶のまわりにつぶつぶが落ちていました。お掃除しても、また落ちてきます。不思議に思って観ていると、「ころん!」とひとつ落ちてきました。枝の葉っぱをよくみると、イモムシがいました。葉っぱをもりもり食べています。「あの つぶつぶは イモムシさんの うんちだったのかあ!」

 花が咲きました。イモムシは相変わらず葉っぱをむしゃむしゃ食べています。からだもうんちも大きくなりました。でも、葉っぱはもう無くなってしまいそう。子どもはイモムシを庭の木に戻してあげることにしました。自然を観察する楽しみも覚えたようです。(店主)


つぶつぶ ころん(ちいさなかがくのとも2020年7月号)

すずきかいか ぶん

堀川理万子 え


福音館書店

2020年7月1日発行

本体400円+税

2020年6月18日木曜日

【本の紹介】だれかいるみたい(こどものとも年少版2020年7月号)



 自然がとても豊かに、やさしく描かれています。作者のお二人はモンゴル人。初夏のモンゴルは、この絵本で描かれたような心地よい風景が見られるのでしょう。

 かくれんぼ遊びの絵本です。魚や動物たちが、川やお花畑、山麓の木の枝に隠れています。何匹いるか、数えながら探しましょう。

 ちょっとした仕掛けも隠されていることに注意して見てください。子どもたちはきっと気づいてくれるはず。読む進めていくうちに、動物たちの居場所、そして動物たちの数が変化しています。

 動物たちの体は、住んでいる場所に溶け込んでしまうような色をしています。だから、かくれんぼができるのでしょう。この絵本を通じて、モンゴルの自然の中で過ごすひとときを楽しんでください。(店主)


だれかいるみたい(こどものとも年少版2020年7月号)

イチンノロブ・ガンバートル 文

津田紀子 訳

バーサンスレン・ボロルマー 絵


福音館書店

2020年7月1日発行

本体400円+税

2020年6月17日水曜日

【本の紹介】みてるのだーれ(こどものとも0.1.2. 2020年7月号)



 画面の中で目がのぞいています。見ているのは誰でしょう?

 子どもと一緒に「みてるの だーれ」と呼びかけてみましょう。ページをめくると、いろいろな生き物が姿を見せてくれます。呼びかけに応じてもらえたことに、子どもも大喜びするでしょう。

 繰り返し読んで楽しんでください。小さな子どもも生き物が見ていることを理解し、呼びかけて期待通りの動きを見せてもらえば大きな満足を得ることになります。読んでくれる人も一緒に満足すれば、喜びは倍増します。

 しっかりと描いた絵に好感を持ちます。描かれた生き物の表情は、私たちの呼びかけを待っているように見えます。私たちの心を惹きつけ、自然に声を出して読みたくなります。(店主)


みてるのだーれ(こどものとも0.1.2. 2020年7月号)

松岡達英 さく


福音館書店

2020年7月1日発行

本体400円+税

【本の紹介】街のネズミ(たくさんのふしぎ2020年7月号)



 人間が暮らす街には、ネズミもたくさん暮らしています。この写真絵本はそんなネズミたちのようすを生き生きと伝えています。

 街中でネズミを見かけることは滅多にありません。ネズミをじっくり見たことのある人も、そう多くはないでしょう。また、ネズミは病原菌を運ぶことから、人々からおそれられている存在でもあります。

 でも、この絵本が紹介するネズミの愛くるしい姿に誰もが驚かされるでしょう。私たちに何かを訴えるような瞳をみると、ネズミを主人公にした絵本が数多くつくられていることも理解できるように思います。

 ネコに襲われそうなネズミがいます。ハトやカラスも、ネズミにとって好ましくない相手のようです。ちっぽけな存在のネズミたち。でも、私たちの身近なところで、したたかに生きています。(店主)


街のネズミ(たくさんのふしぎ2020年7月号)

原啓義 文・写真


福音館書店

2020年7月1日発行

本体700円+税


2020年6月11日木曜日

【本の紹介】まる!(かがくのとも2020年7月号)


 不思議なタイトルの絵本です。「まる!」って、何のことでしょう。

 扉のページをめくると、左のページに大勢の子どもたちがいます。「かがくのとも」を読むくらいの年齢の子どもたちです。数えてみると全部で72人。右のページに短い文章があって、「みんなに むかって さけんでみよう」と呼びかけています。

 呼びかけられたのは、この絵本を読んでいる子どもたち。そう、あなたです! それでは叫んでみましょう。「せーの、まる!」。

 タイトルはこの掛け声だったのですね。次のページをめくると、絵本の中の子どもたちが応えています。みんな両手で「まる」をつくってくれました。読み手の子どもたちの掛け声に、絵本の中の子どもたちが動作で応えてくれたのです。まるで、読み手の子どもと絵本の中の子どもたちがコミュニケーションをしているかのようです。この絵本でコミュニケーションの楽しさを感じてみましょう。(店主)


まる!(かがくのとも2020年7月号)

佐藤雅彦+山本晃士ロバート(ユーフラテス)


福音館書店

2020年7月1日発行

本体400円+税

【本の紹介】へらへらおじさん(こどものとも2020年7月号)



 この絵本をつくった佐々木マキさんには「へろへろおじさん」という作品があります。よく似たタイトルですね。「へらへらおじさん」は「へろへろおじさん」の姉妹編です。

 姉妹編だから内容もよく似ています。へらへらおじさんもへろへろおじさんと同様、たくさんの災いに遭遇します。

 竜巻に巻き上げられたり、マンホールから出てきたワニに靴を取られたり、金星人に光線銃で攻撃されたり、かなり荒唐無稽な災難が重なります。でも、へらへらおじさんは何があっても、いつもへらへら笑っています。

 最後はハッピーエンドが待っています。へらへらおじさんは、とても強い人です。そして、家族をとても大切にする人でした。(店主)


へらへらおじさん(こどものとも2020年7月号)

佐々木マキ


福音館書店

2020年7月1日発行

本体400円+税

2020年6月9日火曜日

【本の紹介】「母の友」2020 年7月号



 残念ながら、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外出がままならない状況が続いています。でも、きっとまた、みんなで気持ちよく外を歩き回れるときがやってくるはず。そんな希望を持ちながら「母の友」7月号の特集を楽しみましょう。特集のテーマは「身近な自然を感じる」です。

 自然には私たちの心と身体をリフレッシュさせる力があると思います。身近な自然を感じることで私たちの生命力はいっそう強くなります。誰でも気軽に楽しめるハイキングから始めてみてはいかがでしょう。

 国内外でハイキングを楽しむ佐井和沙さんが「いつかハイキング!」という記事でその魅力を語ります。自然と親しむ第一歩として、ハイキングはぴったりだとお勧めします。ハードルを下げて自然の中に出かける。少しずつ自然に慣れていくことが大切です。

 佐井さんは、気に入ったハイキングコースを見つけたら何度も行ってみてはと呼びかけます。私のお気に入りのコースは「鎌倉アルプス」。季節ごとに楽しめる素敵なハイキングコースです。安心して出かけられるときが早く戻ってくるように願っています。(店主)


「母の友」2020年7月号


福音館書店

本体527円

2020年7月1日発行

2020年6月3日水曜日

【本の紹介】くずのしげみで みつけた むしたち(かがくのとも2020年6月号)



 草には虫がたくさん集まるものですが、とくにクズは多くの虫たちを引き寄せるそうです。春から秋までクズを観察すれば、多くの虫たちと出会うことができます。

 クズはマメ科のツル植物で、秋の七草の一つです。正直なところ、これまであまり意識して見たことはありませんでした。でも、日本では広く分布し、旺盛な繁殖力で道端などでもよく見かけるそうです。

 クズの葉っぱの観察から、虫の観察が始まります。綺麗な葉っぱに混ざって、縁がギザギザになったものや、穴が開いたものもあります。虫が葉っぱを食べた跡です。そこにはきっと虫たちもいるはずです。

 クズに集まる虫たちというテーマでつくられたこの絵本。一つの草に着目して虫の観察を始めてみるのも楽しそうです。(店主)


くずのしげみで みつけた むしたち(かがくのとも2020年6月号)

小林俊樹 ぶん

長谷川哲雄 え


福音館書店

2020年6月1日発行

本体400円+税

2020年6月2日火曜日

【本の紹介】「暮しの手帖」6号(6-7月号)



 興味があった金継ぎのやり方を解説する記事が「暮しの手帖」6号に掲載されています。縁がちょっと欠けて、何だかみすぼらしくなってしまった陶磁器の器。金継ぎで修繕すると新たな味わいも生まれ、気持ちよく使い続けることができます。

 お気に入りの器は、割れたり欠けたりしたからといって捨ててしまうのは実に忍びない。金継ぎで修繕してみましょう。教えてくれるのは、金継ぎ師の山下裕子さんです。金継ぎに必要な道具や材料はDIY用品のお店や漆専門店、画材店、インターネットで購入できます。

 金継ぎは難しそうと躊躇する人は多いと思います。この記事はできるだけシンプルで無理なく楽しく行える金継ぎの方法を教えてくれます。

初めての方でも挑戦しやすいように、茶碗などの縁の小さい「欠け」と、パリンといくつかの破片と分かれてしまった「割れ」の修繕方法を解説します。「暮しの手帖」編集部の金継ぎ初心者5人も挑戦しました。実践を通じて感じた疑問とその解答なども記載されていて参考になります。

 店主の家にも、縁が欠けてしまったマグカップがあります。とくに高価なものではありませんが、ドイツ製でシンプルながら使いやすいデザイン。金継ぎで繕い、これからも長く使い続けられるようにしたいと思います。(店主)


「暮しの手帖」6号


暮しの手帖社

本体907円+税

2020年5月25日発行

2020年6月1日月曜日

【お知らせ】6月のイベント開催は見合わせます!



 くわのみ書房は、新型コロナウイルスの感染拡大を避けるため、6月のイベント開催を見合わせます。また、営業時間の短縮を継続します。営業時間は平日の午前11時から午後5時まで、土曜日・日曜日・祝日(振替休日を含む)は休業日とします。従来、定休日としていた月曜日・火曜日は営業します。

 ウイルス感染が今後どのように推移していくのか、なかなか見通せない状況です。安全・安心の生活が早く戻るよう強く願っております。(店主)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...