一人のおじいさんのお話です。盆栽をこよなく愛し、ぼんさいじいさまと呼ばれているようです。
春の空が青く晴れ渡ったある朝のこと。じいさまは庭に出ると裏山にまわり、弁天様のお供えを済ませました。
たくさんの盆栽はじいさまの宝物。その中で、一番大切で、一番見事な枝垂れ桜の盆栽が満開の時期を迎えています。その枝に、ひいらぎの冠をつけた小さな少年が座って手を振っていました。少年がじいさまに言います。「お迎えにきました」
動物たちがじいさまに別れを告げます。少年に手を引かれ、ゆっくりと裏木戸を出るじいさま。二人の姿が風の向こうに消えました。お話はこれでおしまい。
この絵本は1984年に偕成社、その後2004年にビリケン出版から発行された作品を復刊しました。(店主)
ぼんさいじいさま
木葉井悦子
瑞雲舎
2022年3月15日発行
定価:本体1700円+税
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