ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2018年9月30日日曜日

【本の紹介】ぼくのなまえはへいたろう




 子どもが怒っています。自分の名前が呼ばれるたびに、多くの人が笑うからです。子どもの名前は「へいたろう」。この絵本の主人公です。
 友だちは「むかしの人みたい」「うまれるとき、おならしたんだよ」などと勝手なことをいいます。へいたろうは、自分で自分の名前を付けられなかったのは不公平だと憤ります。
 私は、へいたろうの気持ちがとてもよく分かります。私も同じような悩みを持っていたからです。私の名前は「なすつねひと」。なすは野菜の「なす」と同じで、よくからかわれました。つねひとは漢字で「庸仁」と書きますが、ほとんどの人がきちんと読めません。学校の先生でも最初から正しく読めた人はいませんでした。
 へいたろうは、へいたろうの名前を考えたおとうさんにその訳を聞く(つまり、文句を言う)ことにしました。すると、おとうさんは「なまえをかえることはできないけど、なまえのほうが、かわることがあるよ」といいます。「イヤなやつのなまえは、イヤなかんじがするけど、かっこいい人のなまえなら、かっこよく聞こえるからね」と話すおとうさんに私も感心してしまいました。そのあと「じぶんで、じぶんのなまえをかっこよくできたら、それって、すごくかっこいいかもしれない」と考えるへいたろうは、もうすでに、かなりかっこいいと思います。(店主)

ぼくのなまえはへいたろう
灰島かり 文
殿内真帆 絵

福音館書店
本体1200円+税
2018年6月15日発行

2018年9月28日金曜日

「暮しの手帖」96号をお届けします!




 創刊70周年記念号の「暮しの手帖」97号をお届けします。記念企画の「8人の料理家に聞きました。料理力って何でしょう?」は読み応え十分です。
 料理力とは「日々、料理し続け、自立して生きる力」だといいます。旬の素材で「あれを作ろう」と思い、自然に手を動かせる力のことです。8人の料理家が本物の料理力を身につける方策を語ります。
 土井善晴さんはこの企画の中で、3人の若者たちを相手に料理教室を開きました。実際にご飯を炊き、味噌汁を作ります。その間の土井さんのお話は一つひとつ納得することばかり。「料理力ってのは、人を幸せにする力」という言葉に感銘を受けました。
 おむすびと焼き飯も作ります。シンプルですが、美味しそう。読めばすぐに試したくなります。どうぞ手に取ってご覧ください。(店主)

「暮しの手帖」96号

暮しの手帖社
本体926円+税
2018年9月25日発行

2018年9月27日木曜日

【本の紹介】ふたごのカウボーイ




 アメリカのミシガン州というところに住んでいる双子の男の子が主人公のお話です。二人の名前はネッドとドニー。今日はカウボーイごっこで遊びます。
 ネッドとドニーは、カウボーイの「スティーブ」と「ジム」になりました。お家の庭は「オクラホマ牧場」です。勇敢な二人のカウボーイにとって、おたずねものも動物たちもいないオクラホマ牧場は物足りない。まちに出れば冒険が始まります。二人が通りを渡るたびに、新しい冒険が始まるのです。
 子どもは「ごっこ遊び」が大好きです。ごっこ遊びでは、何にでもなれるのです。でも、ネッドとドニーがスティーブとジムに成りきったことで大人たちは大混乱。おかあさんとおとうさんは、二人が迷子になってしまったと心配します。
 このまちには子どもたちをやさしく見守る大人たちがいます。ネッドとドニーは無事、おかあさんたちと会うことができました。最後は子どもたちもほっとできる素敵なお話です。(店主)

ふたごのカウボーイ
作 フローレンス・スロボドキン
絵 ルイス・スロボドキン
訳 小宮由

瑞雲社
2018年6月1日発行
本体1300円+税

2018年9月26日水曜日

【本の紹介】あきの おさんぽ いいもの いくつ?(ちいさなかがくのとも2018年10月号)




 絵に描かれているものを探し、いくつあるか数えながら楽しむ絵本を「カウンティング・ブック」というそうです。この絵本もカウンティング・ブックになっています。
 ページをめくりながら、秋の里山で見つけられるものを数えていきます。「1」の空を飛ぶトンビ、「2」の川に沿って飛ぶカワセミ、「3」のザリガニまでは簡単に見つけられそうです。でも、「4」のばったあたりからから、じっくり眺めないと見つからなくなります。
 さまざまな場面を描き込んだ絵が秀逸です。数えて楽しむこと以外にも、発見する喜びがあります。みんなで秋の「いいもの探し」に挑戦しましょう。
 絵本を読んだあとは、外に出て秋のお散歩を楽しみましょう。近くの公園にも、秋のいいものはたくさんあります。お散歩の楽しさを教えてくれる絵本です。(店主)

あきの おさんぽ いいもの いくつ?(ちいさなかがくのとも2018年10月号)
おおたぐろまり さく

福音館書店
2018年10月1日発行
本体389円+税

2018年9月23日日曜日

【本の紹介】ぺちゃくちゃばーぶー(こどものとも年少版2018年10月号)




 うれしい気持ちになれるお話の絵本です。おばあさんのつぶやきが次から次へと伝わり、最後に願いが叶います。
 どこかの公園でしょうか。編み物かごを持ったおばあさんがやって来ます。赤いベンチに座り、編み物を始めたおばあさんは「だれかと おしゃべりしたいなあ」と一言。その声を聞いたのはそよ風たちでした。
 おばあさんの声は、そよ風から木の葉たち、木の葉から小鳥たち、そして小鳥から赤ちゃんに伝わります。赤ちゃんは小鳥の言葉がわかるのです。
 赤ちゃんの思いは、おにいちゃんがおかあさんに伝えてくれました。おばあさんの願いは叶い、赤いベンチは「ぺちゃくちゃ ぺちゃくちゃ ばーばーぶー」とにぎやかになりました。伝わったのはみんなのやさしい気持ちです。(店主)

ぺちゃくちゃばーぶー(こどものとも年少版2018年10月号)
たかどのほうこ さく

福音館書店
2018年10月1日発行
本体389円+税

2018年9月22日土曜日

【本の紹介】バッタ(かがくのとも2018年10月号)




 バッタの種類もたくさんあると思いますが、代表的な存在といえば、やはりトノサマバッタでしょう。この絵本もトノサマバッタについて解説しています。
 バッタの躍動的な姿にひきつけられます。迫力のある絵は細部まで丁寧に描かれ、リアルに生きている姿をそのまま伝えます。
 おかしかったのは、実はトノサマバッタはジャンプした後の着地が下手だということ。転んだり、でんぐり返しをしたり、ちょっと情けない姿に笑ってしまいます。
 この絵本の文章を書いた槐真史さんの「作者のことば」によると、バッタの観察はそっと後をつけていくことが効果的だそうです。30分も追いかけて見続ければ、いろいろな場面を見ることができるそうです。バッタは鳴くこともあるそうで、運がよければかすかな鳴き声も聞けるかもしれないとのこと。でも、バッタの後を30分も追いかけていくって、やっぱりすごいなと思います。(店主)


バッタ(かがくのとも2018年10月号)
槐真史 ぶん
廣野研一 え

福音館書店
2018年10月1日発行
本体389円+税

2018年9月21日金曜日

【本の紹介】ぴんくさんとかぼちゃ(こどものとも2018年10月号)




 ぶたのぴんくさんがかぼちゃをつくるお話です。ぴんくさんのおうちは子だくさん。10匹のこぶたがいます。元気なこぶたたちは、よく食べます。ぴんくさんは食べ物が無くなる冬に向けて、かぼちゃをつくることにしました。
 お庭は狭く、ほかの野菜でいっぱいでしたが、りんごの木の下が空いていました。このりんごの木は年をとって実をつけなくなっていました。種をまき肥料をあげると、かぼちゃのつるはぐんぐん伸びて木を登り始めます。
 秋になりました。りんごの木の枝から、大きくなったかぼちゃの実がぶらんぶらんと垂れ下がっています。「りんごの木にかぼちゃがなったね」と、こぶたたちは大騒ぎ。でも、ぴんくさんは木登りができません。どうやってかぼちゃを収穫すればよいのでしょう。
 このお話は、作者の島津和子さんの実体験がもとになっているというのですから驚きです。島津さんが育てたかぼちゃは梅の木によじ登り、秋には大きな実が育って無事収穫できたそうです。ぴんくさんのかぼちゃも収穫され、こぶたたちや大勢の仲間たちまでご馳走を食べることができました。よかったですね。(店主)

ぴんくさんとかぼちゃ(こどものとも2018年10月号)
島津和子 さく

福音館書店
2018年10月1日発行
本体389円+税

2018年9月20日木曜日

【本の紹介】ぼくはいぬ(こどものとも 0.1.2. 2018年10月号)




 動物たちの瞳に惹きつけられます。でも私たち絵本を読む人に構うことなく、動物たちは仲間とのつながりを広げていきます。
 本当は、動物たちは私たちに仲間を紹介しているのかもしれません。私たちも動物たちの仲間に入れてもらえたのではないでしょうか。
 柔らかいタッチの絵はパステルと色鉛筆で描いたそうです。動物たちの温かい肌触りが伝わります。鳥(たぶんヒヨドリ)のダイナミックな動きが描かれた絵は見事です。
 犬や猫、鳥、そして最後は狐、熊といった動物まで登場します。生き生きとした動物たちのやさしさが伝わる絵本です。(店主)

ぼくはいぬ(こどものとも 0.1.2. 2018年10月号)
杜今日子 さく

福音館書店
2018年10月1日発行
本体389円+税

2018年9月19日水曜日

【本の紹介】植物でシャボン玉ができた!(たくさんのふしぎ2018年10月号)




 石鹸が日本で広く使われるようになったのは明治時代からだそうです。それ以前は、身の回りにあるものの中から、石鹸と同じように汚れを落とすことができるものを見つけて利用していました。
 木を燃やしてできる灰や米のとぎ汁などが使われていたそうです。米ぬかも使われていたと見聞きしたことがあります。洗濯で使われることが多かったのは「泡の立つ植物」でした。
 この絵本でまず登場する泡の立つ植物はエゴノキです。緑色の実に傷をつけ、水に入れてグルグルかき回すと、たちまち泡が立ち始めます。泡立て器を使うと泡はきめ細かくなり、生クリームのように角が立つほどになりました。ムクロジとサイカチという木の実も、昔はよく洗濯に使われていました。ムクロジで作ったシャボン液は、シャボン玉遊びにも使われていたそうです。
 泡が立つのはその植物にサポニンという物質が含まれているからです。サポニンを含む植物さがしが始まりました。泡の立つ植物が見つかれば、シャボン玉遊びが始まります。遊びが始まれば、さらに興味は広がります。おもしろい遊びも、どんどん見つけられそうです。(店主)

植物でシャボン玉ができた!(たくさんのふしぎ2018年10月号)
高柳芳恵 文
水上みのり 絵

福音館書店
2018年10月1日発行
本体667円+税

まちゼミを開講します!




 習志野市の大久保と実籾でも「まちゼミ」が開講します。9月21日(金)から受付開始です。実施期間は10月1日から31日までの1カ月間。大久保と実籾の26店が参加し、39講座を開講します。
 まちゼミは、まちのお店の人が講師になって、プロならではのコツやノウハウを教えてくれる少人数制のミニ講座です。受講料は無料ですが、材料費などが必要な講座もあります。60~90分間程度の気軽な講座です。多くの人に、まちとお店のファンになっていただくことが目的です。
 それぞれのお店が独自の講座を開講します。くわのみ書房は2つの講座を企画しました。「大人も絵本を楽しもう!」では、大人だからこそ楽しめる絵本の魅力を紹介します。「親子で楽しむボードゲーム」では、アナログのボードゲームで楽しいひとときを過ごします。
 ご案内のチラシをくわのみ書房でも配布しています。どうぞ、お手に取ってご覧ください。みなさまのご参加をお待ちしております。(店主)

【第1回大久保&実籾ならしのまちゼミ】

くわのみ書房
「大人も絵本を楽しもう!」
10月5日(金)19:00~20:00
10月19日(金)19:00~20:00
「親子で楽しむボードゲーム」
10月7日(日)11:00~12:00
10月21日(金)11:00~12:00

お電話でお申し込み下さい。
TEL.047-419-3567

2018年9月15日土曜日

「かぞくのじかん」Vol.45をお届けします!




 時間がない日、疲れてしまった日にとても助かるのが、つくりおきのおかずです。「かぞくのじかん」Vol.45(2018/AUTUMN)の第2特集で45品のレシピを紹介しています。
 つくりおきも、続けることが大事です。でもなかなか難しいことも事実です。この特集企画のテーマは「続けられる ほんとうに助かるつくりおきおかず45品」。まず、続けられるルールを考えましょう。それが続けるためのコツになるといいます。
 具体的なレシピの紹介では、大きいおかずとそれに組み合わせる小さいおかずを取り上げています。1回で倍量を作る方が、同じものを2回つくるより断然ラクといった「つくりおきアドバイス」も参考になります。
 味付けに自信がない人は「たれ・ソース・ドレッシング10種」のレシピを活用してください。子どもの「お腹が空いた」にすぐ応えられる軽食の冷凍5品も紹介されています。(店主)

「かぞくのじかん」Vol.45(2018/AUTUMN)

婦人の友社
本体759円+税
2018年9月5日発行

「YAの本を読む会」で「Wonder ワンダー」を読みました!




 千葉市の絵本・児童書専門店の会留府で9月13日に開かれた「YAの本を読む会」に参加しました。今回取り上げた作品は、映画にもなったベストセラー作品の「Wonder ワンダー」(ほるぷ出版)です。
 顔に障害をもった少年の物語です。名前はオーガスト。オギーと呼ばれることもあります。幼いころから手術を重ねてきたこともあり、学校には行くことなく過ごしてきました。10歳になり、中等部1年になるタイミングで両親はオーガストを学校に入れる決心をします。学校という社会で顔の異形はどう受け止められるのか。不安を抱えながらオーガストは新しい生活をスタートさせます。
 オーガストだけでなく、他の登場人物の語りもある構成です。読者はそれぞれの登場人物を自分と重ね合わせて読むことができそうです。ハッピーエンドで終わり、出来過ぎの終わり方に多少の物足りなさを感じながらも、十分な満足感を得て本を閉じることができました。
 この物語はフィクションですが、作者は実際に、顔に障害のある子どもと出会ったことをきっかけにこの作品を書き上げたそうです。多くのことを私たちに問いかけている作品ですが、その答えを早急に出す必要もありません。むしろ、じっくり時間をかけて考えることが大事だと、この作品はいっているように思います。(店主)

2018年9月13日木曜日

ビブリオ・パドルに参加しました!




 ビブリオ・パドルに参加しました。東京・国分寺市の絵本・児童書専門店の「おばあさんの知恵袋」で毎月開かれている絵本好きの集まりです。9月12日、国分寺まで出かけました。
 参加者が持ち寄った絵本を紹介し合います。今月のテーマは「月・MOON」でした。でも、テーマに縛られることなく、自分のお気に入りの絵本を紹介してもよいことになっています。
 私は今回、「よるのいえ」(岩波書店)を持参しました。絵を手がけたのはベス・クロムスで、2009年度コールデコット賞を受賞した作品です。絵は黒と黄色の2色刷りで、版画と思われます。深みを感じさせる幻想的で柔らかなイメージの絵です。文章は一編の詩であり、言葉を紡いで世界の広がりを表現します。もちろん、「つき」も出てきます。
 そのほか、今回紹介された絵本は、「ネコヅメのよる」(WAVE出版)、「Ayu and the Perfect Moon」(Random House, UK)、「おつきさまはよるなにをしているの?」(ひくまの出版)、「かようびのよる」(徳間書店)、「ブルドッグたんていときえたほし」(文溪堂)、「ムーン・ジャンパー」(偕成社)、「ぐぎがさん、ふへほさん、おつきみですよ」(福音館書店、こどものとも年中向き2010年9月号)、「おねえちゃんにあった夜」(徳間書店)でした。「もし君が月だったら」(光村教育図書)や「レミのふしぎにおもうこと」(作・絵いわせまいこ)も取り上げられました。今回も興味深い絵本が紹介され、楽しいひとときを過ごしました。(店主)

2018年9月12日水曜日

母の友2018年10月号をお届けします!


 「母の友」2018年10月号をお届けします。特別企画の「ありがとう 加古里子さん!」が掲載されています。
 絵本作家の加古里子さんは2018年5月2日に永眠されました。92歳でした。NHKの番組でも紹介されていたように、最後までエネルギッシュに活動されていたことに敬服します。
 心に残る加古さんの言葉が紹介されています。1969年と70年の「母の友」に掲載された3本の加古さんの作品も再録しています。個人的に一番思い出深い作品は「からすのパンやさん」です。かつて娘と一緒に楽しみました。「だるまちゃんとてんぐちゃん」も印象に残る作品です。登場するキャラクターはかなりユニーク。今でも不思議な存在ですが、なぜか憎めない。
 加古さんは戦争体験を経てセツルメント活動にも携わり、絵本作家として子どもたちの未来に希望を与え続けました。たくさんの作品を残された加古さんにあらためて感謝したいと思います。(店主)

「母の友」2018年10月号
 福音館書店
本体505円
2018年10月1日発行

2018年9月9日日曜日

Co-展へのご来場、ありがとうございました!






 習志野市大久保の八幡公園で「Co-展」が開かれ、くわのみ書房も参加しました。大勢の方にご来場いただき、本当にありがとうございました!
 Co-展のコンセプトは「まちのワクワクを発見しよう!」。子どもも楽しめるワークショップや近隣のお店による食べ物・飲み物、雑貨類の販売など、盛りだくさんの企画がみなさまをお待ちしました。
 くわのみ書房は絵本などの販売ブースを設けました。ややこじんまりとしたブースでしたが、たくさんの人にお声がけいただき、開放的なスペースで子どもたちに絵本を読んだり、おとなの人との絵本談義を楽しみました。
 Co-展は今回で2回目。前回から内容もさらに充実したように思います。次回Co-展のさらなるパワーアップに期待しましょう! (店主)

2018年9月7日金曜日

【本の紹介】プロペラちどり




 シベリアに短い夏がやってきました。ミーシャは生まれたばかりのメダイチドリと仲良しです。夏の終わり、5羽のメダイチドリたちは寒い冬が来る前に、暖かい南の方に旅に出るといいます。その途中には「やつひがた」という鳥のレストランがあるというのです。千葉県習志野市にある谷津干潟のことです。
 これは谷津干潟の絵本です。習志野高校の卒業生でもある作者のU-sukeさんが、習志野市の協力も得て作りました。U-sukeさんは2015年、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展で入選を果たしています。
 ミーシャは自分で作った飛行機を持っていました。その名も「プロペラちどり」。ミーシャはプロペラちどりに乗って、メダイチドリたちと旅に出ることにしました。無事に谷津干潟まで行くことができるのでしょうか。
 旅は楽しいことばかりではありません。私たちにお馴染みの谷津干潟が見えたときは、ホッとしたと同時にとてもうれしくなりました。谷津干潟に集まった鳥たちのパーティはとても楽しそうです。ミーシャたちはさらに南を目指して旅立ちます。次に来るのは来年の春。きっとまた会えるね!(店主)

プロペラちどり
さく・え U-suke

フレーベル館
本体1250円+税
2018年8月発行


2018年9月6日木曜日

「学校おはなし会ものがたり」がちいき新聞で紹介されました!




 ちいき新聞習志野版の2018年9月7日号で「千葉県習志野市 学校おはなし会ものがたり」が紹介されました。習志野市内に16校あるすべての小学校で行われている「学校おはなし会」の歴史を綴った貴重な記録です。
 習志野市の学校おはなし会は地域で文庫活動などに取り組む人たちが学校に出向いて本の読み聞かせなどを行う取り組みです。1970年から始まり、今現在も続けられています。
 40年以上の歴史を持つ学校おはなし会の記録を残そうと、この活動に長く携わった有志5人が「千葉県習志野市 学校おはなし会ものがたり」を作成しました。これからもこの活動が長く続いていってほしいという願いが込められています。
 本書はくわのみ書房で販売しています。頒価500円です。残部僅少です。(店主)

2018年9月5日水曜日

【本の紹介】飛行機しゅっぱつ!



 飛行機が出発するまでのようすを、きちんと描いた絵本です。飛行機を飛ばすため、たくさんの人たちがたくさんのことを準備しなければなりません。でも私たちは、そのほとんどを直接見ることはないのです。どんなことをしているのでしょう。この絵本で飛行場の舞台裏を見に行きましょう。
 つばさくんがおとうさんとモノレールに乗って飛行場までやってきました。これから飛行機に乗るのです。つばさくんたちはチェックイン・カウンターで搭乗手続きを済ませ、カバンを預けました。「あのカバンはどこにいくの」とつばさくんがおとうさんに尋ねます。カバンには荷札(タグ)が付けられ、ベルトに乗せられて壁の向こうに運ばれてしまいました。カバンはコンテナに積み込まれ、飛行機に乗せられるのです。
 搭乗待合室に行ったつばさくんたちの前に大きな飛行機が姿を現しました。この飛行機に乗るのです。飛行機の周りには自動車がたくさん集まってきました。それぞれ別々の役割を持った自動車が、飛行機の出発に向けた準備に取り掛かります。丁寧に描かれた絵でとても分かりやすく説明されています。簡潔な文章は作業のスピード感を感じさせます。
 乗り物好きな子どもたちを十分満足させる絵本です。かつて乗り物好きの子どもだった大人たちにも読み応えのある内容です。(店主)

飛行機しゅっぱつ!
鎌田歩 作

 福音館書店
本体1200円+税
2018年3月10日発行

2018年9月2日日曜日

Co-展開催の記事がちいき新聞に掲載されました!




 Co-展(こうてん)の開催日が近づいてきました。9月8日(土)午前10時から午後5時まで、習志野市大久保の八幡公園(はちまんこうえん)で開かれます。8月31日付のちいき新聞に開催記事が掲載されました。
 街でワクワクするモノ・コト・ヒトが集まります。習志野やその近郊の人たちが、ものづくりのワークショップや飲食の提供、物販などを通じてつながろうという趣旨のイベントです。
 くわのみ書房も絵本などの出張販売を行います。習志野市内の家庭文庫の「くじら文庫」による絵本の展示・貸し出しもあります。絵本好きの方のたくさんのご来場をお待ちしております。
 前回3月に続き、2回目の開催となります。新しく出店されるブースもあり、ますます魅力あるイベントになりそうです。Co-展で街のワクワクを発見しましょう!(店主)

Co-展
日時:2018年9月8日(土)午前10時~午後5時(雨天時は9月9日に順延)
会場:八幡公園(千葉県習志野市大久保4-2)

2018年9月1日土曜日

石井桃子展に行きました!




 日本の児童書の先駆者として活躍した石井桃子の展覧会に行きました。編集者、翻訳家、作家など多彩な側面を持った石井の生涯を貴重な資料とともに紹介しています。8月28日に開催地の横浜まで出かけました。

 石井は1928年に日本女子大学校英文学部を卒業しました。ここで学んだ英語が、石井のその後の人生を支えて行くことになります。原書を通じた「クマのプーさん」との出会いがあり、その出会いから7年後の1940年に、石井にとっての初めての単行本となる翻訳の「熊のプーさん」が岩波書店から発刊されました。
 石井には小里文子という親友がいました。日本女子大の先輩でもあり、石井が卒業後に働き始めた文藝春秋社の同僚でもありました。小里は結核のため、1938年に33歳の若さで亡くなっています。病床の小里は、石井が翻訳するプーの話をとても楽しみにしていたそうです。石井は「熊のプーさん」のあとがきに「とりわけ、私がプーに感謝したのは死を前にしたある友だちを、プーが限りなく慰めてくれた時でした」と書いています。
 石井にとって小里の存在はとても大きかったようです。石井は読売文学賞を受賞した自伝的小説の「幻の朱い実」で、小里との交流を描いています。この作品が発刊されたのは1994年。石井が87歳のときでした。
 自立した人間であることを生涯に渡って貫き通した石井の人生に圧倒されました。「石井桃子展」は9月24日(月)まで、神奈川県横浜市の県立神奈川近代文学館で開催されています。(店主)

「没後10年 石井桃子展ー本を読むよろこびー」
2018年7月21日(土)~9月24日(月・降休)
9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
月曜日は休館日(9月24日は開館)
県立神奈川近代文学館
(横浜市中区山手町110、電話045-622-666)


【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...