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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2023年3月23日木曜日

【本の紹介】ヴォドニークの水の館




 チェコの昔話の絵本です。私たちを川の中の別世界に誘います。柔らかいタッチの絵がダイナミックに展開するお話のイメージを優しく広げます。

 ヴォドニークは水の世界に住む水辺の主です。ある日、貧しさに耐えかねて家を飛び出した娘が川の岸辺を歩いていました。ヴォドニークは身を投げようとしている娘をさっと捕まえて、川の中の自分の館に連れてきました。

 ヴォドニークに仕えて暮らし始めた娘は、大きなストーブのある広間の掃除を言いつけられます。でも、ストーブの上の小さなつぼの蓋を開けてはならないといわれます。そのつぼにはヴォドニークが溺れさせた人たちの魂が閉じ込められていたのです。それを知った娘は、水の館から逃げ出します。そして、つぼに閉じ込められた魂たちも逃がしてあげました。

 チョコは内陸の国で海はありません。でも、人々は湖や池や川のそばで、水辺の生活を楽しんでいるそうです。そうした中で、水の館に暮らす魔物の物語が生まれたのでしょう。昔話の深みを感じます。この物語を通じて、私たちの魂も救われるように思います。(店主)


ヴォドニークの水の館

まきあつこ 文

降矢なな 絵


BL出版

2021年4月1日発行

定価:[本体1,600円]+税

2023年3月22日水曜日

お花見散歩を楽しみました!







 くわのみ書房は3月21日、「お花見散歩」を開催しました。あいにくの曇り空でしたが、風もなく穏やかなお天気でした。

 くわのみ書房を出発し、途中コンビニエンスストアで飲み物や食べ物を調達。藤崎の森林公園を経由し、鷺沼城址公園まで行き、お花見を楽しみました。

 肝心の桜はまだ三分咲きといったところでしょうか。参加者は店主のほか1人。2人だけのお花見となりましたが、公園には他の家族づれも来ていて、にぎやかでした。

 来年もまたやりたいと思います。その際はみなさま、ぜひご参加ください。(店主)

2023年3月17日金曜日

【本の紹介】うさぎとハリネズミ きっとあえる




 この絵本のお話は風が作ってくれました。風は思いもしないものを連れてきて、思いもしないところに誰かを連れて行ってくれます。

 すり鉢のような形をしたすりばち森にも風が吹きます。木の枝に寝転んだモモンガの耳元で、そよ風が何かささやきました。

 あたりを見回すと、森でときどき見かけるねこが、木の下で友だちに手紙を書いていました。ねこは、新しい友だちに出会うため旅をしていると話します。モモンガが、どこに旅すればよいのだろうと聞くと、ねこは「風にまかせればいいさ」と答えます。

 その言葉の通り、モモンガは風にくるくるまわされながら、空の向こうに飛ばされていきました。そして、出会ったのが、うさぎとハリネズミ。モモンガにも新しい友だちとの出会いが訪れました。(店主)


うさぎとハリネズミ きっとあえる

はらまさかず ぶん

石川えりこ え


ひだまり舎

2022年11月15日発行

定価(本体1500円+税)

【本の紹介】うさぎとハリネズミ きょうもいいひ




 うさぎとハリネズミが友だちになりました。そこからお話が始まります。

 お話の舞台はひっそりとした静かな森。すり鉢のようにくぼんだ形をしたすりばち森です。森の中の小さな川で、うさぎとハリネズミが出会います。

 うさぎは木の実とハリネズミのハリを使ってマチバリを作り、ハリネズミはクルミの殻にふわふわのうさぎの毛を詰めてハリサシを作りました。色とりどりのマチバリを刺したクルミのハリサシの出来上がり。森の動物たちはマチバリとハリサシをクッキーや野いちごと交換してくれました。うさぎとハリネズミは、もうすっかり仲良し。今日も明日も、いい日です。

 この絵本では4つのお話が語られます。誰もがやさしい気持ちになれそうです。(店主)


うさぎとハリネズミ きょうもいいひ

はらまさかず ぶん

石川えりこ え


ひだまり舎

2021年4月20日発行

定価(本体1500円+税)

2023年3月16日木曜日

お花見散歩しませんか?






 くわのみ書房店主は「お花見散歩」を企画しました。東京の桜の開花情報が早くも届いています。のんびりお花見散歩しませんか?


日 時 :2023年3月21日(火、春分の日)正午(午後0時)スタート

集合場所:くわのみ書房

参加費 :無料(食べ物・飲み物代は各自でご負担ください)

(雨天中止)


 くわのみ書房から藤崎森林公園を経由し、鷺沼城址公園に向かいます。途中、コンビニエンス・ストアで食べ物・飲み物を参加者各自の負担で購入します。鷺沼城址公園でお花見の後、適宜解散します。

 どうぞお気軽にご参加ください。(店主)

2023年3月11日土曜日

【本の紹介】過去と未来とわたしたち(たくさんのふしぎ2023年4月号)




 宇宙を研究する天文学者が過去と未来について考えました。過去から今、今から未来へ、私たち命ある者は分断されることなく、つながって存在していることを教えてくれる絵本です。

 はじめは私たちの体を作る物質のお話です。私たちの体を作る原子は、私たちが死ぬと自然に戻り、その原子はやがて別の人や生き物の体を作ることになります。つまり、過去の生き物の原子が今の生き物の体を作り、今の生き物の原子は未来の生き物の体を作ります。私たち生き物の体は、過去から今、今から未来へとつながっているのです。

 次に遠くのものを見ることについてのお話です。ものを見るということは、そこから光が飛んできて、その光を受け止めることにほかなりません。光が飛んで来るには時間がかかります。天文学では100億光年も離れた星を観察することがあり、それは100億年前という過去の光を今受け止めて見ていることになります。そして、今の私たちの姿も光に乗り、100億年先の未来に届くでしょう。私たちが生きる世界は、過去から今、今から未来へとつながっているのです。

 少しややこしく難しいお話かもしれません。でも、可愛らしいイラストが分かりやすくサポートしてくれます。(店主)


過去と未来とわたしたち(たくさんのふしぎ2023年4月号)

藤沢健太 文

佐々木マキ 絵


福音館書店

2023年4月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】くさはらこみちで おさきにどうぞ(ちいさなかがくのとも2023年4月号)




 春の楽しさが伝わる絵本です。読み終えると誰もがお散歩に行きたくなります。

 おうくんはおかあさんが散歩をしています。大きな川沿いの草原に続く小道です。

 優しい日の光を浴びて、虫たちが動き回っています。いつのまにか、おうくんの肩にテントウムシが止まっていました。どこにいたのかな?

 付録の「作者のことば」によると、絵本のどこかにアカツメクサの四つ葉が描かれているようです。こちらも、どうぞ探してみてください。(店主)


くさはらこみちで おさきにどうぞ(ちいさなかがくのとも2023年4月号)

稲垣あきら さく


福音館書店

2023年4月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年3月9日木曜日

【本の紹介】アリのけっこんひこう(かがくのとも2023年4月号)




 タイトルが気になります。アリの「けっこんひこう」って、何でしょう。

 春の暖かい日、アリの巣で、はたらきアリが土を運び出しています。巣の出入り口が広がり、羽の生えた大きいアリと、それより小さいアリが頭を出すようになりました。大きいはねアリはじょうおうアリ、小さいはねアリはオスアリです。ほかの巣でも、同じようなようすを見ることができます。

 蒸し暑くて風が弱いある日、そのお天気を合図にしたように、あちこちの巣からはねアリが飛び立ちます。空を飛ぶはねアリの多くはトンボや鳥に食べられてしまいますが、生き残ったじょうおうアリは別の巣から飛んできたオスアリと出会い、飛びながら交尾をします。これが「けっこんひこう」です。

 アリを詳細に観察し、その生態を丁寧に描いた絵本です。無事、けっこんひこうを終えたじょうおうアリは新しい家族を作ります。アリはこうして次の世代に命を繋げていくのです。(店主)


アリのけっこんひこう(かがくのとも2023年4月号)

島田拓 ぶん

大島加奈子 え


福音館書店

2023年4月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年3月8日水曜日

【本の紹介】タヌキのキヌコ(こどものとも年中向き2023年4月号)




 友だちづくりのお話です。誰もがみんな、お友だちを探し求めています。

 キヌコはタヌキの子どもです。このごろ、化けることが上手になりました。

 人間の子どもに化けることも出来るようになりました。でも、しっぽはそのまま。おかあさんはしっぽを隠せるスカートをはかせてくれました。

 キヌコはスカートをヒラヒラさせて遊びに出かけます。はらっぱで人間の子どものツキコと出会いますが、友だちになれるかな。ハラハラドキドキのあと、驚きの展開にニッコリしてしまう絵本です。(店主)


タヌキのキヌコ(こどものとも年中向き2023年4月号)

とみながまい 文

おくやまゆか 絵


福音館書店

2023年4月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】はるのひるねうた(こどものとも年少版2023年4月号)




 数え歌の絵本です。ひとつ、ふたつと読み進めれば、春の野原でお昼寝する動物たちが増えていきます。

 仲良くお昼寝をする動物たち。とても気持ちよさそうです。

 文章はリズミカルに流れます。歌を歌うように、声に出して楽しみましょう。簡潔な文章の一方で、絵はダイナミックに展開し、物語を広げていきます。

 文章と絵が見事に絡み合って絵本の世界を作り上げました。春にぴったりの絵本です。(店主)


はるのひるねうた(こどものとも年少版2023年4月号)

松野正子 ぶん

降矢なな え


福音館書店

2023年4月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年3月4日土曜日

【本の紹介】ほっぺ ほっぺ(こどものとも0.1.2. 2023年4月号)




 ほっぺの魅力を存分に楽しめる絵本です。いろいろな動物たちのほっぺの質感をたっぷり味わってください。

 動物たちのほっぺは、なかなか触ることも出来ないでしょう。でも、この絵本があれば、リスやインコ、イルカ、しまうま、ジャガーなどのほっぺが触り放題です。

 どの動物のほっぺがお気に入りになるでしょう。最後は人間の赤ちゃんが登場します。誰もが思わず触れてみたくなる、ぷっくりとしたほっぺ。お風呂上がりは「つ〜やつや」です。

 子どもと一緒に楽しみましょう。大人とほっぺの触り合いっこになれば、もっと楽しくなりそうです。(店主)


ほっぺ ほっぺ(こどものとも0.1.2. 2023年4月号)

木坂涼 ぶん

齋藤槙 え


福音館書店

2023年4月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年3月3日金曜日

【本の紹介】くもくもじまのカミナリいっか(こどものとも2023年4月号)



 5人の子どもたちがいるカミナリ一家のお話です。小さいカミナリ坊やが大活躍します。テンポのよい文章と柔らかなタッチの絵で、絵本の世界を生き生きと描きます。

 カミナリ一家は空に浮かぶ「くもくもじま」の雲の上で暮らしています。子どもたちの名前は、パッコ、ピッコ、プッコ、ペッコ、ポッコ。カミナリかあさんの声が聞こえます。「おきなさあい! もう あさですよ!」

 パンケーキの朝ごはんを食べたら、お仕事の時間です。カミナリとうさんが「さあ! ひとあめ、ふらせるぞお」とかけ声を響かせます。カミナリ一家のお仕事は、雨雲を呼び集めて、あっちこっちに雨を降らせることです。

 みんなで太鼓を叩いて雨雲を集めます。それから一人ひとり、雨雲に乗って出かけていきます。最後まで残ったのは一番小さいポッコ。でも、その後のポッコの頑張りぶりは本当に見事です。(店主)


くもくもじまのカミナリいっか(こどものとも2023年4月号)

富安陽子 文

花山かずみ 絵


福音館書店

2023年4月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...