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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2023年7月28日金曜日

【本の紹介】きんのさかな マケドニアの昔話(こどものとも2023年8月号)




 昔話の絵本です。おじいさんとおばあさんは、願うものはすべて手に入れられるようになりますが、おばあさんの欲深さのせいですべてを失うことになります。

 「むかし、ずっと むかし」とお話が始まります。海の近くの古ぼけた小屋に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。毎日、おじいさんが二人で食べる分だけの魚をとって、慎ましく暮らしていました。ある日、おじいさんは金の魚を捕まえます。魚は、逃してくれたらお礼にどんな願い事も叶えてあげるといいました。でも、おじいさんは礼などいらないといって逃してあげました。

 おじいさんは家に帰って、おばあさんに海であったことを話します。すると、おばあさんは「なんてまぬけなひとなんだろう」といって、魚に願い事を伝えるようおじいさんにいいつけます。おばあさんの願いはどんどんエスカレートしていって…。

 迫力のある絵がお話をダイナミックに仕立て上げています。ほぼ同じ内容のお話が世界各地に伝わっているそうです。この絵本のお話は、ブルガリアのマケドニア地域に伝わるお話を再話しました。最後におじいさんとおばあさんはもとの慎ましい生活に戻りますが、よりいっそう穏やかで幸せな毎日を過ごしているようです。(店主)


きんのさかな マケドニアの昔話(こどものとも2023年8月号)

八百板洋子 再話

スズキコージ 絵


福音館書店

2023年8月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年7月27日木曜日

【本の紹介】こころってなんだろう




 誰もが一度は抱える素朴な疑問がタイトルです。いつの間にか置き去りにしてしまったこの疑問の答えを、この絵本が教えてくれました。

 私たちはことばを覚え、ことばで自分のことを他人に伝えられるようになります。でも、すべてを他人に伝えられる訳ではありません。

 やがて私たちは、自分だけが知っている秘密を持つようになります。秘密はだんだん増えてきて、自分だけしか分からない自分の世界が出来上がります。そのとき、「こころ」が生まれます。

 誰でも同じように持っているこころ。でも、一人ひとりのこころは異なり、ときにはケンカになったりします。それは、なぜ? そして、いつもくるくる動いて自分を惑わせるこころに、私たちどう向き合えばよいのでしょう? この絵本から考えるきっかけをもらえそうです。(店主)


こころってなんだろう

ほそかわてんてん


講談社

2023年4月3日発行

定価:本体1450円(税別)

2023年7月26日水曜日

【本の紹介】なんてくさいんだ! ロンドンを救ったジョゼフの物語




 イギリスの首都、ロンドン。華やかな街の陰に凄まじいお話が隠されていました。文明社会で生きるということはどういうことなのか。それを考えるきっかけになる絵本です。

 1858年の夏、ロンドンの中心部を流れるテムズ川はとてもくさかったといいます。熱波が襲い、すごい陽射しが川に浮かぶ腐りかけたゴミを照りつけました。頭痛や吐き気を催すほどの悪臭にビクトリア女王も体調が悪くなったほど。「悪夢の悪臭」と呼ばれたそうです。

 そのころ、テムズ川には人々の排泄物、つまりおしっこやうんち、さらに動物の死骸や馬の糞など、くさい匂いの原因となるものが捨てられるようになっていました。便利に暮らせる街に人々が増えると、いろいろな問題が起こります。テムズ川の汚れた水のせいで、ロンドンでは恐ろしい病気のコレラが度々流行し、多くの人々が亡くなりました。そんなロンドンの街を救ったのが、この絵本の主人公、ジョゼフ・バゼルジェットです。

 土木技師のジョゼフは下水道計画を考え、やがて下水道工事が進められました。ジョゼフはロンドンの人々をコレラと悪臭から救ったのです。世界にはまだまだ、おしっこやうんちの混じった下水で病気になる人々が大勢います。でも私たちは問題解決のため、街のえらい人たちが何とかしてくれるのを待っている必要はありません。この絵本には、私たちができることのヒントも書いてあります。(店主)


なんてくさいんだ! ロンドンを救ったジョセフの物語

コリーン・ペフ 文

ナンシー・カーペンター 絵

金原瑞人 訳


あかつき教育図書

2023年3月30日発行

定価1,980円(本体1,800円)

2023年7月25日火曜日

【本の紹介】アメツチクジラ




 大地のクジラの物語です。鮮やかに変化する色彩が、私たちを別世界に誘います。

 子どもがつまらなそうに歩いています。名前は「カイ」。浮かない顔をしているのは、楽しみにしていた水族館に行けなくなったから。今日はカイの大事な日なのに、パパもママもお仕事のようです。

 カイが「つまんない」といって地面を蹴とばすと、「イテテ」という声とともに、クジラが現れました。「ぼくは アメツチクジラ。だいちの クジラさ」と話すクジラは、カイを地底の世界に連れて行きます。色鮮やかな大地の海を進み、行き着いた真っ暗闇の世界には、おじいさんのアメツチクジラも暮らしていました。アメツチクジラは、はるか大昔からカイたちを見守り、その記憶を私たちに届けるため歌い続けているのです。

 生命はいつも誰かに愛情深く見守られていることを教えてくれる絵本です。アメツチクジラは、今日がカイの大事な日である理由も知っていました。(店主)


アメツチクジラ

宮田ともみ


アリス館

2023年7月7日発行

定価(本体1,500円+税)

2023年7月21日金曜日

【本の紹介】マルスさんとマダムマルス




 町にただ1軒だけあったカフェの2階に、この絵本を作った画家は暮らしていました。大家のジャン・マルスさんは62歳、奥さんのシモーヌは54歳。愛犬の名前はスプリンター。

 北の町の空はいつも厚い雲に覆われ、一人暮らしの画家の胸を圧迫します。やりきれなくなって海まで走ることもありますが、白金色の太陽、ニビ色(濃い灰色)の波、そして大地は無口のまま何も語ってはくれません。

 日めくりカレンダーをめくっても同じような一日しかやってこない町。でも、今日は昨日ではないし、明日は今日とは違うのです。結婚式があり、お葬式もあります。子どもが産まれた家もありました。こうして世の中は少しずつ変わっていくのでしょう。でも、二人のマルスさんを見ていると、何も変わったようには映りません。

 画家はフランスのノルマンディ地方のこの町に、ほぼ1年暮らしたようです。画家にとって、それは大切な時間になりました。今この絵本を通じて画家の思いを共有できることは、とても幸せなことだと思います。(店主)


マルスさんとマダムマルス

絵と文 ささめやゆき


ひだまり舎

2023年5月31日発行

定価2500円(税別)

2023年7月20日木曜日

【本の紹介】どーこかな?




 子どもと会話することを楽しむ絵本です。会話は問いかけから始まります。

 ご機嫌な子どものお顔が見えます。「おめめは どーこ?」と問いかけると、「ここよ ここよ ぱちくるりん」。リズミカルな答えは会話を一層楽しくしてくれます。

 柔らかいタッチで描かれた子どものお顔がとても愛らしい。絵本の問いかけは、おめめからおみみ、そしておはな、ほっぺと続きます。子どもはその都度、自分で指さし確認しながら答えます。まるで自分を再発見しているようです。

 やがて子どもは、自分自身という大切な存在に気づくことになるでしょう。そこから、一人の人間として自立することをスタートさせます。(店主)


どーこかな?

さく こがようこ


瑞雲舎

2021年10月1日発行

定価:本体1200円+税

2023年7月19日水曜日

【本の紹介】チキカングー




 子どもと一緒に踊りたくなる絵本です。仲間と一緒に踊れば、何だかとても楽しくなります。

 始めは、イヌの「わんちゃん」が1人(1匹?)で踊っています。タンバリン鳴らして「チキカーン チキカーン チキカーン グー」。

 ネコの「ねこちゃん」がやってきて2人(2匹?)になりました。手足がついたさつまいもの「おいもちゃん」、ちょっと不思議な感じがする人の「メルちゃん」も加わって賑やかです。

 最後に登場するのは子どもの「ぼっちゃん」。迷子になったと泣いています。メルちゃんはアフロヘアみたいな帽子をぼっちゃんに貸してあげました。いっしょに踊りながら、ぼっちゃんをお家まで届けて、この絵本はおしまい。でも「チキカーン チキカーン チキカーン グー」と、踊りはまだまだ続きます。(店主)


チキカングー

樋勝朋巳


こぐま社

2022年10月25日発行

定価 本体950円+税

【本の紹介】犬といっしょにイカダ旅(たくさんのふしぎ2023年8月号)




 イカダの旅を記録した写真絵本です。大きな川を2匹の犬と一緒に下ります。

 旅した人は、カヌーの名人として知られていた野田知佑さん。野田さんには若いころから、カナダのユーコン川をイカダで旅してみたいという夢がありました。75歳になって、その夢を実現させたのです。

 旅はイカダづくりから始まります。友人たちと力を合わせ、頑丈なイカダを作ります。出来上がったイカダは長さ3.5メートル、横幅2.4メートル。野田さんは2匹の愛犬とともに、決して大きいとはいえないこのイカダに乗り込みました。舵を取るため野田さんは進行方向と後ろ向きに座り、犬たちがイカダの先頭に立ちます。その犬たちの姿の凛々しいこと!

 この絵本を作った写真家の佐藤秀明さんは、カヌーに乗って野田さんに付いていったそうです。どうぞユーコン川から見た大自然をたっぷり堪能してください。残念ながら、野田さんは昨年2022年、亡くなられました。(店主)


犬といっしょにイカダ旅(たくさんのふしぎ2023年8月号)

佐藤秀明 文・写真


福音館書店

2023年8月1日発行

定価770円(本体700円+税10%)

2023年7月15日土曜日

【本の紹介】とっておきのはなし(かがくのとも2023年8月号)




 大事なものを「いざ」というときに使えるようにしまっておくことが「とっておき」。食べ物も大事なものの一つですが、長い間しまっておくためには工夫が必要です。この絵本のお話は、食べ物をいつでも食べられるように保存しておく方法を解説する「とっておきのはなし」です。

 取り上げるのはミニトマトです。大事に育てたミニトマトがたくさんとれました。いっぱい食べても人にあげても、まだ余ります。

 余ったミニトマトを腐らせずに、保存する方法があります。腐る原因となる菌が住みにくい状態を作ればよいのです。そのためには、乾かしたり、お酢に漬けたり、熱くしたり冷たくしたり、とっても甘くしたりします。つまり、ドライトマトやピクルス、ピューレ、ジャムにしてしまうということ。

 私たちは昔から知恵をしぼって食べ物を保存する方法を考えてきました。ただとっておくだけではなく、違った美味しさも生まれます。台所や食卓を探せば、ミニトマト以外にも、きっといろいろ見つかります。(店主)


とっておきのはなし(かがくのとも2023年8月号)

こがしわかおり・まるもとただゆき さく


福音館書店

2023年8月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年7月14日金曜日

【本の紹介】ちょうが ちょん!(ちいさなかがくのとも2023年8がつごう)




 生物のようすを見事に生き生きと描いた絵。これが切り絵で制作されていることに驚かされます。

 ちょうの産卵を描きました。ちょうの幼虫は、その種類によって食べ物が決まっていることが多いそうです。そのため、ちょうのメスは幼虫が食べる植物を見つけて卵を産みつけます。幼虫は孵化したら、すぐそばにある葉っぱを食べればよいという訳です。

 キャベツの周りをひらひら飛んでいるのは白いちょう。カタバミの周りには小さなちょう、ミカンの木には大きなちょうがやって来ました。それぞれのちょうはおなかを丸めて、葉っぱにおしりを「ちょん!」。そこには卵がありました。やがて卵から、ちょうの赤ちゃんの幼虫が生まれます。

 ちょっと舌がくすぐったくなるような文章も楽しい。地球の生命を身近に感じる絵本です。(店主)


ちょうが ちょん!(ちいさなかがくのとも2023年8月号)

みやまつともみ さく


福音館書店

2023年8月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】ひこうきでおでかけ(こどものとも年中向き2023年8月号)




 飛行機の旅を追体験できる絵本です。飛行機に乗るときのワクワクする気持ちがよみがえります。

 羽田空港にやってきた親子連れ。今日は飛行機に乗って福岡に行きます。

 チェックインから到着まで、子どもとおとうさんが飛行機に乗るようすが丁寧に描かれています。離陸のときのふわっとした感覚、急速に高く高く上っていくときの気持ちの高まり、ベルト着用サインが消えたときの満足感。飛行機に乗る楽しみは、子どもも大人も一緒です。

 福岡空港がある場所は市街地のすぐ近く。「この空港に到着する間際、空から見える風景はまるでミニチュアの街を見ているみたいだったなあ」とつぶやいたのは、私でした。(店主)


ひこうきでおでかけ(こどものとも年中向き2023年8月号)

ケッソクヒデキ さく


福音館書店

2023年8月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年7月13日木曜日

【本の紹介】ぴったんこ(こどものとも0.1.2. 2023年8月号)




 触れ合うことの喜びを伝える絵本です。触れ合う相手の温もりを想像して幸せな気持ちになれます。

 子どもが触れ合いを求めたのはモフモフのイヌ。とても優しそうで頼りがいもありそうです。

 最初に「ぴったんこ」するのはおてて。ほっぺとほっぺも、ぴったんこします。おなかとおなかの次は、あら、おしり!

 最後は「ぜんぶ ぜーんぶ」のぴったんこ。子どももイヌも、幸せいっぱいの笑顔です。(店主)


ぴったんこ(こどものとも0.1.2. 2023年8月号)

阿部結


福音館書店

2023年8月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】しゃっく しゃく(こどものとも年少版2023年8月号)




 楽しい結末を迎えて、誰もがニッコリしてしまう絵本です。一人の子どもの行動が大勢の子どもの共感を得て、予想外の展開を見せてくれます。

 小さなシャベルで「しゃく」。子どもが穴を掘り始めます。仲間が一人加わって「しゃっく しゃく」。小さな穴は、少し大きな穴になりました。

 さらに仲間が増えて「しゃっく しゃく しゃっく しゃく しゃっく しゃく」。少し大きな穴は大きな穴になりました。あっちこっちで「もっと もっと しゃっく しゃく」。大きな穴はどんどん大きくなって…。

 すべての登場人物(動物も!)が一人ひとり丁寧に描かれています。子どもも大人も穴掘りに夢中です。「シュルルルルー」とお水を入れたら大きなプールの出来上がり。「バッシャーン!」(店主)


しゃっく しゃく(こどものとも年少版2023年8月号)

花山かずみ さく


福音館書店

2023年8月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)


※『しゃっく しゃく』をもっと楽しんでいただくため、花山かずみさんが「しゃっくしゃく新聞」を作りました。くわのみ書房で配布中! 花山さんのウェブサイト(https://hana-kazu.com/)からもご覧いただけます。

2023年7月6日木曜日

【本の紹介】世界で最後の花 絵のついた寓話




 大人のための寓話です。戦争が私たちに何をもたらすか、とてもシンプルに描きます。戦争は、世界のあらゆるものを破壊してしまうのです。

 人間が暮らす町、都市、村が地上から消え、森も林も全滅します。庭も芸術作品も失われ、人間は男も女も子どもたちも、惨めな存在になってしまいました。

 何をするでもなく、ぼんやり座り込むだけの人間。歳月が過ぎ、生き残った数人の将軍たちは、最後の戦争が何のためだったのかすら、もう思い出せません。ある日、それまで花を一度も見たことのなかった若い娘が、たまたま世界に残った最後の花を目にします。そして、そこからまた、新しい歴史が始まります。

 でも、人間は何と愚かなのでしょう。再び戦争になり、ありとあらゆるものが破壊されてしまうのです。ただ、一人の男性と一人の女性、そして一本の花を除いて。私たちが希望を失うことはないのです。(店主)


世界で最後の花 絵のついた寓話

ジェームズ・サーバー

村上春樹 訳


ポプラ社

2023年6月12日発行

定価:本体1600円[税別]

2023年7月5日水曜日

【本の紹介】おばあちゃんのにわ



 おばあちゃんと子どもの交流を描いた絵本です。おばあちゃんは、もとはニワトリ小屋だった家に一人で住んでいます。家の裏には庭があり、そこではトマトやキュウリ、ニンジン、そしてリンゴが採れました。

 子どもは毎朝早く、おとうさんの車でおばあちゃんの家に届けられます。そして、朝食を食べ、おばあちゃんに送られて学校に行きます。雨が降ると、おばあちゃんは学校に行く途中、ミミズを探して集めます。ミミズは野菜の畑の土をふかふかにし、養分が行き渡るようにしてくれるのです。

 この絵本の子どもは作者の一人、ジョーダン・スコット自身です。彼のおばあちゃんはポーランドで生まれ育ち、第2次世界大戦後、夫とともにカナダへ移住しました。そのため英語は上手に話せなかったようです。交わす言葉は少なくても、二人は身振りや手振り、そして共通の関心事だった食べることを通じて、心を通わせることができました。

 やがて、おばあちゃんは家を出て、子どもの家で一緒に暮らすようになります。窓の外は雨。おばあちゃんは、もう外には出られないようです。子どもは雨の中で、おばあちゃんに手を振りました。そして、かつておばあちゃんがしたように、ゆっくり歩きながらミミズを集めるのです。(店主)


おばあちゃんのにわ

ジョーダン・スコット 文

シドニー・スミス 絵

原田勝 訳


偕成社

2023年7月発行

定価[本体価格1600円+税]

2023年7月4日火曜日

【本の紹介】ぼくは川のように話す




 誰もが生きていく上で何かしらの困難を抱えています。辛いことですが、困難を受け入れることで希望が生まれます。

 この絵本は、吃音の子どものお話です。しゃべり方がほかの子どもと違い、どもってしまうのです。まわりの子どもたちから自分が笑われていると思い、吃音の子どもは心を閉ざします。

 そんな子どもを、おとうさんが川に連れて行きます。お父さんは子どもの肩を抱き寄せ、川を指さしていいました。「ほら、川の水を見てみろ。あれが、おまえの話し方だ」

 川の水は、泡立ち、波を打ち、渦を巻き、砕けます。子どもを受け入れる川は、水面に光を輝かせ、息をのむほど美しい。「ぼくは話す、川のように」。子どもの言葉が胸に染み入ります。(店主)


ぼくは川のように話す

ジョーダン・スコット 文

シドニー・スミス 絵

原田勝 訳


偕成社

2021年7月発行

定価[本体価格1600円+税]

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...