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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2018年6月30日土曜日

【本の紹介】秘密の空想菓子店




 「秘密の空想菓子店」というタイトルですが、この絵本には実際に大勢の人が訪れるお店で作った本物のお菓子がたくさん登場します。本物だけど、ちょっと「おかしなお菓子」です。どんなお菓子が出てくるのでしょう。わくわくしながら、ページをめくります。
 最初に紹介されるお菓子は「ゆめくいようせい」。枕元に忍ばせておけば、怖い夢を食べてくれるそうです。黒い顔にギョロリとした目と大きな牙が描かれたクッキーです。妖精といいながら、ちょっと怖そう。
 まだまだ、あります。「とけないソフトクリーム」や「うちゅうじんのヒトシ」「とうめいにんげんになれるジュース」など、名前を聞いただけでは首を傾げたり吹き出してしまうような不思議なお菓子が続々と出てきます。
 作者のSaoriさんは、「おかしさん」というお店ですべて手作りのお菓子を提供しています。お店のコンセプトは「空想菓子店」。架空の人物やシチュエーションをイメージして名前を付けた「クスッと笑えるお菓子」を取り揃えています。この絵本は、そんな「おかしさん」の不思議なお菓子の世界の一端をそのまま表現しています。エネルギッシュなSaoriさんのお菓子への熱い思いに満ち溢れた絵本です。(店主)

秘密の空想菓子店
おかしさん×Saori

岩崎書店
本体1600円+税
2018年6月30日発行

2018年6月29日金曜日

第3回西千葉一箱古本市が開催されます!



 第3回西千葉一箱古本市が開催されます。くわのみ書房の店主も出店します。「古本屋くわのみ書房」と称して、店主の蔵書からピックアップした本を並べてご覧いただきます。もちろん購入も可能です。
 西千葉一箱古本市は3回目を迎えました。今回も会場は千葉市稲毛区緑町の HALLO GARDEN です。日時は8月25日(土)午後4時30分から8時30分まで。夏の日差しを避けて夕方からの開催です。
 一箱古本市は本好きの出店者が自分の蔵書を持ち寄る本のフリーマーケットです。今回は16人の出店者が集まります。一箱に収まる程度の本を持ち寄ります。いつも個性的なお店ばかりです。
 屋外の会場で、きっと風もさわやかに感じます。夏の夜の涼しいひとときをご一緒に過ごしましょう。多くの方のご来場をお待ちしております。(店主)

第3回西千葉一箱古本市
日時:2018年8月25日(土)16:30~20:30
会場:HALLO GARDEN(千葉県千葉市稲毛区緑町1丁目18-8)
   京成線・みどり台駅から徒歩3分
   JR西千葉駅から徒歩5分

2018年6月27日水曜日

【本の紹介】ルラルさんのだいくしごと




 ルラルさんは、髪の毛が少なくて、眼鏡をかけていて、ちょび髭を生やしたおじさんです。「ルラルさんのえほんシリーズ」はこれで8作目。もうお馴染みの人もたくさんいると思います。この絵本でルラルさんの暮らしぶりをちょっとのぞいてみましょう。
 ルラルさんは大工仕事も得意です。今日は屋根を修理することにしました。お家の雨漏りで困っていたからです。
 ルラルさんは梯子を使って屋根に上りました。ところが、無事修理を終えて降りようとすると梯子が倒れています。ルラルさんはビックリ。これでは屋根から降りることができません。ルラルさんは庭の動物たちに助けを求めますが、動物たちは梯子が汽車みたいといって遊び始め、庭の向こうにある林の方まで行ってしまいました。困りましたね。
 日々の暮らしの中で、いろいろ困ったことが起こります。でも、何があっても大丈夫。青い空を見上げれば白い雲が流れていきます。ルラルさんは空の雲みたいに生きているのかもしれません。(店主)

ルラルさんのだいくしごと
いとうひろし

ポプラ社
本体1200円+税
2017年9月発行

2018年6月23日土曜日

【本の紹介】あのくも なあに?




 雲の形から想像を膨らませれば無限の物語を作ることができます。まずは、この絵本から聞こえてくる物語に耳を傾けてみましょう。
 リズミカルな文章は、声に出して読めば旋律を生み出し、歌のように流れていきます。心地よくページをめくり、作者が雲の上で繰り広げるお話を楽しめます。
 龍の住みかになっているのは入道雲でしょうか。劇的な絵の展開が目を見張ります。色の使い方が効果的です。
 空を見上げれば雲が浮かんでいます。雲に思いを馳せて小さな物語を紡いでみましょう。きっと幸せな一日になります。(店主)

あのくも なあに?
富安陽子 ぶん
山村浩二 え

福音館書店
本体900円+税
2018年5月5日発行

2018年6月22日金曜日

ビブリオパドルが開かれました!




 東京・国分寺市の絵本・児童書専門店の「おばあさんの知恵袋」で6月20日、絵本好きが集まるビブリオパドルが開かれました。参加者同士が持ち寄った絵本を紹介し合います。今月のテーマは梅雨の時期らしく「しっとり、しんみり」でした。
 私は「あさがくるまえに」(岩波書店)を紹介しました。雪の日を描いた絵本です。季節外れですが、雪で「しっとり」こともあると、無理やりこじつけてみました。
 この絵本にはパイロットの母親が登場します。子どもは浮かぬ顔をしています。夜のフライトで母親が仕事に出るからです。でも雪が降り、飛行機は欠航になりました。子どもは母親と、雪で遊ぶ楽しい一日を過ごします。子どもの細やかな願いがモチーフになっています。その願いが普遍性を帯びた詩で表現され、深く胸に沈んでいきます。
 そのほか今回取り上げられた絵本は、「水おとこのいるところ」(岩崎書店)、「よあけ」(福音館書店)、「たなばた」(福音館書店)、「ラヴ・ユー・フォーエバー」(岩崎書店)、「おこだでませんように」(小学館)、「クマよ」(福音館書店)、「やさしいライオン」(フレーベル館)でした。(店主)

2018年6月21日木曜日

【本の紹介】なずず このっぺ?




 この絵本に登場するのは虫たちです。会話を交わしているのですが、使っているのは意味不明の「昆虫語」ともいうべき言葉です。
 でも、声に出して読んでみてください。
「なずず このっぺ?」
「わっぱど がららん」
 なんとなく分かります。
 美しい絵本です。ユーモラスな昆虫たちの会話と一緒に、色鮮やかな絵も楽しみましょう。絵には透明感があり、読む人を深みのある世界に引き込みます。
 同じ場所を同じ視点から見つめている構図が最後まで続きます、時間の流れに伴う変化を描きながら物語をつくります。描き込まれた絵にはたくさんの物語が隠されていそうです。それを一つひとつ見つけていくことも、この絵本の大きな魅力でしょう。(店主)

なずず このっぺ?
さく カーソン・エリス
やく アーサー・ビナード

フレーベル館
本体1600円+税
2017年11月発行

2018年6月17日日曜日

【本の紹介】かぶとむしがにげた!(ちいさなかがくのとも2018年7月号)




 かぶとむしは子どもたちに大人気の昆虫です。飼ってみたいと思う子どももたくさんいるでしょう。実際にかぶとむしを飼ってみると、思わぬ行動にびっくりさせられることもあるようです。
 この絵本では、かぶとむしが飼育ケースから逃げ出してしまいます。きちんとふたもしてあったのに、どうやって逃げ出したのでしょう。かぶとむしは本当に力が強く、この絵本のように飼育ケースのふたなどは簡単に持ち上げてしまうこともあるそうです。いつの間にか外に逃げ出すことも、決してむずかしいことではなさそうです。
 私は以前、キャンプ場でかぶとむしをたくさん捕まえたことがありました。虫かごには収まりきらず、段ボール箱に入れて一晩過ごしました。翌朝、箱を開けると、かぶとむしはほとんどいなくなっていました。箱の穴から逃げ出したようです。その穴はカブトムシが箱の段ボールを食いちぎって開けたと思われます。かぶとむしのパワーを侮ってはいけません。
 この絵本は、作者がかぶとむしと過ごした夏の体験をもとに作ったそうです。愛情を持ってかぶとむしと接する子どもの成長もみることができます。もうすぐやって来る夏休みが楽しみです。(店主)

かぶとむしがにげた(ちいさなかがくのとも2018年7月号)
たしろちさと さく

福音館書店
2018年7月1日発行
本体389円+税

2018年6月16日土曜日

フリーランス編集者の細江幸世さんのお話をお聞きしました!




 フリーランス編集者として絵本制作に関わる細江幸世さんのお話を聞く機会がありました。千葉市の児童書専門店の会留府で毎月行われている「絵本の会」が6月15日、ゲストにお招きしました。
 細江さんが編集者として産み出した近刊の絵本に「いっしょにおいでよ」(廣済堂あかつき)があります。今回のお話は、この絵本について多くの時間を割いていただきました。
 この絵本はアメリカで発刊されました。テロやヘイトスピーチのニュースが怯える子どもが登場します。でも子どもはおとうさんやおかあさんに教えられ、一人ひとりの行動で世界が変わることに気づきます。最後に「いっしょにおいでよ」と呼びかける子どもの姿に、私たちの希望を見出すことができます。
 重たいテーマを抱えた絵本であり、日本で受け入れてもらうにはむずかしいところもあったように思います。この絵本を見出した細江さんは、翻訳を担当されたなかがわちひろさんと一緒に、その内容を分かりやすくするため細心の注意を払いました。あえて原文から離れた翻訳になったところもあったようです。あらためて、その努力に感謝したいと思います。日本人がこの絵本のような作品を創作するのはむずかしいかもしれませんが、その一方で外国の絵本を翻訳して紹介することの意義も強く感じました。(店主)

2018年6月15日金曜日

「YAの本を読む会」に参加しました!




 会留府の「YAの本を読む会」に参加しました。今回取り上げた作品は金子薫さんの「アルタッドに捧ぐ」(河出書房新社)でした。この作品は2014年に「文芸賞」を受賞しています。
 主人公は亡くなった祖父の家に一人住む23歳の青年です。小説を書きながら、大学院を目指して浪人生活を送っています。
 作品名にあるアルタッドは、主人公が書いていた小説から飛び出したトカゲです。主人公は虚構の世界から現れたアルタッドを大切に育てます。主人公も虚構の世界に生きているような人物です。主人公はアルタッドを育てることで現実の世界とのつながりを保っているのかもしれません。虚構と現実が交差する世界を描いた作品ですが、空疎なイメージはありません。独特な世界に浸ってこの作品を楽しく味わうことができました。 
 「YAの本を読む会」は千葉市の児童書専門店の会留府で毎月第2木曜日に行われています。YA(ヤングアダルト)の作品を1冊取り上げ、参加者同士で感想を述べ合います。今月は6月14日に開かれ、参加者は5人でした。(店主)

2018年6月14日木曜日

【本の紹介】ねこのごろんた(こどものとも年中向き2018年7月号)




 この絵本のお話は、いばりんぼうの猫が主人公です。猫の名前はごろんたです。長いひげと太いしっぽがピンと立っています。大きなからだで、とにかく偉そうです。
 偉そうにしていると自分勝手だと思われます。仲良く遊んでいるほかの猫たちからは、遊びの邪魔をしているように見られてしまいます。ごろんたは、猫の仲間から避けられるようになってしまいました。
 今日もごろんたは、いつもみんなが遊んでいる公園にやって来ました。でも、誰もやって来る気配がありません。一人でぶらんこをこいでいると、いつの間にか白い子猫が隣のぶらんこに乗っていました。ごろんたと子猫が楽しそうに遊ぶようすを見て、ほかの猫たちも集まって来ました。
 ごろんたは最後までずっといばりんぼうのままです。でも、どこか憎めません。そんなごろんただから、周りには猫の仲間たちが集まります。この絵本を読んで、ごろんたの友だちになりましょう。(店主)

ねこのごろんた(こどものとも年中向き2018年7月号)
鍋田敬子4
 さく

福音館書店
2018年7月1日発行
本体389円+税

2018年6月13日水曜日

【本の紹介】なつをみつけたよ(こどものとも年少版2018年7月号)




 日本は四季の違いが顕著です。日々の生活を潤すお楽しみは季節ごとに変わります。子どもたちの夏のお楽しみは何でしょう。この絵本の中に探しにいきましょう。
 作者の平野恵理子さんにとって、夏はとくに思い出がたくさんある季節のようです。平野さんに限らず、子どものころの夏休みは誰にとっても忘れがたい日々であったと思います。思い出をたどれば、夏のお楽しみはたくさん出てきます。
 平野さんはこの絵本を通じて、「せみしぐれ」ということばを、ぜひ子どもたちに伝えたかったそうです。蝉が一斉に鳴くようすを時雨の音に例えたことばです。真夏の暑さの中で聞く蝉の鳴き声を、時雨になぞらえることで一転、涼やかに表現できるようになりました。日本語の美しさを感じさせることばの一つだと思います。
 平野さんは高く見上げた木々を描き、蝉の声が降り注ぐ様を表現しました。絵本の中からせみしぐれが聞こえてきそうです。この絵本に特別な夏は出てきません。幸せは日々の生活の中にあることを教えてくれました。(店主)

なつをみつけたよ(こどものとも年少版2018年7月号)
平野恵理子 さく

福音館書店
2018年7月1日発行
本体389円+税

2018年6月10日日曜日

「かぞくのじかん」Vol.44が入荷しました!




 結婚して共同生活を続けていると、すべてがハッピーという訳にはいきません。家事や子育てをめぐる意識の違いが積み重なり、夫婦間のわだかまりが残ることになります。埋められない溝になる前に、あらためてその原因を考えてみましょう。
 「かぞくのじかん」Vol.44の2018年夏号の第2特集がそのきっかけになりそうです。「夫婦のわだかまり。原因はどこ?」が特集テーマです。妻から夫から、実体験に基づいた問題提起があります。その上で、どうしたら歩み寄れるか考えます。
 特集記事の中で玉川大学教育学部教授の大豆生田啓友さんは「ひとつの大きな思いこみに夫も妻も気づくこと」の必要性を指摘しています。その思いこみとは「赤ちゃんのめんどうをみること、家の中のことは、母親の方が向いている」という考え方です。大豆生田さんは「そんなことは、ありません。授乳以外のことは、父親も同じようにできます」と断言しています。
 最近、「赤ちゃんはママがいいに決まっている」「『男も育児だ』とか言っても、子どもにとっては迷惑な話かもしれない」などと政治家が発言して批判の声が上がりました。歩み寄りを阻害するものは何か、冷静に考えてみることも必要だと思います。(店主)

「かぞくのじかん」Vol.44 2018年夏号

婦人之友社
本体759円+税
2018年6月5日発行

2018年6月9日土曜日

【本の紹介】やさいのかたち(かがくのとも2018年7月号)




 八百屋やスーパーマーケットで見かける野菜は、形や大きさ、色つやなど、綺麗に整ったものばかりです。プロの生産者が、一定の規格に合うように作ります。
 安定した品質で誰もが安心して購入することができます。形や大きさが整っていれば大量に運びやすくなり、値段も安くなります。規格に合った野菜は、多くの人たちに喜ばれる「商品」になるのです。
 でも、この絵本の作者のことばにあるように「箱の中にお行儀よく並んだキュウリは少し窮屈そう」。私たちは「元気すぎて規格から野菜たち」のことも忘れてはいけないと思います。
 この絵本で紹介されている野菜たちは、形や大きさがバラバラです。「商品」にはならない野菜たちかもしれません。でも作者は、そんな野菜に対して「口に入れたらどれも瑞々しく、小振りでも濃厚な味わいがある、美味しい野菜たち」と優しい眼差しを投げかけます。
 ところで、この絵本にはイチゴも登場します。「果実のイチゴがなぜ?」と思われる方もいると思われます。一般的に、草に実るものを野菜、木に実るものを果実と呼ぶ定義があり、農林水産省はイチゴやメロン、スイカを果実的野菜と分類しているそうです。野菜の世界も奥深いですね。(店主)

やさいのかたち(かがくのとも2018年7月号)
真木文絵 ぶん
石倉ヒロユキ しゃしん

福音館書店
2018年7月1日発行
本体389円+税

2018年6月8日金曜日

【本の紹介】まなつのかわ(こどものとも2018年7月号)




 夏の暑い日、野山の川は子どもたちにとって格好の遊び場になります。この絵本では「ひでちゃん」たちが千曲川という大きな川まで遠征します。どんな楽しいことが待っているのでしょう。
 魚獲りが始まりました。鮒が取れました。大きい子が鮎をヤスで獲ろうとしますが、「すばしっこい」鮎はそう簡単に獲れません。でも、鰻も獲れてみんなは大喜びです。
 大きい子たちが向こう岸まで泳いで行きました。「ながれが はやいから ちびは そこにいろ」と言われたのに、ひでちゃんも向こう岸を目指します。泳ぎ始めたひでちゃんですが、溺れそうになります。川底を見ると、大きな動物の骨が見えました。果たしてひでちゃんも、こんな風になってしまうのでしょうか。
 絵日記のようなこの絵本を読んで、親戚の家がある田舎の川で遊んだ日々のことを思い出しました。自然の中で過ごす貴重な時間でした。夏休みも、もうすぐです。(店主)

まなつのかわ(こどものとも2018年7月号)
菊池日出夫 さく

福音館書店
2018年7月1日発行
本体389円+税

2018年6月7日木曜日

【本の紹介】つん こん ぱっ(こどものとも 0.1.2. 2018年7月号)




 意味のない言葉にカラフルな絵を組み合わせて作った絵本です。絵にも、とくに意味はないようです。言葉を声に出せば音になります。意味を持たない音と絵のハーモニーを楽しみましょう。
 この絵本をつくる作業は、言葉として意味のない音を声で出すことから始まりました。たくさんの音が産み出され、これはいいと選ばれた音に絵が付けられました。さらに絵本として読まれるときの流れを考え、10場面に絞り込んでいきました。
 音と絵を感覚的に楽しむ絵本です。誰よりも作者自身が、音と絵のマッチングを存分に楽しんだようです。そして、子どもたちがどう受け止めてくれるのか、その反応を楽しみにしています。
 果たして最後の場面で子どもたちはどんな反応をみせるのか。この絵本を読んであげる大人も、きっとわくわくしてくるでしょう。(店主)

つん こん ぱっ(こどものとも 0.1.2. 2018年7月号)
こぺんなな さく

福音館書店
2018年7月1日発行
本体389円+税

2018年6月6日水曜日

【本の紹介】絵で読む 子どもと祭り(たくさんのふしぎ2018年7月号)




 各地で行われる祭りを作者が実際に取材して作った力作の絵本です。とくに子どもたちが活躍する祭りを取り上げたそうです。いきいきと描かれた子どもたちの姿はとても頼もしく見えます。
 全国9か所の祭りが取り上げられています。春夏秋冬の違いもあり、その内容はさまざまです。子どもたちにとっても、自分自身の祭りとして貴重な体験になっていると思います。
 紹介されているのは日本の伝統的な祭りだけでありません。神奈川県川崎市の「さくらもとプンムルノリ」は、日本や朝鮮半島、中国、東南アジア、南米など、いろいろな国にルーツを持つ人が住む街の商店街で行われる祭りです。この祭りでは1990年から、韓国・朝鮮で伝えられる踊りのプンムルノリが披露されているそうです。作者のことばには「様々なお祭りを取りあげることで、今の時代を伝えられたのではと思っています」と書かれています。素晴らしいアイデアです。
 それれぞれの祭りに一匹の猫を登場させたことも楽しいアイデアです。どこにいるか探してみてください。この猫は作者の分身でしょうか。確かに猫を通じて、この絵本で紹介された祭りが一つにつながったように思います。(店主)

絵で読む 子どもと祭り(たくさんのふしぎ2018年7月号)
西村繁男 作

福音館書店
2018年7月1日発行
本体667円+税

2018年6月2日土曜日

「母の友」2018年7月号をお届けします!




 夏の野菜、トマトを使ったパスタのレシピが載っていてうれしくなりました。私がときどきつくるトマトソースのスパゲティとほぼ同じ作り方です。
 オリーブオイルでニンニクを炒め、そこにざく切りしたトマトを入れてトマトソースを作ります。茹でたパスタを入れてざっと炒め、バジルの葉を加えて出来上がり。簡単です。
 村上春樹さんの小説にトマトソースのスパゲティの作り方が書かれていました。レタスときゅうりのサラダも一緒に作ります。ビールを飲みながら食べます。シンプルな料理ですが、とても美味しい。
 野口真紀さんの「おいしい絵本レシピ」で紹介している一品です。ここで取り上げている絵本は「トマトさん」(田中清世作、福音館書店)です。残念ながら、この絵本は店内に在庫はありません。もちろん、仕入れることにします。(店主)

「母の友」2018年7月号

福音館書店
本体505円
2018年7月1日発行

2018年6月1日金曜日

コルデコット賞の絵本をテーマコーナーに並べました!




 コルデコット賞は、優れた絵本の作品を描いた画家に対して贈られる賞です。くわのみ書房の本棚から、コルデコット賞の受賞作品をピックアップしてみました。どれも個性的で素晴らしい作品ばかりがテーマコーナーに並びました。
 コルデコット賞の運営はアメリカ図書館協会の下部組織に当たる児童図書館サービス協会が担っています。対象作品は年に一度、アメリカ合衆国で前年に出版された絵本の中から選ばれます。対象者は米国国民か米国在住の画家です。
 受賞の基準には、絵はもちろんのこと、ストーリーなども合わせた総合的な評価が求められているようです。子どもの読者を想定した表現であることも評価対象になっているようです。
 これまでの受賞作品には、「ちいさいおうち」や「かいじゅうたちのいるころ」など含め、いつまでも輝きを失わない多くの作品が名を連ねています。あらためて受賞作品のレベルの高さに驚かされました。どうぞ手に取ってご覧ください。(店主)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...