地下鉄の満員電車にトラがいたら、それはきっと楽しくなるに違いありません。この絵本に登場するペニーも、楽しかったその日のことをいつまでも忘れなかったようです。
おとうさんとお出かけしたペニーは地下鉄に乗りました。電車の中は満員。するとペニーは人と人の隙間から伸びてくるしましまのしっぽを見つけます。
吊り革に捕まっている手は、どう見てもトラの前足です。「トラがいるよ」と伝えても、おとうさんが首を振るばかり。次の駅で席が空き、おとうさんとペニーが座ると、トラもその隣に座ります。でも、おとうさんはまったく気づかないようです。
やっぱり大人は、いつだってそうです。困ったことに、肝心なことは見えていないのです。(店主)
ほら、トラがいる!
フィリップ・アーダ/文
デイヴィッド・メリング/絵
なかがわちひろ/訳
BL出版
2025年3月15日発行
定価[本体1,800円]+税