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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2025年4月29日火曜日

【本の紹介】ほら、トラがいる!




 地下鉄の満員電車にトラがいたら、それはきっと楽しくなるに違いありません。この絵本に登場するペニーも、楽しかったその日のことをいつまでも忘れなかったようです。

 おとうさんとお出かけしたペニーは地下鉄に乗りました。電車の中は満員。するとペニーは人と人の隙間から伸びてくるしましまのしっぽを見つけます。

 吊り革に捕まっている手は、どう見てもトラの前足です。「トラがいるよ」と伝えても、おとうさんが首を振るばかり。次の駅で席が空き、おとうさんとペニーが座ると、トラもその隣に座ります。でも、おとうさんはまったく気づかないようです。

 やっぱり大人は、いつだってそうです。困ったことに、肝心なことは見えていないのです。(店主)


ほら、トラがいる!

フィリップ・アーダ/文

デイヴィッド・メリング/絵

なかがわちひろ/訳


BL出版

2025年3月15日発行

定価[本体1,800円]+税


#くわのみ書房

2025年4月24日木曜日

【本の紹介】探検家




 この物語は飛行機が墜落するところから始まります。アマゾン川流域のジャングルに堕ちた飛行機は焼け落ちましたが、4人の子どもが生き残りました。

 一人の少年と二人の少女、そして5歳の男の子。子どもたちのサバイバルが始まります。

 子どもたちは、たくましく文明社会への帰還を目指します。物語が急展開するのは後半から。子どもたちが目にしたものは何か。そして、出会った人物は誰か。

 世界はまだまだ未知に溢れていることを受け止めてほしいと思います。そのワクワクした気持ちが私たちに生きる力を与えてくれるでしょう。(店主)


探検家

キャサリン・ランデル

越智典子訳


ゴブリン書房

2024年12月発行

定価[本体1700円+税]


#くわのみ書房

【本の紹介】たれてる




 不思議なタイトルの絵本です。表紙の絵を見ると、ドーナツの右上からチョコレートソースがたれていますが…。

 ドーナツにチョコレートをかけて、チョコレートドーナツにして食べるようです。でも、ちょっと待ってください。かけすぎで、たれていますよ!

 たれているのが止まりません。アイスクリームやクレープなど、次々にチョコレートをかけていますが、まだまだたれています。いつまでたれているのでしょう。

 はちみつをかけすぎて、垂れ落ちて慌てたことを思い出しました。どうにも収拾がつかず、苦笑いするしかなかった私。そんな経験、みなさんもあるでしょ?(店主)


たれてる

鈴木のりたけ


ポプラ社

2024年10月発行

定価:本体1,100円[税別]


#くわのみ書房

2025年4月19日土曜日

【本の紹介】広場に集まる(たくさんのふしぎ2025年5月号)



 世界の広場を巡る写真絵本です。広場に集まる人々の幸せそうな表情に胸が躍ります。

 モロッコのマラケシュにあるジャマ・エル・フナ広場は、イスラム教の礼拝堂の塔が見下ろす場所に広がります。日が暮れると屋台が準備され、そこで夕食を食べに多くの人がやってきます。

 インドネシアのニアス島にあるバオマタル村の中央には石畳の広い通路があり、まるで帯状の広場です。この帯状広場は、洗濯物を広げたり、脱穀前のお米や屋根材として使うサゴヤシの葉などを干す多目的空間になっています。子どもたちの遊び場でもあり、広場はいつも子どもの元気な声が飛び交います。

 この絵本が紹介する広場は、人々が自ら作り出した生活の場であり、人間の息づかいが強く感じられる場所です。人の温もりを求め、人々は広場に集まるのです。(店主)


広場に集まる(たくさんのふしぎ2025年5月号)

小松義夫 文・写真



福音館書店

2025年4月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年4月17日木曜日

【本の紹介】あまがえるーたんぼの うたー(かがくのとも2025年5月号)



 あまがえるの生態を描いた絵本です。春の夜、田んぼから聞こえるあまがえるの鳴き声は「まるで、たんぼから おとがわいてくるよう」に聞こえます。

 春も終わるころ、田んぼにたくさんのおたまじゃくしが現れます。やがて、おたまじゃくしはかえるになり、冬まで生き延びたかえるは土にもぐり、次の春を待ちます。

 そして、春。かえるは姿を現し、水を張られた田んぼに集まります。夜になると、田んぼはあまがえるの声でいっぱいになりました。鳴いているのはおすたち。めすを呼び、夜が更けた田んぼで、あまがえるは卵を産むのです。

 あまがえるの生きる様を力強く描写する文章に、絵は迫力ある緻密な表現で応えます。里山の魅力も、たっぷりと味わえます。(店主)


あまがえるーたんぼの うたー(かがくのとも2025年5月号)

澤口たまみ ぶん

羽尻利門 え


福音館書店

2025年4月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年4月16日水曜日

【本の紹介】わたしの むしとりあみ(ちいさなかがくのとも2025年5月号)



 昆虫採集の始めの一歩を描いた絵本です。どんな虫が捕れるのか、子どものワクワクした気持ちが伝わります。

 子どもがむしとりあみを持って行った先は公園です。最初に狙うのは、やっぱりちょうちょ。でも、そう簡単に捕まりません。

 そこで今度はあみで草むらをかき回してみました。するとバッタがあみに入ります。バッタはすぐに逃げてしまいましたが、おにいちゃんがあみを草むらの中で横に振ってみるやり方を教えてくれました。

 この絵本の「おりこみふろく」によると、その虫取りの方法は「スウィーピング法(すくい取り法)」と呼ばれています。小さい子どもでもあみを振れば何かを捕れる可能性は高く、気軽に楽しめそうです。さらに面白いところは、何が捕れたか分かるのは捕ったあとという点。普段、見えていない虫との出会いが待っています。(店主)


わたしの むしとりあみ(ちいさなかがくのとも2025年5月号)

島村木綿子 ぶん

荒川暢  え


福音館書店

2025年4月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年4月12日土曜日

【本の紹介】バルバルさん もりへいく(こどものとも2025年4月号)



 人に喜んでもらうことの楽しさが伝わる絵本です。自分も成長して、笑顔が広がっていきます。

 主人公のバルバルさんは床屋さんです。アルパカのお客さんから、森に暮らすおばあさんの毛がボサボサに伸びてしまったけど、足が悪くてここまで連れてこれないという話を聞きました。

 そこでバルバルさんは、一緒に働くおさるさんの案内で森まで行くことにしました。アルパカのおばあさんは綺麗にカットしてもらって大喜び。バルバルさんはほかの動物たちもカッコよくカットしてあげました。

 そのあと、バルバルさんが始めた新しいチャレンジとは? バルバルさんとおさるさんのお仕事は、きっと大勢の動物たちに喜んでもらえそうです。(店主)


バルバルさん もりへいく(こどものとも2025年4月号)

乾恵理子 文

西村敏雄 絵


福音館書店

2025年4月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】ほら、トラがいる!

 地下鉄の満員電車にトラがいたら、それはきっと楽しくなるに違いありません。この絵本に登場するペニーも、楽しかったその日のことをいつまでも忘れなかったようです。  おとうさんとお出かけしたペニーは地下鉄に乗りました。電車の中は満員。するとペニーは人と人の隙間から伸びてくるしましまの...