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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2021年5月27日木曜日

【本の紹介】野ねずみきょうだいの草花あそび 初夏から秋まで




 初夏から秋までの季節、野原は草花でいっぱいです。この絵本で野ねずみの兄弟たちから草花あそびを教えてもらいましょう。

 野ねずみ兄弟は街外れの野原に住んでいます。まだ子どもですが、自分のことは自分でできるようになったので、家を出て兄弟だけで暮らしています。

 ツバメさんたちは秋になると南の国に旅立ちます。野ねずみ兄弟は秋の草花を使ってパーティを開きくことにしました。リスさんやモグラさんも参加します。シジュウカラさんがツバメさん一家を案内し、野原はにぎやかになりました。

 身近な草花ですてきなものが作れます。作り方はこの絵本の巻末に載っています。ぜひ遊んでみてください。(店主)


野ねずみきょうだいの草花あそび 初夏から秋まで

相澤悦子 さく

長谷川直子 え


福音館書店

2021年5月20日発行

定価1210円(本体1100円+税10%)

2021年5月26日水曜日

【本の紹介】こんにちは! わたしのえ




 扉のページから始まります。真剣な表情の子どもが持っているのは太い大きな筆。青い絵の具がついています。

 筆を「ずういいいいいい」と動かせば、あっという間にギザギザの生き物が生まれてきます。その色は私から生まれてきました。その形は私から生まれてきました。

 生み出すのは筆だけではありません。手や足も使います。みんな私から生まれてきて、出来上がったのが私の絵。

 私の絵を描けるのは、私だけ。子どもは、絵を描くということは自分を解放することだと気づきます。それはとても気持ちがよいこと。誰もが気持ちよくなれる絵本です。(店主)


こんにちは! わたしのえ

はたこうしろう


ほるぷ出版

2020年7月25日発行

定価:本体1400円+税

2021年5月25日火曜日

【本の紹介】ともだちになった日




 子ども同士の心の触れ合いを描きます。心と心の触れ合いは、相手を思いやることで生じます。

 修平は些細なことですぐに怒って暴れ、またよく失敗もする子どもでした。しゃべり方もほかの子と違っていました。一方、翔太は力が強く、スポーツも得意。翔太は修平のことをよくからかって泣かせていました。

 修平に対する翔太のいじめがだんだんひどくなっていったとき、翔太のおかあさんは入院生活を送っていました。ある日、翔太は初めて学校を休みます。数日経って翔太が学校に来た日、翔太の母親が亡くなったことが告げられます。そのとき、クラスの中でただ一人、修平が涙を流します。

 人は大人でも、なかなか自分自身のことは理解できません。この絵本の翔太と修平も、自分の感情をはっきり理解していた訳ではないでしょう。それでも二人の心と心が通い合うことで、理解できないことを乗り越えたように思います。子どもの成長が力強く描かれた絵本です。(店主)


ともだちになった日

作 花光翔太

絵 みやじまみほこ


みらいパブリッシング

2021年5月19日発行

定価1540円(本体1400円)

2021年5月22日土曜日

【本の紹介】いきものづくし ものづくし 2




 いろいろなものを集めて紹介するシリーズ絵本の2冊目です。1つのテーマで集めたものを見開き2ページに詰め込みました。

 「はなのいろとかたち」のテーマでは、花を正面から捉えた姿を見比べることができます。知っている花には親しみを感じ、知らない花には新たな興味が湧いてきます。

 圧巻の見開きページは「こんちゅうのかお」。集めてみれば、新しい発見がありそうです。

 街中の姿を描いた「はたらくくるま」も面白い。一つの役割に特化した自動車の存在は、私たちが何を求めて生きてきたか明らかにしているようです。(店主)


いきものづくし ものづくし 2

しもかわらゆみ  廣野研一 内城葉子 松岡達英 三宅瑠人 平山暉彦 大森裕子


福音館書店

2021年3月5日発行

定価2420円(本体2200円+税10%)

2021年5月21日金曜日

【本の紹介】いきものづくし ものづくし 1




 いろいろなものを集めて紹介する絵本です。集まったところから何がみえてくるのでしょう。

 同じところを探すのか、違うところを探すのか。楽しみ方もさまざまです。

 全12巻のシリーズです。1巻ごとに7テーマを取り上げます。全巻で84テーマ。テーマは驚くほど多様で、それぞれ別の画家が絵を描きます。

 一つのテーマごとに見開き2ページで紹介します。大きな判型で迫力があります。最初のテーマは「くだもの」。よくみると、見開きの右側のページは半分に切って中をみせていました。各巻ごとに別冊「よんでたのしむ いくものづくし ものづくし」が付いています。(店主)


いきものづくし ものづくし 1

松岡達英 田中豊美 大田黒摩利 廣野研一 角慎作 河井いづみ 鈴木周作


福音館書店

2021年3月5日発行

定価2420円(本体2200円+税10%)

2021年5月20日木曜日

絵本で旅に出かけましょう!




 絵本の読み聞かせを行うユニット、《えほんの木》に選書をお願いしている書棚の内容が新しくなりました。今回のテーマは「旅・おでかけ」です。コロナ禍で旅やお出かけはなかなか楽しめない状況です。絵本を通じて心の旅に出かけましょう! (店主)

【本の紹介】うまれて そだつ わたしたちの DNAと いでん




 生き物は生まれて育ち、やがて死んでいきます。生き物が育つということは、何かしら変化を遂げていくこと。さて、どうやって変化していくのでしょう。

 誰かに教えてもらって変化する訳ではありません。生き物は自分自身で、どう変化したらよいのか教えてくれる「設計書」を持っているのです。

 私たち人間の設計書の多くはDNAと呼ばれる物質の中に書いてあります。一人ひとりの人間のDNAは、半分はおとうさんから、半分はおかあさんからもらいます。だから、人間は一人ひとり、おとうさんとおかあさんの両方に少しずつ似ているのです。

 一方、すべての生き物の姿形はばらばらです。でも、設計書にはどこか同じところがあります。設計書をみれば、すべての生き物がつながっていることがわかります。この絵本は、すべての生き物は命のつながりを持った大きな家族であることを丁寧に描きます。(店主)


うまれて そだつ わたしたちの DNAと いでん

ニコラ・デイビス 文

エミリー・サットン 絵

越智典子 訳

斎藤成也 監修


ゴブリン書房

2021年4月発行

定価 本体1500円+税

2021年5月18日火曜日

【本の紹介】うそ




 ふとした瞬間に子どもが大人になるステップを一つ上ることがあります。そんな一瞬を素朴なイラストレーションで描いた絵本です。

 子どもが「ぼくは きっと うそをつくだろう」と、声を上げずに宣言しました。誰も聞いていません。その瞬間に、子どもは大人に一歩近づきました。

 おかあさんは、うそをつくなといいます。でも、子どもはおかあさんもうそをついたことがあると見抜いています。そして、自分もうそと一緒に生きていくことを確信します。

 誰もがその瞬間を迎えます。でも、ほとんどの人は忘れてしまうのでしょう。この絵本は谷川俊太郎さんの詩をもとに作られました。谷川さんの言葉が鋭く胸に突き刺さります。(店主)


うそ

詩 谷川俊太郎

絵 中山信一


主婦の友社

2021年4月30日発行

定価:本体1400円

※消費税が別に加算されます

2021年5月14日金曜日

【本の紹介】ハチという虫(たくさんのふしぎ2021年6月号)




 ハチの写真絵本です。ハチをじっくり観る機会は少ないと思います。多様性に富んだハチの世界を堪能しましょう。

 原始的なハチの仲間は、ハバチやキバチです。ハバチは植物の葉を食べます。キバチは木の中に卵を産み、幼虫は木の材を食べて大きくなります。やがて、ほかの昆虫の幼虫やクモなどに卵を産みつけるハチが現れます。寄生バチと呼ばれています。寄生バチは、寄生する寄主(宿主)を食べて成長する肉食のハチです。

 寄生バチの中から、餌にする虫やクモを巣に蓄えるハチが現れました。狩りをする狩りバチです。狩りバチは、狩りの道具として毒針を持つようになりました。狩りバチの中から、栄養価の高い花の蜜や花粉を利用するようになったハチが現れます。ハナバチです。私たちにお馴染みのミツバチもハナバチの仲間です。

 さまざまなハチの生態が色鮮やかな写真で紹介されています。その迫力に圧倒されます。恐ろしいイメージがあるハチですが、大きな目で、意外と愛くるしいところもあります。(店主)


ハチという虫(たくさんのふしぎ2021年6月号)

藤丸篤夫 文・写真


福音館書店

2021年6月1日発行

定価770円(本体700円+税10%)

2021年5月13日木曜日

【本の紹介】つくってあそぼう! かえるや(かがくのとも2021年6月号)




 工作の絵本です。牛乳パックでかえるをつくります。

 教えてくれるかえるやさんも、牛乳パックでつくられたかえるです。「さあ おたちあい!」と調子よく始まります。

 ありとあらゆるかえるが次々にできあがります。「ひっくりかえる」に「かえるおよぎ」、ベロが飛び出て虫を捕まえる「はらぺこかえる」もあります。「おたまじゃくしはかえるのこ」は、なんとおたまじゃくしからかえるに変身してしまいます。

 むずかしそうと思ってもご安心あれ。かえるや秘伝の「かえるにしき」があります。かえるの作り方が書いてある巻物です。さあ、「みんなで つくって あそんでけろ!」(店主)


つくってあそぼう! かえるや(かがくのとも2021年6月号)

きうちかつ 作・絵

ときわまさと 写真


福音館書店

2021年6月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】すなやまトンネル できるかな?(ちいさなかがくのとも2021年6月号)




 砂場のトンネル掘りの遊びを描いた絵本です。まるで実際に砂場で遊んでいるように思えるほど丁寧に描いています。

 子どもたちは海辺の砂浜に行きました。大きな砂場です。さらさらに乾いた白い砂。冷んやり濡れた黒っぽい砂。砂には違いがあり、さらさらの砂では大きな山はつくれません。濡れた砂で山をつくります。水分を調整して、固くて丈夫な山にします。

 山ができたらトンネル堀りです。こちら側とむこう側の2カ所から掘り始めます。2人でだんだんだんだん掘り進むと、「あっ、なにか さわった」「ぼくも!」。最高にうれしい瞬間です。トンネルの中、ざらざらの手で握手します。

 砂山のトンネルが完成するまで、いろいろな創意工夫が必要になります。子どもたちにとって、とても楽しい体験です。大人の私は、子どものころの思い出がまざまざと浮かび上がってきました。(店主)


すなやまトンネル できるかな?(ちいさなかがくのとも2021年6月号)

こさかまさみ ぶん

岡本よしろう え


福音館書店

2021年6月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2021年5月12日水曜日

【本の紹介】くだもの みいつけた




 木の枝に実ったくだものといないいないばあ遊びができる絵本です。子どもと一緒に楽しく遊びましょう。

 緑の葉っぱの陰からからくだものが現れます。その色鮮やかな姿にうっとりしてしまいます。

 作者が自分の家の庭で実際に育てているくだものを描きました。生物としての力強さも伝わる描き方に子どもも大人も引き込まれます。

 とても美味しそうなくだものです。誰もが思わず手を伸ばして食べてみたくなるでしょう。(店主)


くだもの みいつけた

ひろのたかこ


福音館書店

2021年6月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2021年5月7日金曜日

【本の紹介】おらんちゃん(こどものとも年少版2021年6月号)




 オランウータンの子どもの一日を描いた絵本です。何気ない一日でも、ピカピカに輝いています。そうした一日を積み重ねて、子どもは成長していきます。

 おらんちゃんは子どものオランウータンです。朝が来て目を覚ますと、森の中を散歩します。木の枝をぶらんぶらんしながら進みます。ぶらんぶらんしていると、鳥たちが集まって歌を歌い始めました。

 森の中は、ほかにも楽しいことがいっぱい。手を伸ばせば大好きなバナナを取ることもできます。雨が降っても大丈夫。雨の水を飲むのはとてもおもしろいし、とても美味しい。

 おらんちゃんのつぶらな瞳にドキッとします。大きな目でたくさんのことを見ています。目を閉じればおやすみの時間。明日もきっとピカピカに輝く一日です。(店主)


おらんちゃん

えとぶん MAYA MAXX


福音館書店

2021年6月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2021年5月6日木曜日

【本の紹介】てんとうむしくん と かたつむりくん(こどものとも年中向き2021年6月号)




 梅雨の季節が楽しくなる絵本です。身近な自然を舞台にした心優しいお話です。

 てんとうむしくんは晴れの日が好き。お日さまに向かって飛び立ちます。一方、かたつむりくんは雨の日が好き。冷たくて気持ちのいい雨のしずくを受けて、お散歩に出かけます。でも、二人はなかなか一緒に遊べません。

 雨が降った次の日、空が真っ青に晴れました。てんとうむしくんは大喜び。そして、かたつむりくんも元気です。葉っぱに残ったしずくが雨のように落ちてくるからです。「きょうは いっしょに あそべるね!」

 柔らかいタッチの絵が読む人の心をくすぐります。てんとうむしくんとかたつむりくんは、雨が降った後の晴れの日が楽しみになりました。「いっしょに あそぶと たのしいね!」(店主)


てんとうむしくん と かたつむりくん

なみもとあや 文

どいかや 絵


福音館書店

2021年6月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2021年5月5日水曜日

【本の紹介】あめのひの ぼうけん(こどものとも2021年6月号)




 単色を基調とした幻想的な絵で空想の世界を描きます。日本の気候のしっとりとした肌触りが心地よく伝わってきます。

 雨が続く毎日。積み木や折り紙にも飽きてきた子どもは「どこかに いきたいなあ」と呟きます。

 いいことを思いつきました。椅子、座布団、目覚まし時計、扇風機。傘、お鍋にお玉など、いろいろなものを集めて組み立てはじまます。ヘリコプターの出来上がり。ヘリコプターは「ぐーん」と浮き上がり、雨の日の冒険が始まります。

 空想の世界を自由に飛び回りましょう。短いファンタジーですが、ダイナミックな展開に心躍る絵本です。(店主)


あめのひの ぼうけん

森洋子 作


福音館書店

2021年6月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2021年5月4日火曜日

【本の紹介】母の友2021年6月号




 料理研究家のコウケンテツさんも「料理がしんどい」という人にメッセージを送ります。「母の友」6月号の特集テーマは「ゆるくいきましょう 日々のごはん」。毎日のごはんづくりをもっとゆるくやれるよう一緒に考えてみましょう。

 特集の始まりは、簡単料理のレシピから。コウさんが、短時間でさっと作れて、しかも美味しい家庭料理を教えてくれます。

 一方でコウさんは、昨年2020年に「本当はごはんを作りのが好きなのに、しんどくなった人たちへ」という本を出版しました。自分自身が家事育児を経験して、日々の生活の中で手料理を続けことのしんどさが分かってきたといいます。コウさんは、”手料理でなければならない” という考え方から自由になれば、もっと ”ゆるく” なれるといいます。

 2020年に亡くなった安野光雅さんの追悼特別企画も見応えがあります。「母の友」の表紙を飾った数々の絵をまとめて紹介するほか、2003年10月号に掲載されたインタビュー記事から「旅の絵本」について語った部分を再掲載しました。(店主)


「母の友」2021年6月号


福音館書店

2021年6月1日発行

定価580円(本体527円+税10%)

2021年5月1日土曜日

【本の紹介】エイドリアンはぜったいウソをついている




 エイドリアンはいつもみんなから離れ、一人でぽつんと座っている子どもです。気にしなくてもよいのに、なぜか気になる子どものようです。

 なぜ気になるかといえば、それはエイドリアンがウソをついているから。エイドリアンは、自分の家には馬がいると言いふらしています。そんなのウソに決まっています。

 エイドリアンはおじいさんと小さな家で二人暮らし。庭だってほとんどないも同然。そんなところに馬がいるはずはない。でも、あなたはきっと見つけるでしょう。力強いタッチで描かれた木々の中に、確かに馬がいます。

 この絵本は目の前にある事実だけが真実ではないことを教えてくれます。子どもたちの瑞々しい心情が色鮮やかに描かれた絵本です。(店主)


エイドリアンはぜったいウソをついている

マーシー・キャンベル 文

子リーナ・ルーケン 絵

服部雄一郎 訳


岩波書店

2021年1月27日発行

定価(本体1600円+税)


【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.9

 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.9」を開催します。「子どもに語る アンデルセンのお話」(こぐま社)の中からお話を一つ、くわのみ書房のスタッフが声に出して読みます。子どもだけでなく、大人の方もお気軽にご参加ください。 ■日 時:2024年5月4日(土)午前11時~...