ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2018年10月25日木曜日

【本の紹介】どしゃぶり




 「どしゃぶり」という表現は、私たちの雨に対する親しみを感じさせます。ときに深刻な被害をもたらす大雨ですが、夏の暑い日のどしゃぶりは、そのあとの爽快感への期待もあり、誰もがワクワクしてしまうのかもしれません。
 白い雲の背後に姿を見せ始めた黒い雲。たちまち近くに寄ってきて「ぼつっ! ぼつっ! ぼつっ!」と雨を降らせます。大きい雨です。だから、「ぽつっ」ではなく「ぼつっ」と降ります。
 どしゃぶりの魅力を存分に描き切った絵本です。雨が降るようすを力強く、そして美しく描きます。子どもには「あそぼう! あそぼう!」と呼びかける声が聞こえます。声に応え、子どもは思いっきり遊びます。
 昔観た「雨に唄えば」というミュージカル映画を思い出しました。主人公がどしゃぶりの中で楽しそうに歌い踊っていました。絵本に戻ると、雨上がりの街は「びっちょびちょで いいきもち」。水玉がキラキラ輝いています。(店主)

どしゃぶり
おーなり由子 ぶん
はたこうしろう え

講談社
本体1400円+税
2018年6月12日発行

2018年10月24日水曜日

【本の紹介】ジャーニー 国境をこえて




 旅を続ける家族を描いた絵本です。おかあさんと二人の子どもの家族です。おとうさんはいません。戦争に奪われたのです。
 戦争は家族の生活をすっかり変えてしまいました。家族が住む町の暮らしは、何もかもがますますひどくなるばかり。おかあさんは「安心してくらせるところ」を目指し、町を離れることを決意します。何日も何日も続く旅の始まりです。
 美しく洗練された絵は登場人物の感情を抑制して表現しているように見えます。しかし、人間の不安や恐れ、悲しみは確実に伝わり、心に響きます。テンポよく絵が展開し、お話に緊張感を与えています。最後のページに描かれているのは、決して希望を失わない家族の姿でした。
 この絵本は、作者がイタリアの難民センターで出会った二人の女の子から話を聞いたことをきっかけに作られました。日本にいる私たちも、ニュースで毎日のように「難民」という言葉を聞くようになりました。難民は過酷な旅を強いられている人たちです。この絵本を通じて、その旅の意味をあらためて考えてみたいと思います。(店主)

ジャーニー 国境をこえて
フランチェスカ・サンナ 作
青山真知子 訳

きじとら出版
本体2000円+税
2018年9月15日発行

2018年10月21日日曜日

「ならしの まちゼミ」へのご参加、ありがとうございました!




 くわのみ書房の「ならしの まちゼミ」は10月21日(日)開催の「親子で楽しむボードゲーム」ですべての日程を終了しました。ご参加いただいたみなさまに、あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました!
 くわのみ書房は今回のまちゼミで2つの講座を企画しました。成人を対象とした「大人も絵本を楽しもう!」と、4歳・5歳・6歳の子どもとその保護者にご参加いただいた「親子で楽しむボードゲーム」です。
 果たして参加してくださる方がいらっしゃるか多分に不安を抱えて募集を開始しましたが、大勢の方にお申し込みをいただきました。2つの企画のそれぞれで楽しいひとときを過ごすことができました。これを機会に、くわのみ書房ではお客様と触れ合える機会をさらにいっそう増やしていきたいと思います。
 習志野市の大久保と実籾で行われる「ならしの まちゼミ」の実施期間は10月末まで続きます。ご案内のチラシはくわのみ書房でも配布しています。どうぞ、お手に取ってご覧ください。(店主)

2018年10月20日土曜日

ならしのまちゼミ「大人も絵本を楽しもう!」の2回目を開催しました!




 くわのみ書房は10月19日、ならしのまちゼミ「大人も絵本を楽しもう!」を開催しました。2回目の開催となります。
 大人の方に絵本の読み聞かせを楽しんでいただき、参加者同士で感想を述べ合うというこの企画。今回は4人のご参加をいただきました。
 店主が紹介した絵本は「よるのいえ」(岩波書店)、「とうだい」(福音館書店)、「船を見にいく」(きじとら出版)、「パパとわたし」(光村教育図書)の4冊です。大人を対象とする絵本の読み聞かせの機会は増えているようですが、これまでそうした経験がほとんどなかった方にとって、絵本の新たな魅力を発見する場になったようです。
 今回の「大人も絵本を楽しもう!」にご参加いただきましたみなさまに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました!(店主)

2018年10月19日金曜日

【本の紹介】あさがくるまえに




 母親と一緒にいることを願う子どもがいます。母親はパイロットです。父親が食事やお茶を用意しています。この絵本で描かれているのは、一つの家族のごくありふれた日常です。
 母親は夜、子どもが寝静まったあと、仕事に出かけます。雪が降り始めていました。空港は雪で埋もれ、予定されていたフライトは欠航になったようです。母親は急いで家に戻ります。子どもの願いは叶い、雪遊びの楽しい一日となりました。
 独特な雰囲気を持った絵が物語を繋いでいきます。ときを止めるかのような重たさ、そしてそれ故に、描かれた世界の深みを感じさせます。言葉は子どもの願いに沿ったかのように流れていきます。
 居間に飾られた写真が何を意味するのか、とても気になりますが、まだ答えは見えてきません。この絵本にはまだ多くのお話が隠されているのかもしれません。(店主)

あさがくるまえに
ジョイス・シドマン 文
ベス・クロムス 絵
さくまゆみこ 訳

岩波書店
本体1500円+税
2017年12月13日発行

2018年10月17日水曜日

【本の紹介】のってみたいな(こどものとも年少版2018年11月号)




 空想の乗り物がたくさん出てくる絵本です。どれが一番いいか、よりどりみどりです。
 私がいいと思うのは「おふろカー」です。お風呂にのんびり浸かりながら、行きたいところに連れて行ってもらえるなんて、最高です。「あるく いえ」もいいですね。お家にいながら、どこにでも行けそうです。
 遠慮したいのは「トコトコカー」と「トコトコれっしゃ」です。乗っている人がみんなで車体を持っては走っています。「ちょっと つかれるけど」と書いてありますが、本当はかなり疲れそうです。
 こんなにたくさんの乗り物を考えるなんて、作者はよほど空想好きだったようです。「くじらの せんすいてい」は小学校のときに空想したものだそうです。どうやら作者は、小学生の心を持ったまま大人になってしまった人のようです。(店主)

のってみたいな(こどものとも年少版2018年11月号)
たむらしげる

福音館書店
2018年11月1日発行
本体389円+税

2018年10月14日日曜日

【本の紹介】なみだ(かがくのとも2018年11月号)




 涙はどんなときに出てくるのでしょう。もちろん、泣けば涙が出て来ます。でも、実は泣かなくても涙は出ているのです。涙は何をしているのでしょう。この絵本が教えてくれます。
 私たちは気づかないのに、涙はいつも少しずつ出ていて、目に涙の幕を作ります。涙の幕は、目の表面を滑らかにしてものがよく見えるようにています。目が乾かないようにしたり栄養を届けたり、ばい菌を防いだり、涙の幕は目の健康にとって、とても大切な役割を果たしています。
 それだけではありません。涙は悲しいときやくやしいとき、ドキドキした後にホッとしたときにも出てきます。止めようと思っても、止められない涙。でも、そうして涙を流したあと、何故か心がすっきりします。涙は悲しみ、くやしさ、怖さなど、嫌な気持ちを洗い流してくれるのです。
 「いっぱいなみだを流していいんだよ」「我慢しないでいいんだよ」ーー。作者は、そんな願いをこの絵本に込めたといいます。涙は心の掃除もしてくれる。この絵本が教えてくれた、もう一つの大切なことです。(店主)

なみだ(かがくのとも2018年11月号)
垂石眞子 さく

福音館書店
2018年11月1日発行
本体389円+税

【本の紹介】ねこぶたニョッキのおつかい(こどものとも2018年11月号)




 素敵なキャラクターが登場しました。ねこぶたのニョッキです。ネコみたいなブタみたいな不思議なキャラクターです。この絵本でニョッキはどんな活躍ぶりを見せてくれるのでしょう。
 ニョッキは仙人になるため、「アラヨットやま」という名前のお山の中で修行をしています。修行中のニョッキには、とてもわがままな師匠がいました。ニョッキは師匠から「ホッペフワリンポヨヨーンパン」を買ってくるように言いつけられます。師匠が言うには、雲のようにフワリンとして、お口の中でポヨヨーンととろけるパンです。美味しそうですね。
 ホッペフワリンポヨヨーンパンを買うには遠くの「ポヨヨーンむら」まで行かなければなりません。ニョッキが行くことをためらっていると、師匠は「さっさと いかんか!」と怒り出しました。仕方ありません。ニョッキは身支度をしてすぐに出かけました。何とかパンを買うことができたニョッキ。でもパン屋さんは、帰る途中の森にはこわいばけものがいて、パンを狙ってくるかもしれないと言います。ニョッキはパンを無事持ち帰ることができるでしょうか。
 ペン画に水彩絵の具と色鉛筆で彩色したという絵は、絵本の世界に深みを与えています。描かれたばけものは恐ろしげですが、どこかユーモラスな姿に親しみもわいてきます。ダイナミックな物語と迫力のある絵を存分にお楽しみください。(店主)

ねこぶたニョッキのおつかい(こどものとも2018年11月号)
古山浩一 さく

福音館書店
2018年11月1日発行
本体389円+税

2018年10月12日金曜日

【本の紹介】くりばやし(たくさんのふしぎ2018年11月号)




 栗の木の林のようすを描いた写真絵本です。2年間に渡って栗林をほぼ同じ構図で撮影し、ときの流れに沿ってゆっくりと変化する栗の木の姿を追いかけました。
 1年目の2月の終わり、栗林に雪が降りました。地面は真っ白になりましたが、栗の木の根元には雪がありません。雪のないところは片側に偏っているのは風のせいでしょう。ページをめくると、根元まで雪で埋もれています。湿った雪がたくさん降ったようです。もう春はすぐそこです。
 夏には花を咲かせました。でも9月の終わり、栗の実は熟さないまま落ちてしまいました。栗の木は実をつけることより、木を大きくすることに力を使ったようです。秋が深まり、また冬が来ました。
 栗林では季節ごとに同じことが繰り返されます。でも栗の木は、少しずつ成長し、次の秋には実をたくさんつけることができました。栗林にも物語があります。なかなか気づくことができない、その物語の存在を気づかせてくれる絵本です。(店主)

くりばやし(たくさんのふしぎ2018年11月号)
姉崎エミリー 文
姉崎一馬 写真

福音館書店
2018年11月1日発行
本体667円+税

2018年10月11日木曜日

「母の友」2018年11月号が入荷済みです!




 「母の友」2018年11月号が入荷済みです。特別企画が2つあり、そのうちの1つが「子育て中に力をくれた本」。「ぐりとぐら」の作者で児童文学作家の中川李枝子さんのインタビュー記事を読むことができます。
 中川さんは「十代のときに読んだ本は特別なものになる」といいます。「その後の人生を支えてくれて、一生のこやしになるものが多い」と指摘します。だから中川さんは「子どもには、いくつになっても読み返しができるような本と出会ってほしい」と願うのです。
 膨大な数の本がある今、中川さんは「いい本」と出会うためには選び取る力が大事になるとも語ります。子どもに与える本は、大人が見ても面白いと思う本を選んでほしいと求めています。子どもだからといって、この程度でいいだろうという気持ちで選んではいけない。本に限らず、親子関係において「馬鹿にしない、馬鹿にされない」ということはとても大事だという中川さんのご指摘は、まったくその通りだと思います。
 もう一つの特別企画は「こどもにきかせる一日一話」。30話の短い童話が掲載されています。どうぞ声に出して読み、子どもと一緒にお楽しみください。(店主)

「母の友」2018年11月号

福音館書店
本体505円
2018年11月1日発行

2018年10月10日水曜日

今年もやります! 「木とこどものくらし展」





 くわのみ書房は10月28日(日)、「木とこどものくらし展」に出店します。絵本などの出張販売のほか、絵本の読み聞かせの「森と木にまつわるおはなし会」も行います。
 今年も「木とこどものくらし展」が習志野市本大久保の「林檎の木」で開かれます。高知県の四万十川流域で生育した良質なヒノキを100%使用した「ヒノキカグ大正集成」(http://hinopkikagu.com/)の子どもの家具・玩具を販売します。会期は10月26日(金)から28日(日)までの3日間です。
 くわのみ書房の出店は最終日、28日の午前10時から午後5時まで。「森と木にまつわるおはなし会」は同日の午前11時30分から12時までと、午後4時から4時30分までの2回行う予定です。森や木の絵本はたくさんあります。どんな本が取り上げられるか、どうぞお楽しみに。
 「木とこどものくらし展」では、そのほか四万十ヒノキの木工ワークショップ、しまんと新聞ばっぐワークショップも企画されています。大勢の方のご来場をお待ちしております。

「木とこどものくらし展」
会期:2018年10月26日(金)〜28日(日)10:00〜17:00
会場:gallery & rentalspace 林檎の木(http://www.gallery-ringonoki.com/)

*詳細はインターネット上の以下のサイトをご覧ください。
 https://facebook.com.hoppe2015/

2018年10月7日日曜日

親子と一緒にボードゲーム!




 くわのみ書房は10月7日、「ならしの まちゼミ」の「親子で楽しむボードゲーム」を開催しました。2組の親子がスタッフと一緒にアナログのボードゲームで遊びました。
 この日、参加してくれた子どもたちは4歳と6歳。小さい子も大きい子も楽しんでいただけたようです。
 フタッフは3種類のゲームを用意しました。子どもたちは自分でサイコロを転がしたり、カードを並べたり、ハラハラドキドキしながらゲームに参加しました。
 2回目の「親子で楽しむボードゲーム」は10月21日(日)に開催する予定です。定員まであと1組です。参加のお申し込みはお早めに! (店主)

【第1回大久保&実籾ならしのまちゼミ】
くわのみ書房「親子で楽しむボードゲーム」
10月21日(日)11:00~12:00
対象者:4歳・5歳・6歳の子どもとその保護者
定 員:4組
持ち物:なし
教材費:なし

電話でお申し込みください。
TEL.047-419-3567

2018年10月5日金曜日

「ならしの まちゼミ」を開催しました!




 くわのみ書房でも「ならしの まちゼミ」が始まりました。まちゼミは、お店の人が講師になって、プロならではのコツやノウハウを教えてくれる少人数制のミニ講座です。多くの人に、まちとお店のファンになってもらえるように企画されました。
 くわのみ書房は2つの講座を行います。「大人も絵本を楽しもう!」と「親子で楽しむボードゲーム」です。
 10月5日は1回目の「大人も絵本を楽しもう!」を開催しました。今回、店主が紹介した絵本は「とうだい」(福音館書店)、「船を見にいく」(きじとら出版)、「パパとわたし」(光村教育図書)の3冊。交通機関がストップするアクシデントの影響でご来店できなくかった方がお一人いらっしゃいましたが、3人の参加者と楽しいひとときを過ごすことができました。
「親子で楽しむボードゲーム」はまだ参加者募集中です。「大人も絵本を楽しもう!」は定員に達したため、お申し込みの受付を終了しました。ご案内のチラシをくわのみ書房でも配布しています。(店主)

【第1回大久保&実籾ならしのまちゼミ】
くわのみ書房「親子で楽しむボードゲーム」
10月7日(日)11:00~12:00
10月21日(日)11:00~12:00

電話でお申し込みください。
TEL.047-419-3567

2018年10月3日水曜日

ボードゲームで遊びましょう!




「ならしの まちゼミ」が開講中です。くわのみ書房の「親子で楽しむボードゲーム」は参加申し込みを受け付け中です。アナログのゲームに子どもも大人もハマります。日曜日のお昼前のひととき、親子でボードゲームを楽しみましょう!

お電話でお申し込みください。
電話047-419-3567

ちいき新聞webで紹介されました!


 インターネットの「ちいき新聞web」でくわのみ書房が紹介されました。「千葉・埼玉のユニーク本屋さん 読書の秋にわざわざ行きたい!」という9月27日付の記事で取り上げていただきました。
 千葉県と埼玉県の一味違う書店や古書店が紹介されています。店主が以前から気になっていた書店もあり、興味深く読みました。
 ちょっと変わった私設の図書室も紹介されています。「蔵の図書館」と「かいづか文庫」です。蔵の図書館は築130年の蔵をリノベーション。かいづか文庫は使用済みとなったバスの車両を再利用しています。ともに地域の子どもたちが多く集まる人気のスポットになっています。
 ちいき新聞webは、一般の新聞と一緒に届けられる「ちいき新聞」を発行する地域新聞社が運営しています。この記事のURLは以下の通り。どうぞご覧ください。(店主)

https://press.chiicomi.com/press/14703/#08

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...