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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2023年9月30日土曜日

【本の紹介】いろいろ色のはじまり(たくさんのふしぎ2023年10月号)




 私たちの身のまわりは、たくさんの色で満ち溢れています。その色はどこからやってきたのでしょうか? この絵本で「色のもと」について学びましょう。

 「色のもと」のことを「色素」といいます。色素には2種類あるそうです。一つは「顔料」、もう一つは「染料」と呼ばれています。

 この絵本のお話は顔料から始まります。顔料とは色のついた粉のこと。石や鉄のサビなどがその材料になりました。顔料の粉だけでは、物にくっつけても、やがて剥がれ落ちてしまうので、膠や油、樹液など糊になるものを一緒に混ぜて使うようになりました。これが絵の具。紙や板などに、色を塗るときに使います。

 一方で、糸や布を染める際に使われるのが染料です。染料は、顔料の粉よりも、ずっと小さい粒子で、水に溶けます。でも、染料が糸や布にくっついた後、再び水に溶け出しては色落ちすることになって困ります。こうした難しい注文に応じられる色素はなかなか無いそうです。私たち人間は、顔料も染料も試行錯誤しながら、自然の中から見つけ利用してきたのです。(店主)


いろいろ色のはじまり(たくさんのふしぎ2023年10月号)

田中陵二 文・写真


福音館書店

2023年10月1日発行

定価770円(本体700円+税10%)

2023年9月22日金曜日

【本の紹介】ちいさなふたりの しまぐらし(こどものとも2023年10月号)




 おじいさんとおばあさんがたくましく生きるようすを描いた絵本です。どんな災難に遭っても、二人一緒なら楽しく暮らしていけそうです。柔らかいタッチの絵で、深みのある絵本の世界を表現しています。

 あるところに、大きな大きなくるみの木がありました。その下に小さな小さなくるみの家があり、小さな小さなおじいさんとおばあさんが住んでいました。

 とても気持ちのよい秋の日、二人は外に敷物を広げて食事を摂ることにしました。そこに「びゅーっ」と大風が吹いて、二人はあっという間に空高く飛ばされてしまいます。山を越え、谷を越え、海を超えて着いたところは、小さな小さな南の島でした。

 二人は海の浜辺に落ちている物を使って家を作ります。次々と訪れる困難を乗り越え、なんとか落ち着いた生活を手に入れた二人。でも浜辺に流れ着いたくるみの殻を見つけると、あの懐かしいくるみの家が思い出されるのです。二人は無事、もとの家に帰ることができるのでしょうか。(店主)


ちいさなふたりの しまぐらし(こどものとも2023年10月号)

たかおゆうこ さく


福音館書店

2023年10月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年9月16日土曜日

【本の紹介】うちのライオン うちのトラ −ネコのひみつ−(かがくのとも2023年10月号)




 ネコ好きの人が大勢います。人気の理由は、人に従順な素振りを見せず、勝手気ままに生きているところにあるのかもしれません。

 人間のうちに飼われているネコは、ときおり野生の姿を見せるときがあります。草原や森に暮らすライオンやトラはネコの仲間。うちのネコには、野生のライオンやトラと似ているところがあるのです。

 この絵本は、うちのネコと野生のネコの仲間がどんなふうに似ているのか解き明かします。うちのネコのようすを野生の仲間たちに当てはめれば、その理由も分かるのです。ネコのひみつを探っていきましょう。

 もともと人間はネコにネズミを捕ってもらいたかったので、自由に行動できるように飼っていたようです。そのため、ネコは野生に近い姿を維持してきたそうです。とはいえ、うちのネコの役割は変化し、今ではネズミを捕ることはほとんど期待されていません。人間に長く飼われている間にその姿も変容してきているようです。(店主)


うちのライオン うちのトラ −ネコのひみつ−(かがくのとも2023年10月号)

伊澤雅子 ぶん

田中豊美 え


福音館書店

2023年10月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年9月14日木曜日

【本の紹介】むれれれれ(こどものとも年中向き2023年10月号)




 見応えのある絵本です。群れを描くことで、絵本の世界がダイナミックに構築されました。

 始まりは一匹のネズミ。一匹に見えて、実は群れの先頭を走るネズミでした。

 ネズミの後にネコ、ネコの後にイヌ、イヌの後に飼い主の人間と、群れが続きます。人間の後にオニが来たと思ったら、その後に豆まきの人たち、まいた豆に群がるハトの群れまで、群れが次々と繋がっていきます。

 一塊の群れですが、群れを構成する要素にはそれぞれ個性があります。この絵本の面白さは、その個性を一つひとつきちんと描き分けているところ。群れを描くことで、際立った個性の存在を気づかせてくれます。だからこの絵本、終わりは一匹のネズミ。(店主)


むれれれれ(こどものとも年中向き2023年10月号)

中垣ゆたか 作


福音館書店

2023年10月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年9月12日火曜日

【本の紹介】ぴかぴか どんぐり(ちいさなかがくのとも2023年10月号)




 どんぐりと仲良しになれる絵本です。どんぐり拾いがいっそう楽しくなります。

 子どもが公園に遊びに来ると、たくさんのどんぐりが落ちていました。さっそく拾い集めます。どんぐりにも、いろいろな種類があるようです。

 どんぐり拾いをしていると、子どもはぴかぴかのどんぐりを見つけます。「ぴかぴか どんぐり、もっと ないかな?」と探していると、「ぽとん!」と落ちてきたのはどんぐり。つやつや、ぴかぴかのどんぐりです。

 みんなもチャンスがあれば、どんぐりが落ちてくるところを見ることができるかもしれません。秋になったら、大きな木がある公園に行ってみましょう。(店主)


ぴかぴか どんぐり(ちいさなかがくのとも2023年10月号)

さみぞみちこ さく


福音館書店

2023年10月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年9月9日土曜日

【本の紹介】おだんごやま(こどものとも年少版2023年10月号)




「おだんごやま」の一日を描いた絵本です。たくさんのだんごたちがおだんごやまにやってきます。

 赤いだんごに茶色いだんご、黒や桃色のだんごもやってきて、さあたいへん。おだんごやまのてっぺんは狭すぎます。「ごっちーん」と音がして、落っこちたのは誰でしょう。

 夜になりました。おだんごやまにやってきたのは黄色いお月さん。お月さんの耳には、おだんごやまのおしゃべりが届いているのでしょうか。でも、もう寝る時間のようです。

 この絵本を読む子どもたちも、そろそろ寝る時間。さて、おだんごやまの明日はどんな一日になるのでしょう。(店主)


おだんごやま(こどものとも年少版2023年10月号)

やぎゅうげんいちろう・さく


福音館書店

2023年10月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年9月7日木曜日

【本の紹介】かくれているのは だあれ(こどものとも0.1.2. 2023年10月号)




 子どもにおやすみの時間がやってきました。子どもは「みんな いっしょに ねんねするよ」と呼びかけています。

 みんなというのは、お気に入りのぬいぐるみたちのこと。でも、なぜかぬいぐるみたちはお部屋のどこかに隠れていて、すぐには出てきません。

 カーテンのかげに隠れていたのはくまさん。うさぎさんは、かごの後ろに隠れていました。ねこさんやこぶたさん、いぬさんも、いろいろなところで見つけられます。きっと子どもとぬいぐるみたちは、一日中たっぷり楽しく遊んだようですね。

 生き生きと描かれたぬいぐるみから、温かく優しい肌触りまで伝わります。おやすみのひとときを安らかに過ごすための絵本です。(店主)


かくれているのは だあれ(こどものとも0.1.2. 2023年10月号)

こみねゆら さく


福音館書店

2023年10月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...