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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2023年11月30日木曜日

【本の紹介】ここはおうち




 丁寧に描き込んだ絵が私たちを引き込みます。自然な情景ながら幻想的であり、唯一無二の絵本の世界を作り出しています。

 赤い三角屋根のシンプルな外観のお家が「わたしの おうち」です。中を見せてもらうと、とても暮らしやすそう。「わたしだけの おうち」です。

 さて、このお家の住人がお出かけします。街に出ました。そこはドラゴンが抱えた街。やがて時空を超えた旅が始まります。旅はお家の住人の世界を広げます。

 住人が帰ってくると、おやおや、留守の間にお家は友だちでいっぱい。お家はいつの間にか、「みんなの おうち」になっていました。(店主)


ここはおうち

ぶん 谷川俊太郎

え junaida


ブルーシープ

2023年4月1日発行

定価:2,420円(本体2,200円+税10%)

【本の紹介】赤のものがたり




 鮮烈な「赤」が少年の熱い思いを伝えます。その思いは、果たして少女に届くのでしょうか。

 少女は毎年、夏にやって来ます。少年は一緒に遊ぶことを楽しみにしています。でも、今年は声をかけてくれません。少女はずっと、ほかの男の子たちと一緒です。

 少女が来てから1週間ほど経ちました。遠くの空が真っ赤に染まり、焦げるような匂いがします。山火事です。火事はあっという間に広がります。やがて、気がつくと少年の隣に少女がいました。少女の目には涙が浮かんでいます。

 初恋の切なさが胸にしみる絵本です。木々の緑と炎の赤の対比が少年の心の移ろいを描きます。大胆さと繊細さを併せて表現する絵が見事です。(店主)


赤のものがたり

ステファン・キール 作

ひがきゆみ 訳


化学同人

2023年8月発行

定価2420円(本体2200円)

2023年11月29日水曜日

ボルドーレッドのストレート・コーヒーを提供します!




 くわのみ書房でちょっと特別なコーヒーを味わいませんか? くわのみ書房はボルドーレッドのストレート・コーヒーを提供します。

 エチオピアのゲシャ・ビレッジでつくられるコーヒーです。樹上で長く熟成したイルバボール種のコーヒーの実は、ボルドーワインを連想させる深い赤紫に色づくことから「ボルドーレッド」と名づけられたそうです。

 産地は昼夜の寒暖差の大きい急峻な1900m以上の高地。コーヒーの葉に日陰をもたらすシェードツリーが多く植えられているので、コーヒーの実はゆっくり成熟します。そのため、味わいはクリーミーで、アプリコットやピーチを思わせる濃厚な甘さが感じられます。

 鮮烈な味わいのコーヒーを、ぜひお楽しみください。お値段も、ちょっと特別です。


コーヒー

ボルドーレッド/ゲシャ・ビレッジ(エチオピア)

800円

2023年11月27日月曜日

【本の紹介】こっちとあっち




 子どもがお話を始めます。昔から「こっち」に住んでいる子どもは、こっちが好き。

 友だちが「あっち」から遊びに来ました。友だちは、あっちが好きなのかな。

 仲良く遊んでいた子どもと友だちは、やがて喧嘩を始めます。友だちはあっちに帰ってしまいました。

 仲良くしたり、喧嘩をしたり、そんなことの繰り返し。こっちの子どももあっちに行ったり、そうしていっそう仲良くなるのです。今、戦争をしている大人たちにも、この絵本を読んで欲しいと思います。(店主)


こっちとあっち

谷川俊太郎・文

樋勝朋巳・絵


クレヨンハウス

2023年2月1日発行

定価(本体1,600円+税)

2023年11月25日土曜日

【本の紹介】わたしは地下鉄です




 韓国・ソウルの地下鉄がお話してくれます。地下越をいつも使っている、ごく普通の人々の日常の物語を描いた絵本です。

 ワンジュさんは学校いちのかけっこの選手だったのに、朝は可愛い娘の顔を、あと一回、あと一回と見てしまうので、会社に着くのはいつもビリ。潮のかおりをいっぱい漂わせて乗り込んできたおばあさんは、娘が好きなタコと、娘の娘が好きなアワビで美味しいご飯をつくってあげるようです。こわがりで泣き虫で朝寝坊ばかりしていたユソンは、いつのまにか二人の子どものおかあさんになりました。

 透明感のある絵で、一つひとつの物語の奥深さを表現しています。しっかりとした絵の構成でお話がぶれることなく流れていきます。毎日をさりげなく、でも懸命に生きている人々が、とても愛おしく感じられます。

 丁寧に描いた絵から、人間を優しく見つめる作者の気持ちが伝わります。ユーモラスな表現も散りばめ、絵本の楽しさが読む人の心に響きます。(店主)


わたしは地下鉄です

文・絵 キム・ヒョウン

訳 万木森玲


岩崎書店

2023年11月30日発行

定価(本体1800円+税)

2023年11月21日火曜日

【本の紹介】ぼうしかぶって




 お出かけのときの何気ないひとこまが絵本になりました。家族のみんな、帽子を被るとバッチリ決まります。

 この家族は野菜や果物の姿をしています。それぞれの「ヘタ」が帽子になっています。

 帽子を被る前は、みんな何かがちょっと足りないような気がします。でも、帽子を被ればキリリと身も引き締まってカッコいい。さあ、さっそうと出かけましょう。

 扉のページにみんなの帽子がかかっています。どの帽子が誰のものか、わかるかな?(店主)


ぼうしかぶって

三浦太郎


童心社

2020年9月1日発行

定価 本体800円(税別)

2023年11月18日土曜日

【本の紹介】どんぐり どんぐり




 おかあさんのりすがどんぐりひろいに出かけます。4匹の子どもたちが窓から顔をのぞかせて、楽しみに待っています。

 さっそく1つ見つけました。続けて2つ、3つ、4つと順調に見つけます。

 ところが「おっとっとっと」とつまずいて…。さあ、たいへん。どんぐりがかごから飛び出してしまいました。かあさんりすがどんぐりをかごに戻していると、もう1つ見つけましたよ。全部でいくつかな。

 数遊びをしながら、秋の深まりを楽しむ絵本です。最後は全員で「どんぐり どんぐり いただきまーす」。


どんぐり どんぐり

降矢なな さく


福音館書店

2023年10月5日発行

定価990円(本体900円+税10%)

2023年11月17日金曜日

【本の紹介】ソロ沼のものがたり




 赤黒い水をたたえ、ソロという木がうっそうと茂る沼。いつのころからか「ソロ沼」と呼ばれるようになった沼が、この物語の舞台です。ソロの木とはアカシデのことを指すようです。

 巨大なソロの木には大きな穴があり、鹿や猪が吸い込まれてしまうとか。大木のソロの木は「ソロ沼御前」と呼ばれ、沼の守り神として祀られています。

 また、かつて沼に暮らしたたくさんの大きなカエルたちは沼の生き物をありったけ食べ、自分たちの子まで食いつくしてしまいます。でも、1匹のカエルが生き残り、心をあらためて、やはり沼の守り神になったと言い伝えられています。

 神秘的な伝説を残すソロ沼に暮らす小さな生き物たちのエピソードを集めた短編集です。ミズスマシ、トノサマバッタ、ジャコウアゲハなどの虫たちや、カスミアマツバメやアカガエルが擬人化され、生と死をかけた弱肉強食の世界をファンタジーのように描きます。そこから浮かび上がるものは、生命の輝きに他ならないと思われます。(店主)


ソロ沼のものがたり

舘野鴻=作


岩波書店

2022年5月26日発行

定価(本体2000円+税)

2023年11月16日木曜日

【本の紹介】おとうさんを かして




 切ない文章で始まります。「おとうさんが しんだ」。父を亡くした姉と弟のお話です。

 おとうさんは野球が好きだったようです。姉と弟は一緒に野球を楽しんだようです。でも、もうおとうさんと会うこともできません。

 弟が「おとうさんと やきゅうしたい」といっても、その言葉は姉の頭の中でぐるぐる回るだけ。絶望の先に、やがて姉は希望を見出します。「おとうさんを かして」という求めに、友が応えてくれたのです。

 最後のページで、ホームランを打った弟は満面の笑顔です。シンプルな表現の絵から、繊細な子どもの気持ちが強く伝わります。(店主)


おとうさんを かして

ホ・ジョンユン 文

チョ・ウォニ 絵


岩崎書店

2023年10月31日発行

定価(本体1,600円+税)

2023年11月15日水曜日

ペペペ日めくりカレンダー2024、入荷しました!




 くわのみ書房店内ですっかりお馴染みのペペペ日めくりカレンダー。2024年版も販売します。

 作った人は渡邊知樹さん。「日々野家」の毎日の生活を、ほのぼのとしたイラストで描きます。

 テーブルのかたすみで癒しの日々をお届けします。肩肘はらず一日を始めましょう。

 千葉県内の取り扱い店舗はくわのみ書房だけ。すでに在庫僅少です!(店主)


ペペペ日めくりカレンダー 2024 BOX SET


渡邊知樹

3600円(税込)

【本の紹介】かるがものクッカ




 カルガモの成長を丁寧に描いた絵本です。カルガモは馴染み深い野鳥ですが、この絵本で初めて知ることもありました。

 卵から「こっこっ、こっこっ」という音が聞こえます。殻が割れて、カルガモの雛が生まれました。8羽いるきょうだいの6番目に生まれた子が、この絵本の主人公の「クッカ」です。

 生まれてすぐに歩けるし、泳ぐこともできるクッカたち。おかあさんに必死でついていき、大人になるため、いろいろなことを学びます。でも、クッカはおかあさんと離れ離れになってしまいました。クッカに最大のピンチが訪れます。

 驚いたことに、クッカは偶然出会った別の家族の一員として成長を続けます。カルガモにとって、本当の家族とはぐれ、別の新しいおかあさんと暮らし始めることは普通にみられるそうです。この絵本では、カルガモを育む自然環境も美しく描かれ、読む人の心を豊かにしてくれます。(店主)


かるがものクッカ

箕輪義隆・絵

かんちくたかこ・文


監修・川上和人


アリス館

2022年10月25日発行

定価(本体1,500円+税)

2023年11月11日土曜日

【本の紹介】ポットくんとサボテンさん(かがくのとも2023年12月号)




 植木鉢のポットくんに、トゲトゲの針の付いたサボテンさんが植えられています。サボテンさんがいつものように自慢話を始めました。ポットくんと一緒に耳を傾けてみましょうか。

 サボテンさんの仲間の故郷は遠くのアメリカ大陸。岩と砂の景色が続く荒野で生まれました。

 そこでは、空は晴れ渡り、雲すら見ない日が何週間も続きます。雨は滅多に降らず、乾燥した環境では植物もわずかな数しか生きていけないようです。ポットくんは過酷な環境で暮らすサボテンさんの仲間たちの話をワクワクしながら聴きました。

 そんなサボテンくんも日本の暮らしでは少し困ることもあるようです。ポットくんが優しくサボテンさんをサポートします。日本でもすっかりお馴染みになったサボテンのことを、もっと知ることができる絵本です。(店主)


ポットくんとサボテンさん(かがくのとも2023年12月号)

真木文絵 ぶん

石倉ヒロユキ え


福音館書店

2023年12月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】プレゼントはひとつ(こどものとも年中向き2023年12月号)




 夢が膨らむ絵本です。子どもの夢の世界を堪能しましょう。

 もうすぐ誕生日を迎える「あきら」。おとうさんからプレゼントに何でも欲しいものを買ってあげるといわれました。でもそれは「ひとつだけ」。

 欲しいものがたくさんあるあきらには悩ましいところです。考えて考えて考えたあきらが思いついたひとつだけは、なんと「デパート!」。なるほど! いい考えですね。

 デパートには何でもそろっています。友だちも呼ぶことにしましょう。柔らかいタッチの絵で、あきらの夢の世界が描かれます。(店主)


プレゼントはひとつだけ(こどものとも年中向き2023年12月号)

高科正信 文

コマツシンヤ 絵


福音館書店

2023年12月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年11月9日木曜日

【本の紹介】ふゆに さがそう いいもの いくつ?(ちいさなかがくのとも2023年12月号)




 絵を見ながら数遊びができる絵本を「カウンティング・ブック」というそうです。この絵本もカウンティング・ブックの一つ。いいものを、探して、数えて、楽しみましょう。

 寒い冬の日、子どもとおとうさんがお散歩に出かけます。いいものが見つかるかな。

 さっそく見つけた1羽の鳥。オレンジ色の可愛らしい姿です。ジョウビタキのようですね。木の上を見ると、葉が落ちた枝に乗っかる2つのかたまりがあります。カラスの巣です。林に入ると、青い模様のちょうちょが3匹。ムラサキシジミとルリタテハかな。

 数える対象以外にも、冬のいいものがたくさん描かれています。絵本を読んだら、さあお散歩に出かけましょう。(店主)


ふゆに さがそう いいもの いくつ?(ちいさなかがくのとも2023年12月号)

おおたぐろまり さく


福音館書店

2023年12月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年11月7日火曜日

【本の紹介】ねずみのひっこし(こどものとも2023年12月号)




 子どもはさまざまなことをきっかけに物語を生み出します。この絵本の物語は、おもちゃのトラックを公園に置き忘れたことから始まります。

 子どもは砂場にあるはずのトラックを探しますが、見当たりません。すると、誰かのひそひそ声が聞こえてきました。足元を見ると、そこには2匹のねずみがいて、トラックは借りているというのです。

 子どもが草むらに走り込んだねずみたちを追いかけると、そこはねずみたちの世界。子どもの体は小さくなり、草むらは林のように見えます。にぎやかな声が聞こえてきました。トラックは何に使われているのでしょう。

 子どもが迷い込んだファンタジーの世界を柔らかいタッチの絵で描きます。子どもたちの心を優しく、豊かにする物語の絵本です。(店主)


ねずみのひっこし(こどものとも2023年12月号)

あまんきみこ 文

岡田千晶 絵


福音館書店

2023年12月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

2023年11月4日土曜日

【本の紹介】ふゆをみつけたよ(こどものとも年少版2023年12月号)




 日本には四季があり、春夏秋冬それぞれの季節ごとの魅力が味わえます。さて、寒い冬にはどんなお楽しみがあるのでしょう。

 この絵本で日本の冬を再確認しましょう。まずは、花から。真っ赤なつばきが目を引きます。ロウバイやクリスマスローズ、シクラメンなど、冬を彩る花はたくさんあります。

 冬になると庭にやってくる可愛らしい鳥たちも、目や耳を楽しませてくれます。そして、寒いからこそ、温かい食べ物が身も心も癒してくれます。子どもにも大人にも、冬のお楽しみはたくさんあります。

 季節の変化を感じることは、地球環境を大切に思うことに繋がります。昨今は人為的な気候変動が心配の種になっていることも忘れてはいけません。(店主)


ふゆをみつけたよ(こどものとも年少版2023年12月号)

平野恵理子 さく


福音館書店

2023年12月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...