自分を知るきっかけになる絵本です。知っているようで知らなかった自分がいることに気づきます。
アントニオが一人、木の下で佇んでいます。そんなとき、アントニオはただの「男の子」。でも、パパとママといるとき、アントニオは大事な「むすこ」になります。おばあちゃんといるときは「まご」になるし、マルチダおばさんといるときは「おいっこ」になります。
学校で授業を受けているとき、アントニオは「生徒」です。先生のお話をちゃんと聞かなくちゃいけないけど、そう思えば思うほど、ちゃんとできない。そんなときアントニオは「宇宙飛行士」になっています。空の上から、町、学校、クラス、それに自分を見ています。アントニオが見ている自分自身。それは、先生から叱られている小さな「地球人」でした。
アントニオは本当にすごい。家に帰って1枚の紙に絵がいっぱいの楽しいお話を書けば「作家」になります。作ったお話を発表すれば、すばらしい「役者」になります。いろんなアントニオがいます。でも、どんなときでもアントニオは「たいせつな友だち」。この絵本の語り手の「ぼく」は
、どのアントニオもたった一人のかけがえのない存在であることを知っています。(店主)
どれも みーんな アントニオ!
スザンナ・マッティアンジェリ 文
アリアキアラ・ディ・ジョルジョ 絵
春陽堂書店
2020年10月15日発行
定価:本体1700円+税
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