ハラハラドキドキの出来事を、人の心のやさしさでふんわり包み込んだお話です。子どもの成長を願う作者の気持ちが伝わります。
美味しそうなパンの匂いに誘われて、マートくんや近所の子どもたちがパン屋さんに引き込まれます。綺麗なお姉さんのパン屋さんは、実は子どもを食べてしまう恐ろしい魔女でした。
危機が迫るそのとき、魔法使いのおじさんが現れて子どもたちを救います。でも、魔法使いは魔女を退治しないで助けます。そして、「悪い まほうは入って いないから」といって子どもたちにパンを食べさせます。魔法で、にじ色のジュースも出してあげました。
大人になったマートくんはレストランのコックさんになりました。でも、あのときのパンとジュースほど美味しい料理はまだ作れていないといいます。最後に、このお話の語り手はマートくんの娘さんだったことが明かされます。娘さんはおとうさんの背中をやさしく見つめています。そしてマートくんのお話は、この絵本を読んだ子どもたちにも伝えられていくのです。(店主)
マートくんのレストラン
作・たざわたえこ
絵・ひすいしょう
銀の鈴社
2021年7月7日発行
定価:本体1800円+税
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