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2021年9月23日木曜日

【本の紹介】あいちゃんのひみつ ダウン症をもつあいちゃんの、ママからのおてがみ



 この絵本は、多くの子どもたちがダウン症という障害について理解を深められるようにという願いを込めて作られました。障害は理解することで乗り越えられるハードルになります。多くの子どもたち、そして大人たちにも読んでいただきたい絵本です。

 静岡県伊豆の国市に暮らす小学生の「あいちゃん」はダウン症を持っています。学校には「ダウンしょうって なあに?」と聞いてくるお友だちもいます。あいちゃんのおかあさんはダウン症が起こる仕組み、つまりあいちゃんのからだのひみつについて、学校の授業でお話しすることになりました。

 あいちゃんのおかあさんはこの絵本の作者の竹山美奈子さんに相談して、この絵本のもとになるスライド絵本ができあがりました。ダウン症に関する情報は決して少なくないのかもしれませんが、どんなつらさがあるのか、どんな支援を必要としているのか、どう接したらいいのかなどについて、十分に知られていない状況があります。竹山さんはあいちゃんのおかあさんからよくお話を聞いて、まわりの人に知ってほしいこと、どんな支援がほしいのかを伝えようと考えました。そして、外見の特徴や、ダウン症という名称によって生じるつらさも知ってほしい思いました。

 この絵本は染色体のことも取り上げています。ヒトの染色体は2本で1組になっていて、全部で23組あります。ダウン症を持つ人はその中の21番目の染色体が、なぜか3本あるのです。染色体の話は、小さい子どもには少し難しいかもしれません。でも竹山さんは、子どもたちはダウン症の仕組みを通じて、一人ひとりの人間にそれぞれの仕組み(ひみつ)があり、それぞれの特徴を作っていることに気づき、それを大切に思うようになると考えました。竹山さんの子どもたちに対する信頼感に共感を覚え、清々しい気持ちになります。(店主)


あいちゃんのひみつ ダウン症をもつあいちゃんの、ママからのおてがみ

取材・文 竹山美奈子

絵 えがしらみちこ

監修 玉井邦夫


岩崎書店

2020年3月31日発行

定価(本体1600円+税)

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