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2021年1月8日金曜日

【本の紹介】ゆめみのえ(こどものとも2021年2月号)




 江戸時代に実在した絵師をモデルにした創作絵本です。幻想的なお話と江戸時代に描かれたような軽妙な絵の組み合わせは、とてもよくマッチしています。

 この絵師は江戸時代中期に活躍した鍬形蕙斎(くわがたけいさい)。絵本では「ケイサイさん」と呼ばれています。鯉の絵を描きながら、うとうとしてしまったケイサイさん。夢の中で鯉になっていました。

 鯉のケイサイさんは釣り上げらえてお城に運ばれます。まな板の上で包丁が近づいてきたそのとき、ケイサイさんは目を覚まします。でも、ケイサイさんは夢に見た鯉がとても気にかかります。そこでお城に行ってみると、今まさに鯉が切られようとしていました。ケイサイさんは鯉をゆずってもらい、川に逃してあげました。

 絵は蕙斎による「略画式」という絵本の絵を元に描かれました。お話は「雨月物語」の中の「夢応の鯉魚」を下敷きに、主人公を蕙斎に置き換えてつくられたそうです。「雨月物語」の作者の上田秋成も蕙斎と同時代の人です。江戸時代にタイムスリップしたような気分を楽しみましょう。

 この絵本は短編アニメーションの「ゆめみのえ」と並行して制作されました。アニメーション「ゆめみのえ」の上映情報は「ヤマムラアニメーション」のウェブサイト(http://www.yamamura-animation.jp)でみることができます。(店主)


ゆめみのえ(こどものとも2021年2月号)

山村浩二 作


福音館書店

2021年2月1日発行

本体400円+税

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