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2018年2月24日土曜日

【本の紹介】ゆきのあかちゃん




 雪は、最後にはとけてなくなってしまうのでしょうか。出会った人とも、もう会えない? いえいえ、そうではありません。姿形が変わるだけ。この絵本が教えてくれます。生まれたばかりのゆきのあかちゃんのお話を聞いてみましょう。
 くものおかあさんから、ゆきのあかちゃんが生まれました。冷たくて真っ白な洋服を着ています。風に飛ばされて街までやってきました。おかあさんとよく似たやさしい目の女の子と出会います。女の子の手のひらめがけて思いっきりジャンプしました。ゆきのあかちゃんは手のひらで、ひとしずくの水になってしまいました。
 水になったゆきのあかちゃんは、昔この街に来たことを思い出しました。そのときも雪でした。水になった雪はまた雪になり、何度も生まれてくるのです。ゆきのあかちゃんは女の子にこういいました。「なんどでも きっと また…あおうね」。
 色彩が美しい絵本です。白いゆきのあかちゃんの心情に合わせて背景の色彩が変化し、物語を劇的に表現しています。絵は主にパステルで描いたそうです。色のやわらかさと繊細な描き方がバランスよく調和し、絵にあたたかさと深みを与えていると思います。(店主)

ゆきのあかちゃん
宮田ともみ

アリス館
本体1400円+税
2017年10月31日発行

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