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2018年2月21日水曜日

「母の友」2018年3月号が入荷済みです!




 「母の友」2018年3月号の特集のテーマは「今、保育を考える」です。ブレディみかこさんがとても刺激的で興味深い記事を寄稿されています。ブレディさんはイギリス在住のライター・コラムニストで、イギリスで保育士の資格を取り、実際に働いていた経験もあります。保育士の立場から社会や政治の問題を捉えた著書があり、今号では「保育士がなぜ政治を語るのか」というタイトルで原稿を執筆されました。
 ブレディさんが政治について書こうと思ったきっかけは、保育士資格取得コースで毎学期の終わりに書かされたミニ論文だったそうです。ミニ論文では保育士の日々の仕事と、それを行う理由としての法的フレームワークや学術的根拠をセットにして論じることが求められました。その際、法的フレームワークとなる法律集の該当箇所を示すだけでは合格点に達せず、その法律が基づくEUまたは国連の法律や条約、さらにその法律制定時の時代背景や社会問題まで言及する必要があったそうです。
 ブレディさんはそこまで求められることにとても驚かされましたが、ミニ論文をこなしているうちに、保育現場の事柄から、その背景がみえるようになってくることに気づきます。泣いている子どもの背後に同じような状況に置かれて泣いている子どもたちがいて、その後ろに唇を噛んでいる親たちの姿が見える。親たちの背景には政治があり、彼らを苦しめている根源として制度上の欠陥や法の不条理、そしてそれを放置する政治があると考えるようになったそうです。社会福祉士で社会運動家でもある藤田孝典さんは、これを「ミクロとマクロの連動性」と呼んでいるそうです。
 ブレディさんは、日本では「ミクロとマクロの連動性」を持った人を養成する気運がないことに危機感を示します。「本来ならばミクロな現場で問題を皮膚で知っている人々が、制度の欠陥や法の不完全性について考える回路を持たなくなる」といい、「これは国を運営している側にとってはやり易い」と指摘する一方で、「現在あるもの」が徐々に劣化して社会全体が衰退してしまうと警告します。ブレディさんは、現在あるもの自体を疑う人々のことを「面倒くさい人」と表現します。そして、もっと面倒くさい人を増やすため何ができるだろうと考えているそうです。私も、どうしたら面倒くさい人の一人になれるか考えてみたいと思います。(店主)

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