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2018年2月10日土曜日

【本の紹介】カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月(たくさんのふしぎ2018年3月号)




 カブトムシの一生を丁寧に描いた絵本です。カブトムシはわずか1年しか生きられません。そして、そのうちの約11カ月を卵や幼虫、蛹の姿で過ごします。その間は土の中の生活になります。地上の世界に出てくるのは成虫になってからです。つまり、カブトムシは一生のほとんどを土の中で過ごすのです。だから、この絵本には、私たちにお馴染みのカブトムシの成虫はあまり出てきません。
 メスのカブトムシがビルに囲まれた都会の公園で卵を産むところから始まります。「都会の公園?」と思った人も多いと思います。「作者のことば」によると、少なくとも関東地方のほとんどの地域で、都会の公園におびただしい数のカブトムシが生活しているそうです。
 さらに驚いたことに、カブトムシは人の暮らしと密接に関わって生活しているため、人里離れた山の中では生活できないそうです。幼虫の餌場となるのは農業のためにつくった腐葉土や、公園や学校で落ち葉などを集めておくところです。人が現れる前にカブトムシがどのような場所に卵を産んでいたのかは、まだよく分かっていないそうです。
 知らないことばかり書かれていて、本当に驚かされました。「カブトムシの音がきこえる」というタイトルについても、最初は何のことなのか分かりませんでした。これは絵本を読むまでのお楽しみ。読み応えたっぷりの絵本です。(店主)

カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月(たくさんのふしぎ2018年3月号)
小島渉 文
廣野研一 絵

福音館書店
2018年3月1日発行
本体667円+税

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