地球には人がほとんど足を踏み入れたことがない場所がまだあります。ギアナ高地のテプイもそのひとつといってよいでしょう。自然写真家の寺沢孝毅さんは、これまでに4回もギアナ高地を訪れたそうです。
ギアナ高地とは、南アメリカ大陸北部にある広大な丘です。赤道が通る熱帯にあり、ベネズエラやコロンビア、ブラジルなど6カ国にまたがります。その面積は日本のほぼ3倍に当たる120万キロ平方メートルに及びます。
ギアナ高地には独特の形をした岩山があり、地元の先住民族はテプイと呼んでいます。山の周りは垂直な壁に囲まれ、頂上は平らな台地になっています。ギアナ高地には、こうした形の山が100以上もあるそうです。
テプイの頂上台地は生き物にとって過酷な環境です。高い標高のため10℃以下の低温にたびたびさらされ、強い雨が降り、強風も吹きすさびます。そして、サリサリニャーマと呼ばれるテプイには巨大な穴がぽっかり開いており、その穴の底はさらに周りから閉ざされた謎の場所になっています。寺沢さんがこの写真絵本でテプイの魅力をたっぷり教えてくれます。でも寺沢さんが伝えたいことは、まだまだたくさんありそうです。(店主)
ギアナ高地 謎の山 テプイ(たくさんのふしぎ2021年8月号)
寺沢孝毅 文・写真
福音館書店
2021年8月1日発行
定価770円(本体700円+税10%)
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