子どもたちの大好きな「おはなし」がどうやって生まれるのか教えてくれる絵本です。おはなしが好きな大人たちもワクワクしてくる絵本です。
「さあ、おはなしの おはなしをしましょう」と始まります。そこは「この世界にはない どこか」。「知っているはずなのに 知らない名前の場所」です。小さな家におじいさんが住んでいます。おじいさんはとても長生きで、自分でも何歳になったのか思い出せません。
おじいさんはカタカタとタイプライターを叩いて何かを書いています。書き上げると、おじいさんは紙を手に取って家をあとにしました。どんなものを育てるにも申し分ない場所を見つけて、持っていた紙をその場所に埋めました。それから毎日、埋めた紙の世話をしました。何時間も何日も何週間も過ぎたころ、ついに地面から何かがぴょこんと芽を出したのです。
その芽から、やがておはなしの本ができるなんて、誰が想像できたでしょう。おはなしは、知っているはずなのに知らない名前の場所から生まれ、子どもたちの心を釘付けにします。あなたもそんなおはなしの本にもう出会ったことがあるかもしれません。(店主)
おはなしのたねをまくと…
クラウディオ・ゴッベッティ 文
ディヤナ・ニコロヴァ 絵
いのうえさあや 訳
工学図書・山烋
2022年9月11日発行
定価(本体1800円+税)
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