切なくて胸が締め付けられる絵本です。でも、希望を失うことはない。しあわせなときはきっと戻ってくるのです。
扉のページに子どもが一人。この子がソエです。ソエは生まれてからずっと暮らしてきた町を離れなければなりません。戦争があり、外国に逃げることになったのです。
町を離れる前の晩、ソエは地図を広げ、楽しい思い出がある場所にしるしをつけました。しあわせなときをくれたたくさんの場所。町のあちこちに散らばった幸せのしるし。ソエがそのしるしを赤えんぴつで結んでみると、地図に “ZOE” (ソエ)という文字が浮かび上がってきました。
それはこの町がソエにくれたお別れのプレゼントでしょうか。ソエは、しあわせなときの地図を鞄にしまいこみます。戦争が終わり、いつかきっとこの町に戻ってくることを信じて…。(店主)
しあわせなときの地図
フラン・ヌニョ 文
ズザンナ・セレイ 絵
宇野和美 訳
ほるぷ出版
2020年10月10日発行
定価:本体1400円+税
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