民話のようなお話ですが、朽木祥さんによる創作です。付録の「作者のことば」によると、鎌倉にある建長寺からインスピレーションを得たそうです。
建長寺の裏方に半僧坊と呼ばれるスポットがあり、そこには多くの天狗像が並んでいます。烏天狗もいて、その姿を見た朽木さんが想像を膨らませてこのお話が生まれました。
山の上の小さなお宿。座敷のふすまには、いつのころからか、からすの小天狗が描かれていました。お宿の主人がせっせと集めたはちみつが翌朝には空っぽになってしまう事件が勃発しますが、犯人はどうやら、真夜中にふすまから飛び出したこの小天狗のようです。主人はどうしたものかと、いろいろ策を講じますが…。
ささめやゆきさんの温かみのある絵がお話にぴったりです。憎めない小天狗は子どもたちの人気者になりそうです。(店主)
おやどのこてんぐ(こどものとも2022年10月号)
朽木祥 文
ささめやゆき 絵
福音館書店
2022年10月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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