牧野富太郎は「日本植物学の父」と呼ばれる植物の研究者です。牧野は子どものころから草や木が大好きでした。これは純粋に植物を愛した牧野の生涯の一端を紹介する絵本です。
牧野が小学校で見た博物画には、植物の絵が色つきで本物そっくりに描かれ、名前だけでなく、実や種がどこにできるのか、何の仲間かといったことまで記されていました。牧野は、自分もいつかこういうものをつくりたいと思うようになります。
本格的に植物の研究を始めた牧野は、生まれ故郷の高知県内の各地を歩き、たくさんの標本をつくります。そして、細かいところまで分かる絵を何枚も描きました。やがて、日本中の植物が分かる本をつくりたいと願うようになります。全国のどんな草木も見分けられる、正しい知識を盛り込んだ本です。
牧野が78歳になって作り上げた「牧野日本植物図鑑」は今も多くの人に愛されています。自らを「植物の精」と呼んだ牧野は、植物に関する知識を広め、植物を愛する人を増やしました。牧野の生き方は、今の私たちに大切な何かを伝えていると思います。(店主)
牧野富太郎ものがたり 草木とみた夢
谷本雄治・文
大野八生・絵
出版ワークス
2019年3月20日発行
定価[本体1600円](税別)
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