山間の小さな駅の一日を描いた絵本です。駅員さんは朝早くから夜遅くまで働きます。素朴なタッチの絵から、やわらかな空気感が伝わります。
小さな駅だから、駅の仕事の全体を見渡すことができそうです。駅員さんは少ない人数で多くの仕事をこなします。
でも付録にある「作者のことば」を読むと、駅員さんの仕事には、この絵本では描かれなかった切符の販売や燃料の給油など、ほかにもたくさんあるようです。トラブル発生で不測の事態に陥ることもあるでしょう。そんなときも、この絵本が伝えるように毎日の仕事をきちんとこなしていれば、きっと上手に対応できるはずです。
多くの人にとって駅は、毎日の通過点の一つかもしれません。この絵本の作者は、そんなお馴染みの駅を、立ち止まってゆっくり見渡してみることをお勧めします。いつもそこにありながら、私たちが見落としていた世界が見えてくるでしょう。(店主)
ちいさな えきの いちにち(かがくのとも2022年8月号)
鎌田みか さく
福音館書店
2022年8月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
0 件のコメント:
コメントを投稿