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2018年4月29日日曜日

【本の紹介】いのちのひろがり




 私たちは、生きています。命がある「生きもの」です。でも、生きものって何でしょう。この絵本を読んで一緒に考えてみましょう。
 文章を書いた中村桂子さんは著名な生命誌研究者です。作者のことばによると、生きものの特徴の一つは「生まれること」。人は誰も、おとうさんとおかあさんがいたらから生まれました。でも、おとうさんもおかあさんも、それぞれのおとうさんとおかあさんがいたから生まれました。生きものは祖先とつながり、今現在の命は昔とつながっています。
 祖先をたどっていくと、最後にはあらゆる生きものの祖先に行き着きます。つまり、今の地球上の生きものはすべてつながっているのです。そのつながりの中心にいる自分を想像してみてください。自分から広がるつながりが見えてきます。それが「いのちのひろがり」です。生命の多様性といってもよいのかもしれません。
 松岡達英さんが時空を超えた世界を迫力のある絵で描きました。多様な生きものが、一つひとつのストーリーを語りかけてくるようです。
 中村さんはもう一つの生きものの特徴は「大きくなること」といっています。そのためには、食べたり、空気を吸ったり、「外のもの」とつながる必要があります。外は「環境」ということばで表すことができます。私たち生きもののは、生命の多様性と自分たちを支える環境があるからこそ存在しているといえるでしょう。(店主)

いのちのひろがり
中村桂子 文
松岡達英 絵

福音館書店
本体1300円+税
2017年3月5日発行

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