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2018年4月13日金曜日

【本の紹介】海中を飛ぶ鳥 海鳥たちのくらし(たくさんのふしぎ2018年5月号)




 まさに海中を飛ぶ鳥の姿を捉えた写真が表紙を飾ります。不思議な感覚に陥るこの写真は、ケイマフリという海鳥が海にもぐり、「羽ばたき潜水」をしているようすを写しました。
 海を生活の場とする鳥たちを海鳥といいます。この写真絵本を作った寺沢孝毅さんは北海道の天売島に住み、自然写真家として活躍するかたわら、海鳥の保護・調査などに取り組んでいます。
 海鳥は食べ物を海から得ています。海は広く、食べ物もたくさんあるように思えますが、実際に魚などが集まる場所は限られ、ほとんど水の中にいます。悪天候のときもあり、食べ物を手に入れることは容易ではありません。海鳥は過酷な環境の中でどのように生活しているのでしょうか。寺沢さんが愛情たっぷりの写真で紹介します。
 ウミガラスの巣立ちの写真に胸を突かれました。ヒナはまだ飛ぶこともできません。でも繁殖場所の断崖から、翼を羽ばたかせながらすぐ下の海岸や海に落下します。そこにはオスの親鳥が待っていて、沖に出たヒナは数週間の間、食べ物を与えてもらいながら成長を続けるそうです。海の暮らしに適した体つきの海鳥たちは、陸で危険な生活を続けるより、食べ物もある海に早く出た方が生き残りやすいのです。厳しい環境で生き抜く海鳥の迫力ある姿をお楽しみください。(店主)

海中を飛ぶ鳥 海鳥たちのくらし(たくさんのふしぎ2018年5月号)
寺沢孝毅 文・写真

福音館書店
2018年5月1日発行
本体667円+税

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