チョコレートは「お菓子の王様」。この絵本の扉のページにそう書いてある通りです。ひとかけらのチョコレートでも、口にすれば豊かな心持ちになれます。
チョコレートは植物のカカオからつくられます。カカオの花は太い幹から直接生えてくるそうです。受粉するとラグビーボールのような実になります。実の殻を割ると白い果肉に包まれた種があります。これがチョコレートの原料となるカカオ豆です。
人類がカカオ豆に出会ったのは1万年ほど前のこと。最初は動物たちとおなじように果肉を食べていたそうですが、やがて栄養たっぷりのカカオ豆を食べるようになりました。カカオ豆は、そのままでは渋くて食べられないため、いったん発酵させるそうです。発酵を通じて渋みがなくなり、チョコレートの味と香りのもとになる物質ができるのです。
チョコレートについて知らないことばかりだったと思い知らされました。カカオ豆がチョコレートになるまで、実は多くの要因が関わり、長い歴史を必要としていたのです。この絵本の挿絵にはかわいい王様が登場して、長い歴史の旅のおともをしてくれます。(店主)
ひと粒のチョコレートに
文・佐藤清隆
絵・Junaida
福音館書店
2021年4月1日発行
定価770円(本体700円+税10%)
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