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2018年7月27日金曜日

【本の紹介】エマおばあちゃん、山をいく




 アメリカで一人のおばあちゃんが山の長い自然歩道を歩き通しました。今から60年以上も前のお話です。おばあちゃんの名前はエマ・ゲイトウッド。この絵本の主人公です。
 この自然歩道はアパラチアン・トレイルと呼ばれています。アメリカの東部のアパラチアン山脈に沿った14の州にまたがる約3500キロメートルの長い山道です。世界で一番長い自然歩道です。日本でいえば、北海道の最北端から沖縄の最南端の島までの距離に相当します。
 アパラチアン・トレイルがすべて整備されたのは1937年です。エマおばあちゃんは、そのはしからはしまで、すべて歩き通した初めての女性です。1955年のことでした。5月3日にスタートし、歩き終えたのは9月25日だったそうです。そのとき、エマは67歳。
 エマはおばあちゃんになって、なぜそんなに長い山道を歩いてみようと思ったのでしょう。
「やってみたかっただけだよ」
 エマはそう答えたそうです。
 そして、2年後の1957年、再びエマはアパラチアン・トレイルを歩き通します。その理由を問われるとエマはこう答えたそうです。
「見おとしたものを、こんどはちゃんと見たくてね」
 この絵本で描かれているアメリカの自然はあたたかみがあり、とてもやさしそうです。きっとエマはおばあちゃんになっても、こんなふうに自然を感じていたんだろうなと思います。(店主)

エマおばあちゃん、山をいく
ジェニファー・サームズ 作
まつむらゆりこ 訳

廣済堂あかつき
本体1800円+税
2018年7月30日発行

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