新潟県上越市の山深い集落の生活を描いた写真絵本です。コンビニエンスストアやお店はありません。生活に必要なものは自分たちで作ったり、山で採ってきたりします。
その集落は、中ノ俣と呼ばれている地域にあります。100人に満たない人口です。現在、子どもは住んでおらず、普段はお年寄りだけの暮らしです。
一番近い高田という町に行くにも自動車で30〜40分かかります。いくつもの峠を超えて行かなければなりません。峠道は急なカーブの連続です。冬は雪が2メートル以上積もります。中ノ俣は冬になると、雪で覆われた陸の孤島になるのです。
でも、辛いことばかりではありません。初夏のころ、畑の周りに白い百合の花が咲き乱れ、その美しさに人々は畑仕事の疲れも忘れたそうです。雪が降っても、保存しておいた山菜や野菜の煮物を持ち合い、おしゃべりを楽しみます。中ノ俣から笑い声が消えることはありません。そこで暮らすおじいさんやおばあさんは、今でも山里の生活を心から楽しんでいます。(店主)
山里でくらす 中ノ俣の一年(たくさんのふしぎ2021年5月号)
佐藤秀明 文・写真
福音館書店
2021年5月1日発行
定価770円(本体700円+税10%)
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