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2018年11月10日土曜日

11月の「YAの本を読む会」に参加しました!




 会留府で開かれている「YAの本を読む会」に参加しました。今月取り上げた作品は「パンツ・プロジェクト」(キャット・クラーク、三辺律子訳、あすなろ書房)でした。主人公はアメリカの中学生のリヴ。リヴは、外見は女の子でも心は男の子のトランスジェンダーです。
 リヴが行くことになったバンクリッジ中学は私立で「このあたりではいちばんいい学校」。でも、厳しい校則があり、服装規定で「女子」はスカート着用が必須とされていました。自分のことをトランスジェンダーと理解しているリヴにとってスカート着用は耐えられないルールです。
 リヴは服装規定の見直しに向けて行動を起こします。その名も「パンツ・プロジェクト」。ズボンの着用も認めてほしいという願いが込められています。いじわるなクラスメイトもいますが、まっすぐに行動するリヴの生き方は確かな共感を集めます。
 性の多様性については、LGBTという言葉が一般的に使われるようになるなど、社会の理解もずいぶん広がったように思います。でも、日本ではまだまだ不十分と思われる事態も発生しています。また先進的と思われるアメリカでも同様な状況はあり、リヴも自分らしく生きてゆくためには大きなハードルを超えなければなりませんでした。この作品はリヴの成長も心地よく描いています。
 LGBTは「レズビアン」「ゲイ、バイセクシュアル」「トランスジェンダー」の頭文字を集めた表記です。最近はこれにQをつけて、LGBTQと表記することが多くなったようです。Qは「クエスチョニング」を指し、自分の性、あるいは性的指向に確信が持てない人のことです。
 「YAの本を読む会」は毎月第2木曜日に千葉市にある児童書専門店の会留府で開かれます。今回は11月8日の開催でした。YA(ヤングアダルト)の作品を毎回1冊取り上げ、参加者同士で語り合います。(店主)

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