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2017年12月7日木曜日

【本の紹介】こめだしだいこく(こどものとも2018年1月号)



 七福神の大黒天としてお馴染みのだいこくさまが主人公の昔話です。おじいさんがにぎりめしを食べられてしまいました。食べたのは、畑の中で土に埋もれていただいこくさまの像です。だいこくさまは「すまんのう」と謝り、役に立つからといって自分を持ち帰るように言います。
 おじいさんと二人暮らしのおばあさんは、土だらけのだいこくさまを見て綺麗に洗ってあげました。だいこくさまは床の間に飾られると、鼻の穴を開けてくれと言います。土が詰まって苦しそうです。おばあさんがほじってあげると、なんと不思議なことに、そこからお米がぽろりぽろりと落ちてきました。それから毎日、二人で食べるには十分なほどのお米が出てくるようになりました。
 その話を聞いた隣村のおじいさんとおばあさんは、だいこくさまを貸してくれと頼みます。家に持ち帰ると、鼻の穴からお米が落ちてきました。でも、もっとお米が欲しいといって穴を大きくしようとします。二つの鼻の穴は、いつの間にか一つの大きな穴になってしまいました。大きくなった穴からは、いったい何が出てきたでしょうか。
 表紙には愛媛の昔話と書かれていますが、編集部だよりを読むと、愛媛と大分にまたがる瀬戸内に伝わる昔話だそうです。大分生まれの大黒みほさんが、伊予、つまり愛媛の言葉で再話しました。だいこくさまの鼻の穴が土で詰まっていたり、それをほじくるとお米が出て来たり、お米がたくさん欲しいから鼻の穴を大きくしたり、昔話の発想は本当に大胆で楽しいと改めて思います。(店主)

こめだしだいこく(こどものとも2018年1月号)
大黒みほ 再話
斎藤隆夫 絵

福音館書店
2018年1月1日発行
本体389円+税

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【本の紹介】イヌワシつかいのエルジャン

 モンゴルの高地に住む子どもの成長を描いた絵本です。そこではイヌワシを使う狩りが古くから行われていました。子どもの「エルジャン」は父親に習い、イヌワシつかいへの道を歩み始めます。  お話はイヌワシのヒナを捕まえに行くところから始まります。イヌワシをヒナから育てあげ、狩りができるよ...