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2017年12月17日日曜日

【本の紹介】チューリップ畑をつまさきで



 銅版画家の山本容子さんが初めてお話も手がけた絵本です。チューリップの花をモチーフに、どうしたら人々が幸せな気持ちになるのか、その秘密を解き明かします。
 春がはじまり、森のチューリップ畑はにぎやかになります。花が咲いたチューリップは歌いながらお散歩を始めました。この畑のチューリップは歩けるのです。
 花が咲き終わった夏、畑の土の下には子どものキューコンがいます(チューリップの球根ですね)。2人の仲良しの女の子で、名前はカオリとバナナです。秋になると頭にターバンを置いた鳥のキューコンチョーやって来て、くちばしを地面に突っ込んで跳ねあげました。カオリとバナナは空にぽーんと浮かび上がり、ターバンの中におさまりました。カオリとバナナの冒険が始まります。
 山本容子さんの幻想的な絵とともに、物語がダイナミックに進みます。一つの場面で同じ登場人物を複数描き、まるで音楽が聞こえるようにリズミカルな動きを表現しています。独特の美しい色調で、ページをめくるたびに絵本の世界に引き込まれていくようです。(店主)

チューリップ畑をつまさきで
山本容子

偕成社
本体1500円+税
2017年10月発行

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