オーストラリアの先住民族に伝わる昔話の絵本です。昔話らしい奇想天外なお話の展開をダイナミックに描かれた絵とともに楽しみましょう。
昔々、世界がまだ若かったころ、大地は赤く、森は緑に輝いていました。でも、そこに住む鳥たちは石炭のように黒い羽しか持っていませんでした。ある日、ハトが木の枝先を足に刺して傷を負います。仲間の鳥たちは一生懸命励まします。でも、カラスだけは遠く離れて、冷たく眺めるだけでした。
ハトの傷はいっこうに治らず、やがて腫れ上がってしまいます。ところが、膨らんだ傷口にインコがぶつかったことをきっかけに、そこから七色のしぶきが飛び出して、鳥たちの羽を美しく彩りました。ハトも白い姿になり、元気に立ち上がりました。さて遠く離れていたカラスはどうなったのでしょう。お分かりですね。今でも真っ黒な姿のままでした。
オーストラリアの先住民族はアポリジナルと呼ばれています。オーストラリアは広く、熱帯雨林から乾燥地帯まで、多様な土地が存在します。アポリジナルの人々の暮らしや文化、言語も、住む土地によってさまざまです。この絵本は、西オーストラリア州キンバリー北西部ダンピア半島に住むバルディと呼ばれる人々に伝わるお話が元になっています。(店主)
色とりどりの鳥 オーストラリア アポリジナルのおはなし
ほそえさちよ 再話
たけがみたえ 絵
玉川大学出版部
2021年4月15日発行
定価:2750円(本体2500円+税10%)
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