タイトルの「深海魚」、そして表紙の写真を見てちょっとひるみました。グロテスクな姿のイメージが頭に浮かびます。でも、読み進めると、これが面白い。さあ深海魚の世界をのぞいてみましょう。
魚屋さんでお馴染みのキンメダイやマダラも、れっきとした深海魚だそうです。深海魚にぐっと親しみが湧いてきます。プロテニスプレーヤーの錦織圭さんも好きだというアカムツ(別名ノドグロ)も深海魚です。
深海魚は脂がのって美味しく食べられる魚が多いそうです。深海魚は大きな圧力を受けるので、魚の体内にある風船のような器官の「うきぶくろ」が小さくなり、そのかわりに脂を筋肉に蓄えるようになりました。脂は水より軽く、うきぶくろの代わりになるので、魚は沈んでしまうことなく泳げるようになるという訳です。
深海魚にはまだまだ謎に包まれているところが多いそうです。釣って、食べて、調べて、謎を解き明かしたら、また次の謎に出会う。この絵本の中で作者の平坂寛さんは「深海魚の研究はまるで宝探しだ」といっています。(店主)
釣って 食べて 調べる 深海魚
平坂寛 文
キッチンミノル 写真
長嶋祐成 絵
福音館書店
2021年7月1日発行
定価770円(本体700円+税10%)
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