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2020年3月27日金曜日

【本の紹介】森のあかちゃん



 最初に読んだとき、不思議なお話の展開に戸惑うでしょう。でも、美しい絵に引き込まれ、この絵本の世界で幸せな気持ちに浸ることができます。
 お月さまが明るい夜、ある星から光が降りてきます。光は山を越えて森に入り、木の枝と枝の間を飛び跳ねて、「森のこみち29ばんち」まで行きました。
 森のこみち29ばんちに住んでいるのは、クマのおとうさんとおかあさん。二人が待ち望んでいたものが届けられたのです。それは、あかちゃんでした。でも、このあかちゃんは透き通った鉢の中にいます。鉢には水がたっぷり入っています。あかちゃんは、水の中で泳ぐさかなだったのです。
 ある家族がこの絵本のモデルになりました。養子に迎え入れた赤ちゃんが、やがてアラン・ハーンドン・ダドリー症候群(AHDS)という非常に稀な脳の難病を発症した家族です。この家族の子どもは、まるで魚のように水の中にいることが大好きだそうです。絵本ではクマのおとうさんとおかあさん、そして森の仲間たちが、さかなのあかちゃんと一緒に楽しく過ごせる場所を見つけます。もちろん、そこは水の中。一緒に飛び込めない仲間もいるようですが、さかなのあかちゃんはとても幸せそうです。(店主)

森のあかちゃん
文/コゼッタ・ザノッティ
絵/ルチア・スクデーリ
訳/佐藤まどか

BL出版
2019年6月20日発行
本体1600円+税

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