ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2019年5月11日土曜日

【本の紹介】こんとん




 この絵本に描かれている「こんとん」は白い毛むくじゃらの動物のような姿をしています。こんとんはいつも空を見上げて笑っているそうです。
 こんとんのことろに、南の海の帝と北の海の帝がやってきます。二人の帝に問いかけられても、こんとんは空を見上げて笑うだけ。二人の帝は、こんとんに二つの目、二つの耳、二つの鼻の穴、そして口になる七つの穴をつくってあげました。
 すると、こんとんは大きな体を震わせ、ばったり倒れてしまいます。そして、そのまま二度と立ち上がれなかったそうです。自分の目で見て、耳で聞いて、鼻で嗅いで、口で語る。それは大変なことだったのだろうと、お話の語り手が伝えます。これでこの絵本のお話はおしまい。
 とても不思議なお話です。お話の語り手は、いつも空を見上げて笑っていたというこんとんが好きだといいます。こんとんとは、きっと「混沌」のことでしょう。混沌としているような世界でも、空を見上げて笑えば、きっと希望が見えるのだと思います。(店主)

こんとん
夢枕獏 文
松本大洋 絵

偕成社
本体1600円+税
2019年2月発行

0 件のコメント:

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...