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2018年3月4日日曜日

【本の紹介】ほうまんの池のカッパ




 鹿児島県の種子島に伝わる昔話の絵本です。とらまつという力自慢の男が10匹のカッパたちと戦います。奇想天外なストーリーと結末。赤羽末吉の迫力ある絵が読む人をグイグイひきつけます。
 魚釣りに出かけたとらまつは、見事な鯛をびくいっぱいに釣り上げて、ますます大いばりです。釣った魚を持ってほうまんの池に近づくと、足が地面について動けなくなります。すると、地面から生えるようにたくさんの手が出てきて魚を取られてしまいます。カッパの仕業でした。とらまつとカッパの戦いの火蓋が切って落とされました。
 種子島には実際に宝満(ほうまん)の池という大きな淡水湖があるそうです。昔からその周辺は宝満神社の聖域とされ、今でも自然が色濃く残り、不思議な昔話の舞台にぴったりの神秘的な場所のようです。
 赤羽末吉は自らの著作の「絵本よもやま話」(偕成社)にこの絵本ができた経緯を書いています。文を書いた椋鳩十からこの昔話を聞いたとき、直射日光が強いところでカッパが活躍することを意外に思ったそうです。赤羽もすっかり気に入ったことで、絵本の制作はトントントンと進みました。絵を見ても、赤羽がノリに乗って描いたようすが目に浮かびます。本書は1975年に銀河社から発刊された作品を復刊しました。(店主)

ほうまんの池のカッパ
椋鳩十 文
赤羽末吉 絵

BL出版
本体1400円+税
2018年2月1日発行

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