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2017年8月25日金曜日

【本の紹介】ごちそうの木



 色鮮やかなこの絵本はティンガティンガ・アートという技法で描かれています。ティンガティンガ・アートは、1960年代のタンザニアで生み出されたポップアートの技法です。名前は創始者である画家のエドワード・サイディ・ティンガティンガに由来します。6色のエナメルペンキによる絵は、強いインパクトがありながら素朴な印象を与え、私たちの目を引きつけます。
 作者がタンザニアの昔話を絵本にしました。タンザニアでも、近代化に伴い、昔話を知っている人は少なくなってきているようです。作者は昔話の収集も精力的に行っています。
 大勢の動物たちが木を囲む場面からお話が始まります。日照りが続き、作物が採れないので、みんなおなかがペコペコです。木にはおいしそうな実をつけていますが、なかなか落ちてきません。そこで動物たちは、実を採る方法を賢い亀に聞くことにしました。大きな動物たちが代わる代わる亀を訪ねます。亀は「あのごちそうの木なら、名まえをとなえれば、実をおとしてくれるよ」といい、木の名前も教えてくれました。でも、大きな動物たちは聞くたびにその名前を忘れてしまいます。
 最後は小さな動物のノウサギが登場して幸せな結末を迎えます。昔話らしく、同じパターンのお話が繰り返されます。作者のジョン・キラカさんは7月下旬から8月にかけて来日し、各地でイベントが開かれました。これをきっかけにアフリカの絵本も広く紹介されることを期待したいと思います。

ごちそうの木
ジョン・キラカ 作
さくまゆみこ 訳

西村書店
本体1500円+税
2017年8月3日発行

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