ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2015年12月25日金曜日

【本の紹介】おくりものはナンニモナイ

おくりものはナンニモナイ
あすなろ書房

パトリック・マクドネル
谷川俊太郎[訳]

 ムーチは猫です。大好きな友だちは犬のアール。いつもと違う日、ムーチはアールに贈り物をしたかったのですが、何でも持っているアールに何をあげたらよろこばれるのかわかりません。
 ムーチは一生懸命考えました。そして思いついたのが「ナンニモナイ!」。でも、ナンニモナイって、どこにあるの?
 ムーチはナンニモナイを探しに買い物に出かけました。でも、ナンニモナイなんて、どこにも売っていません。でもムーチが探すのをやめたとき、ナンニモナイがみつかりました。ムーチの贈り物に、アールも大喜びでした。
 満ち足りているはずなのに、いつもみんなが「ナンニモナイ」といっている。何でもあるはずなのにナンニモナイ。物が溢れる社会の中で、私たちは一体どうしたら本当に満足することができるのでしょう。この絵本がそれを考えるきっかけになるかもしれません。シンプルながら、生き生きと描かれたキャラクターも魅力的です。


2015年12月24日木曜日

【本の紹介】クリスマスイブの木



クリスマスイブの木
BL出版

デリア・ハディ/文
エミリー・サットン/絵
三原泉/訳

 クリスマスイブには奇跡が起こります。さあ、どんな奇跡が起こったのでしょう。丘いっぱいに広がるモミの森からお話が始まります。
 森のモミの木は、大きくなったらクリスマスツリーになります。でも、その中にしっかり植えてもらえなかった木がありました。そのせいで、のびのびと大きくなることができません。小さなモミの木はおとなりさんの大きな木にからまったままデパートに運ばれます。
 クリスマスイブの晩、危うく捨てられそうになったモミの木は鉄道橋の下で暮らしている貧しい男の子にもらわれます。男の子がモミの木にキャンドルを立てると、たくさんの人たちがその周りに集まって来ました。なんて素敵なクリスマスイブ。でも、奇跡が起こるのはその後です。
 ほのぼのとした暖かい雰囲気が魅力の絵本です。細部まで描かれ、色づかいが魅力的な絵からは多くの物語が読み取れるように思います。

【本の紹介】ホワイトクリスマス「雪」

ホワイトクリスマス「雪」
岩崎書店

ウォルター・デ・ラ・メア 詩
カロリーナ・ラベイ 海後礼子 訳

 雪は周りの音を吸い取ってしまうかのように、白い静かな世界をつくります。絵本の中では、しんしんと雪が降る中、一羽のこまどりが木の枝に止まっています。こまどりの歌声が聞こえてきました。それは一編の詩となって私たちの心に響きます。
 でも、冷たいだけの世界ではないようです。こまどりの顔から胸にかけての赤、集落を作る家々の屋根の赤が私たちをほっとさせてくれます。そして、赤い煉瓦の家では3人の子どもたちが、おとうさん、おかあさん、そして一匹の犬とクリスマスイブを迎えました。
 子どもたちが寝静まったイブの夜、雪が降る空からサンタクロースがやってきました。夜が明ければクリスマス。プレゼントを開けて大喜びの子どもたちは、積もった雪にわくわくしながら外に飛び出します。たっぷり遊んだ夕暮れの空に、冬の光がひとすじ浮かび上がりました。
 こまどりに導かれ、どこか幻想的なホワイトクリスマスをたっぷり味わえる絵本です。

2015年11月20日金曜日

【本の紹介】にしきのなかの馬

やえがしなおこ作
つかさおさむ絵
童心社

 昔々の物語です。あやという娘と馬の三郎をめぐる不思議なお話です。
 あやは、ある村の長者の娘です。美しくやさしい娘に育ったあやが15歳のとき、母親が亡くなりました。泣いてばかりいたあやのところにきたのは、歩き始めたばかりの一頭の子馬。「おめもかかさまとわかれてさみしいべ」とあやは言い、三郎と名付けられた子馬を大切に育てました。
 あやは大きく立派に育った三郎といつも一緒。結婚してお婿さんをもらうこともいやだと言います。困った父親は三郎を売ってしまいました。別れ別れになったあやと三郎ですが、夢の中で再会を果たします。でも、その幸せも、いつまでも続きません。あやと三郎が再び一緒に暮らせる日々は来るのでしょうか。
 民話を題材に創作した「創作民話」の絵本です。コンピュータグラフィックスで描かれたという透明感のある美しい絵を通じて、幻想的な世界に引き込まれてしまうでしょう。

2015年11月12日木曜日

【本の紹介】さあ、とんでごらん!

さあ、とんでごらん!
岩崎書店

サイモン・ジェームズ=さく
福本友美子=やく

 季節は秋。冬は間近です。公園の大きな木は、すでにほとんどの葉が落ちています。よく見ると、枝の上に小鳥の巣があります。巣の中に子どもの小鳥、そして親鳥もそばにいます。
 多くの鳥たちが暖かい南の国に向います。それを見ながら親子の小鳥たちが話を始めます。子どものジョージにママが言いました。「ジョージもとぶれんしゅうをしようね」。でもジョージはうまくできません。それに、空を飛ぶことはまだ怖いのです。
 ママに虫をおねだりしたジョージが一人で待っていると、突然強い風が吹き始めました。ジョージの巣が吹き飛ばれ、木の枝から落ちていきます。さあ、たいへん。まだジョージは飛ぶことができないのに、これからどうなってしまうのでしょう。
 ドキドキしながら読み進めて行ける絵本です。街を空中散歩しているみたいで、とても楽しい。軽いタッチで描かれた小鳥たちにも親しみを感じます。

2015年11月4日水曜日

【本の紹介】この世でいちばんすばらしい馬

この世でいちばんすばらしい馬
徳間書店

チェン・ジャンホン作・絵
平岡敦訳

 絵の素晴らしさに圧倒されてしまいます。8世紀の中国に実在した画家のハン・ガンと、ハン・ガンが描いた馬の物語です。
 ハン・ガンは少年の頃から絵を描くことが大好きでした。でも貧しい家に生まれ、絵筆も紙も買えませんでした。食堂で出前の仕事をしていたハン・ガンは有名な画家のワン・ウェイの家に行き、立派な馬を見て、思わず地面に馬の絵を描きます。その絵がワン・ウェイに認められ、絵を勉強することができるようになりました。その評判が皇帝にも届き、宮廷の絵師になるための学校に行くようになりました。
 ハン・ガンが描くのは馬の絵ばかりでした。そして、不思議な噂が流れ始めます。その噂を聞き、一人の武将がハン・ガンを訪ねてきたことから、物語は大きく展開し始めます。
 ページをめくるごとに、力強く迫力のある絵が読者を引きつけます。そして、作者の思いが私たちに伝わって来るのです。

2015年10月30日金曜日

【本の紹介】チーター大セール

チーター大セール
絵本館

高畠那生
 通りに小さな屋台のお店があります。店主のチーターが「ぼくのおみせはいつもひま」とぼやいています。お店では絵葉書や雑誌、色を塗るペンなどを売っているようですが、お客さんがなかなか来ないようですね。
 そこに一人のお客さんがやってきて店主に言いました。「あなたのくろいもようをくださいな」。さあ、それから奇想天外な楽しいお話が続きます。お店は大繁盛するのですが、店主のチーターはどうなってしまうのでしょう。
 大胆な色使いと大きく広がる構図の絵に引き込まれます。外国のような街並みが描かれ、こんなところを散歩してみたくなります。
 とぼけた表情のチーターは魅力的なキャラクター。おしゃれなお客さんが来てくれて、チーターもだんだんおしゃれになっていくみたいです。

2015年10月26日月曜日

【本の紹介】あーと いってよ あー

あーと いってよ あー
福音館書店

小野寺悦子 ぶん
堀川理万子 え

 声を出してみる。それだけでこんなに楽しく遊べることに驚いてしまいます。
 絵本に合わせて「あー」と言ってみましょう。上を向いて言ったり、下を向いて言ったり、両手を広げて言ったりすれば、「あー」がいろいろな形に見えています。
 口を叩いて言えばどうなるのでしょう。胸を叩いて言ったら、もっと面白くなりそうです。
 うれしい時や失敗してしまった時、怒った時、同じ「あー」でも違って聞こえるのは何故でしょう。
 最後は一番いい声で「あー」。蛙もうっとりしていますが、自分もうっとりしてしまうに違いありません。
 みんな一緒に「あー」と言えば、みんなと仲良くなれそうです。題名も素敵な絵本です。


2015年10月23日金曜日

【本の紹介】ハロウィーンってなあに?

ハロウィーンってなあに?
主婦の友社

作 クリステル・デモワノー
訳 中島さおり

 もうすぐ「ハロウィーン」です。今では日本でもすっかりお馴染みになったハロウィーン。魔女になったりお化けになったり、怖い格好をして街を歩き回る若い人たちが目につくようになったのはいつごろからでしょうか。
 私がハロウィーンで思い出すのは、チャーリー・ブラウンやスヌーピーが登場するアメリカ漫画の「ピーナッツ」。ハロウィーンの夜は、かぼちゃ畑から「かぼちゃ大王」が出てくると恐れられていたように記憶していますが、何のことかよくわからないまま、これまで過ごしてきてしまいました。
 そこで手にしたのがこの絵本。魔法使いの女の子、ビビがおばあちゃんの家に行き、「ハロウィーンって、なあに?」と聞きました。「じゃあ、教えてあげようね」とおばあちゃん。ハロウィーンの楽しみ方を教わったビビは、早速友だちを呼んで準備に取り掛かりました。
 おばあちゃんが「さあ、これからがお楽しみ!」というと、ビビたちの楽しいハロウィーンの夜が始まります。どんなハロウィーンになるのでしょう。決め言葉は、みなさんもうご存知ですね。
「おかし くれなきゃ いたずら するぞ!」

2015年10月16日金曜日

【本の紹介】はるにれ

はるにれ
福音館書店

写真 姉崎一馬

 広い草原に立つ一本のはるにれの写真集です。扉のページをめくると、季節は秋。空は青く、高く、そして雲がうっすらと広がり、黄金色に輝く草原との色のコントラストに心打たれます。
 淡い夕焼けに導かれてページを進めれば、季節は冬。すっかり葉を落とした枝が広がり、吹く風の音も聞こえてくるようです。草原は雪景色。でも、はるにれの木は誇らしげに立っています。雪の草原が見せてくれる、いろいろな表情を楽しみましょう。
 少しずつ、草原のようすは変わっていきます。すでに雪も無くなりました。春は一気にやって来ます。葉が茂る枝の間、木洩れ陽がまぶしい。一面緑の草原に、はるにれの木もうれしそうです。
 写真だけで構成された絵本です。めぐりゆく季節の中で、はるにれが何を考えているのか、想像してみるのも楽しそうです。


2015年10月15日木曜日

【本の紹介】わたしのひみつ

わたしのひみつ
童心社

石津ちひろ さく
きくちちき え

 主人公の女の子は、鉄棒が苦手です。でも、塀の上を猫みたいに歩けます。給食は半分しか食べられないけど、りんごだったら3つ続けて食べられます。鍵盤ハーモニカは上手に弾けないけど、知っている歌なら誰よりも元気な声で歌えます。そして、仲間はずれにされることがあっても、ありさんたちとはいつまでも仲良く遊べます。
 夜は怖くて、一人ではトイレに行けません。でも、キャンプのとき、星を見ながら眠るのは好き。星を見ながら願うことは、いつか空を飛ぶこと。そのとき、ひみつにしていた奇跡が起こります。
 のびのびと描かれた絵も素敵です。鮮やかな色の変化で夢の世界に引き込まれてしまいます。夢の世界を体験することで、子どもたちも健やかに成長していきます。
 女の子はちょっと変わった子なのでしょうか。きっと、そうではないでしょう。作者の石津さんは、この絵本の28歳の読者からお手紙をいただいたそうです。そこには「小さかったころの自分に読ませてあげたい」と書かれていたそうです。

2015年10月13日火曜日

【講演会】石津ちひろ「絵本のたのしみ ことばのたのしみ」

石津ちひろ講演会「絵本のたのしみ ことばのたのしみ」
石津ちひろ氏

2015年10月10日(土)午後2時
千葉県習志野市・習志野市民会館

 絵本作家・詩人・翻訳家としてご活躍の石津ちひろさんの講演会が、千葉県習志野市の習志野市民会館で開かれました。絵本や詩などご自身の作品を朗読されたほか、回文作りなどの言葉遊びも教えてくださいました。会場の参加者も、楽しいひとときを過ごすことができたようです。
 回文(かいぶん)とは、例えば「たけやぶやけた(竹藪焼けた)」などのように始めから読んでも終わりから読んでも同じ文字列のこと。石津さんは会場から出された「こすもす」をお題に、「にここすもすここに(二個コスモスここに)」という回文をあっという間につくってしまいました。
 石津さんは「言葉を楽しむことは、言葉を大切にすること」とお話されました。また言葉を大切にすることが「自分自身や友だち、そして人生を大切にすること」につながると話されています。
 笑顔が素敵な石津さんの絵本には、言葉を大切にする作者の思いが込められていることをあらためて感じました。


2015年10月9日金曜日

【本の紹介】よあけ

よあけ
福音館書店

ユリー・シュルヴィッツ 作・画
瀬田貞二 訳

 扉のページで、月夜であることが分かります。さあ、ページをめくりましょう。
 読者は暗い夜の世界に引き込まれます。でも、ほのかに明るく見える空。そして、それを映すのは湖でしょうか。
 寒く湿ったの近くに木も見えてきました。木の下にはおじいさんとその孫が、毛布に包まれて寝ています。月が輝きます。木の葉がきらめきました。ボートもあるようです。静かに時が流れます。
 鳥が鳴き始めました。おじいさんが起きて、孫を起こします。火を焚いて、朝ご飯を済ませたのでしょう。湖にボートを漕ぎ出しました。そのとき、世界があざやかに一変します。
 柔らかいタッチの絵が、しっとりとした山の空気をリアルに伝えています。その空気の濃さをたっぷり味わってみてはいかがでしょう。ダイナミックな色の変化から、時の流れの躍動感も受け止めることができるように思います。


2015年10月5日月曜日

【本の紹介】おまえをたべちゃうぞーっ!

おまえをたべちゃうぞーっ!
岩崎書店

トニー・ロス 作/絵
神島統夫 訳

 怪獣が表紙を破って今にも飛び出しそうにしています。毛むくじゃらの体に緑の角、真っ赤なベロと鼻、吸い込まれそうな口。食べられちゃったら大変です。
 怪獣は宇宙船に乗ってやってきます。大人しいバナナ星人が住む小さな星に着陸しました。ムシャムシャ食べられて、バナナ星人がかわいそう。そして、山をガリガリ、海をガブガブ、とうとう星までガツガツと食べ始めました。でも、星の芯は熱いから、北極と南極は寒いから残すそうです。星は、まるで丸かじりされた後のリンゴみたいになってしまいました。
 怪獣は出会った星を片っぱしから食べてしまいます。とうとう地球を見つけました。宇宙船のレーダーにトミー坊やが映ると「たべちゃうぞーっ!」とわめきました。トミー坊やも食べられちゃうのかな?
 宇宙の果てから始まるお話のダイナミックな展開を楽しみましょう。柔らかいタッチの絵もお話の流れを効果的に表現しています。恐そうだけど、ユーモラスな怪獣はどこか憎めません。

2015年10月2日金曜日

【本の紹介】ちいさいおうち

ちいさいおうち
岩波書店

ばーじにあ・りー・ばーとん ぶんとえ
いしいももこ やく

 小さいお家の物語です。昔々、田舎の静かなところに建てられました。綺麗で丈夫なお家です。
 小さなお家は長い間、周りの景色を眺めながら幸せに暮らしました。夜、遠いところに街の灯りが見えました。お家は「まちって、どんなところだろう」と思いました。
 時はどんどん経っていき、周りの景色も変わってしまいます。広い道路ができてお家もたくさんできました。「ここは、もうまちになってしまったのだ」と小さなお家は思いました。でも、街は好きになれないような気がしました。
 小さなお家の嬉しそうな顔、そして悲しそうな顔。表情の変化に心が打たれます。
 私たちが暮らす環境は少しずつ、でも確実に変わってきています。それを進歩と呼び、無条件で受け入れてよいのか、真剣に考えなくてはいけない時代になりました。私たち一人ひとりは小さな存在であり、私たち自身が小さなお家なのだと思います。

2015年9月30日水曜日

【本の紹介】おさる日記

おさる日記
偕成社 

和田誠 文
村上康成 絵

 船乗りのおとうさんからお土産にもらったのは小さいお猿でした。この日記は、おとうさんに抱っこされたお猿と「ぼく」が初めて会ったときから始まります。
 お猿に名前を付けました。おかあさんと相談して「もんきちしました。もんきちはブランコに乗れるようになるし、バナナを自分で剥いて食べられるようになるし、どんどん成長していきます。
 ぼくは学校で理科の時間に、魚がとかげになり、とかげが毛ものになってお猿になり、お猿が人間になったとうお話を聞きました。もんきちも毛は薄くなるし、尻尾も短くなって、だんだん人間になるみたい。
 日記形式でテンポ良くお話が進みます。もんきちの成長ぶりもかわいらしい。お話の最後は子供も大人もちょっとびっくり。読み終わっても、どきどきしてしまう楽しい絵本です。

2015年9月29日火曜日

【本の紹介】野鳥が集まる庭をつくろう

野鳥が集まる庭をつくろう
誠文堂新光社

藤井幹・井上正秀 共著

 わが家の庭にも、小鳥がやって来ます。スズメ、ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラがお馴染みのメンバー。小鳥たちは木の葉の間でかくれんぼに忙しく、なかなかじっくりその姿を見せてくれません。でも、チュンチュンと鳴いて、来ていることを知らせてくれます。窓に近づいてそうっと外をながめてみれば、愛らしい小鳥たちに心癒されます。
 木があり、花が咲き実がなれば、小鳥たちは特に何もしなくても来てくれるのかもしれません。さらに一工夫、手を加えることで、もっと小鳥たちが集まるようになります。どうしたらよいのか、この本と一緒に考えてみましょう。
 小鳥を庭に呼ぶときはちょっと注意も必要です。人に迷惑をかけてしまうと、その楽しみも台無し。この本は何に気をつけたらよいのかも教えてくれます。
 小鳥を大事にすることは、小鳥が住み、そして私たちが住む環境を守ることになります。小鳥と遊びながら気持ちの良い庭をつくるって、素敵なことだと思いませんか。


2015年9月24日木曜日

【本の紹介】がたんごとん がたんごとん

がたんごとん がたんごとん
福音館書店

安西水丸 さく

 「がたんごとん」とやってくるのは、凛々しいお顔の機関車です。荷物を乗せる貨車が3つ。どこに行くのでしょう。
 「のせてくださーい」。次々にお客さんが乗ってきます。終点に着いて、みんなが降りると、そこには待っていたのは小さな女の子。何やら楽しいことが始まりそうです。
 黒一色の機関車をはじめ、とてもシンプルな絵で構成されています。お客さんが次から次へと乗ってきます。繰り返されるお話の展開に、小さいお子さんでもわくわく楽しめそうな絵本です。
 機関車は緑の草原を走っているように見えましたが、本当はお部屋の中だったのでしょうか。絵本の中では、限られた空間も無限に広がります。終点に着いた後、機関車は「さようなら」と言いながらどこかに行ってしまいます。さて、今度はどこに行くのでしょう。

2015年9月23日水曜日

【本の紹介】おつきさまのうた

おつきさまのうた
岩崎書店

なかじまかおり

 月夜は何故か胸がざわざわしてくることがあります。子どもたちもそうです。どこかそわそわ落ち着きません。部屋の灯りを消して窓の外を見てみましょう。空の青さがだんだん深くなり、こっちにお出でと誘っているようです。我慢できない友だちがやってきました。さあ、散歩に出かけましょう。
 花や草の笑い声が小さく聞こえます。大きな木やそこに住んでいる生き物の息も聞こえます。草原が風で波打ち、暗い森は月の明かりが散らばります。
 耳を澄ませば、また何か聴こえてきます。見上げれば、そこにいるのはお月さま。何が聴こえてきたのでしょう。
 夜のお散歩はちょっとこわいかもしれない。でも、明るいときとは違う何かがあるかもしれない。子どもたちは好奇心に後押しされ、自分の世界を広げていきます。


【ギャラリートーク】「なかじまかおり*本のしごと」

ギャラリートーク「なかじまかおり*本のしごと」
なかじまかおり氏

2015年9月19日(土)午後2時
東京都大田区・ティールグリーン in シードヴィレッジ

 装丁家として多くの書籍を手がけたなかじまかおりさんは、絵本作家としてもご活躍です。東京・大田区の絵本のお店、ティールグリーン in シード・ヴィレッジでなかじまさんのギャラリートークが開かれました。
 なかじまさんは絵を描くことについて、自分の中にしか「正解」がないと話しています。絵は自分の遊び心や楽しいと思ったことが表現されているものだから。そして、例えば雨上がりの夜、マンションの中庭に飛んできた蝶々を見つけたときに幸せを感じ、自然から多くのものを与えられていることに気づいたそうです。
 どこかから自分の中に落ちていくるそうした幸せを、なかじまさんは絵にしているのです。「自然からもらっているものをお返ししたい。なんとなくそう感じています」とも話されました。なかじまさんの絵本を読む人が笑顔になる理由がわかったような気がします。
 なかじまさんはNHK「みんなのうた」で放送された「おつきさまのうた」の作詞も手がけました。同じタイトルの絵本も出版されています。


2015年9月18日金曜日

【本の紹介】スーホの白い馬

スーホの白い馬
福音館書店

大塚勇三 再話
赤羽末吉 画

 これはモンゴルのお話です。主人公はスーホという羊飼いの少年。そして、スーホが大事に育てた白い馬です。ある日、スーホが草原で生まれたばかりの白い子馬を見つけて、家に連れて帰ったところから物語が始まります。
 子馬は雪のように白く、誰もが見とれるほどでした。スーホは白馬がかわいくてたまりません。白馬はかわいいだけではありません。羊を襲う大きなおおかみとも勇敢に戦う力も持っていました。
 ある年の春、殿様が町で競馬をするという知らせが伝わってきました。仲間たちから白馬と競馬に出るよう勧められたスーホは、見事一等になりました。でも白馬を殿様に取られてしまいます。この先、スーホと白馬にはどんな運命が待っているのでしょう。
 迫力のある絵でダイナミックに描かれたモンゴルの草原や町のようす。まるで映画をみているようにイメージが広がっていく絵本です。


2015年9月17日木曜日

【講演会】「『スーホの白い馬』ーモンゴルにかかる二重虹と画家赤羽末吉の人生」

講演会「『スーホの白い馬』ーモンゴルにかかる二重虹と画家赤羽末吉の人生」
赤羽茂乃氏

2015年9月12日(土)午後2時
千葉県習志野市・大久保公民館

 ロングセラー絵本の「スーホの白い馬」は、世界の多くの国でも子ども達に読み継がれているそうです。その魅力はどこにあるのでしょう。絵を描いた赤羽末吉氏のご子息の妻である赤羽茂乃氏が、絵に込められた画家の思いをお話されました。
 嘘は描かない。赤羽末吉が絵を描くときにいつも心がけていたことの一つです。モンゴルが舞台の「スーホの白い馬」でも、その姿勢は徹底されています。
 末吉は中国の旧満州で長年暮らし、モンゴルにも出かけて多くのスケッチを写真を残しました。大陸のおおらかさ、力強さに惹かれた末吉は、その魅力を子どもたちに伝えるとき、その真実の姿を描くことが不可欠と考えたのでしょう。旧満州から命がけで持ち帰った資料が大いに役立ちました。子どもたちも絵からリアリティを感じ取り、その魅力を理解したのだと思います。
 末吉は中国への深い尊敬と愛情を持ち続けました。そして日本人として、戦争に対する中国への責任も強く感じていました。赤羽末吉は絵本を通じて、平和の大切さも伝えたかったのだと思います。


2015年9月11日金曜日

【本の紹介】しょうぼうじどうしゃ じぷた

しょうぼうじどうしゃ じぷた
《こどものとも》傑作集
福音館書店

渡辺重夫 さく
山本忠敬 え

 ある街の消防署の隅っこに、ジープを改良した消防車のじぷたがいました。じぷたはちびっこでも働き者。小さなおうちの火事では大活躍です。
 でも、大きなビルの火事で飛び出していくのは、はしご車ののっぽくんと高圧車のぱんぷくんと救急車のいちもくさん。のっぽくんは長く伸びるはしごで、高いところから水をかけて火を消してしまうし、窓から人を助けることもできます。ぱんぷくんの力の強いポンプがあれば、火がどんなに熱くても一瞬に消えてしまいます。怪我をした人がいれば、いちもくさんはどこにでもかけつけて、素早く病院に運べることができます。ほかの消防車と並んだじぷたは、ちっぽけでみにくい自分が悲しくなりました。
 そのとき、隣の村で山小屋の火事が起こります。じぷたに出動命令が出ます。じぷたは山火事になるのを止めることができるでしょうか。
 丁寧に描かれた絵は迫力があります。表情豊かな消防車たちの会話も楽しめます。


2015年9月10日木曜日

【本の紹介】すてきな三にんぐみ

すてきな三にんぐみ
偕成社

トミー=アンゲラー さく
いまえよしとも やく

 主人公の三人組は、実はどろぼうです。三人とも黒マントに黒い帽子。今日も、夜になったら山を降り、獲物の馬車を探します。
 人を脅かす道具は3つ。「こしょう・ふきつけ」で馬に目潰し、「まっかなおおまさかり」で車を真っぷたつ、おしまいは「ラッパじゅう」。襲われた人たちは手も足も出せず、宝を取られてしまいます。
 ある日の夜、三人組が襲った馬車には孤児のティファニーちゃんが乗っていました。隠れ家に連れて来られたティファニーちゃんが聞きました。宝の山を「どうするの?」。それまで宝の使い道を考えてもみなかった三人組は相談を始めます。さあ、三人組はいったい何をしたのでしょうか。
 青い背景にうっすらと浮かび上がる黒いどろぼうたち。ちょっと怖いけど、ユーモラスな絵も楽しめる絵本です。

2015年9月9日水曜日

【本の紹介】こんとあき

こんとあき
福音館書店

林明子 さく

 こんは、きつねのぬいぐるみです。おしゃべりもできるし、自分で歩くこともできます。あきがあかちゃんの頃からの友達です。こんはあきと遊ぶことが大好きでした。
 あきが大きくなると、こんもだんだん古くなってしまいました。でも、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」。こんを作ったおばあちゃんに直してもらえるからです。おばあちゃんは「さきゅうまち」に住んでいます。こんとあきは特急電車に乗り、おばあちゃんの家を目指します。
 こんは、お弁当を買いに行ってしっぽをドアにはさまれたり、砂丘で犬にさらわれて砂に埋められたり、散々な目に会います。元気が無くなったこんをおぶっておばあちゃんの家に連れて行ったのはあきでした。こんは、おばあちゃんの家ですっかり元気になりました。そしてお風呂にも入って、できたてのような綺麗なきつねになって帰りました。
 こんとあきの二人だけの旅に胸がどきどきしてしまいます。あきもいろいろなことを経験できた旅でした。


2015年9月7日月曜日

【本の紹介】フレデリック

フレデリック
好学社
ちょっとかわったのねずみのはなし

レオ=レオニ
訳 谷川俊太郎

 牧場を囲む石垣に、おしゃべりな5匹の野ねずみたちが住んでいます。お百姓さんが引っ越してしまい、牧場の納屋は傾き、サイロは空っぽ。もうすぐ冬が来るのに食べ物がありません。野ねずみたちは夜も昼も働き、食べ物を集め始めました。
 ところが、その中でフレデリックだけは何もしません。「こうみえたってはたらいてるよ」とフレデリックは言います。お日さまの光や牧場の色、それから言葉を集めているというのです。みんなが少し腹を立ててしまうのも、仕方がないかもしれませんね。
 冬が来て雪が降り始めます。野ねずみたちは、しばらくぬくぬく楽しく過ごしていましたが、食べ物が無くなるとおしゃべりをする気にもなりません。でもフレデリックが話始めると、不思議なことにお日さまのあたたかい光が感じられ、たくさんの色が見えてきました。言葉は詩になってみんなの心に響きます。
 ちょっぴり得意げなフレデリックに、みんなは大喜びで拍手喝采です。生き生きと動き回るかわいい野ねずみたちの魅力がいっぱいの絵本です。

2015年9月4日金曜日

【本の紹介】森の絵本

森の絵本
講談社

長田弘・作
荒井良二・絵

 森の中で、姿の見えない声が呼びかけます。
「いっしょにさがしにゆこう」
 探し物は「きみのだいじなもの」。それは流れる川の水の輝きであり、たくさんの花々の色です。明るい笑い声や美味しそうな匂い、思い出の詰まった本、窓から見つめていた夢、好きな人の手のあたたかさ。そして、その人の目の中に映る君自身だといいます。
 でも声は、最後に再び森に行こうと導きます。一番大事なものは森の中にあるというのです。森には豊かな時間があり、百年の時が過ぎても森は変わることはありません。森に育まれているのは命のつながりではないでしょうか。森の外まで探しに行ったのは、命の大切さを教えてくれるものだったように思います。
 読む人をまるで別世界に連れていってしまうような、深みと広がりを感じさせる絵も素敵です。

2015年9月3日木曜日

【本の紹介】おおきな木

おおきな木

あすなろ書房
シェル・シルヴァスタイン
村上春樹 訳

 「大きな木」に登場するのは一本の木と一人の少年だ。
 木は少年に、できる限りのものを与える。葉っぱは王様の冠となり、空腹を満たすりんごを与えることもできた。少年が成長すると、りんごを売ってお金を得ることも教えた。家が欲しいといわれ、自らの枝を与えた。遠くに行きたいという少年に舟を作りなさいと幹を与え、最後には切り株になってしまった。
 遠くへ行ったはずの少年は、年老いた後、木のところに戻ってきた。何も与えるものがない木。少年は静かに休める場所が欲しいといい、木は切り株になった自分に座りなさいという。少年は腰を降ろす。そして、木はしあわせを感じていた。
 少年は舟で遠くに行く前、「こころがかなしすぎる」といっていた。切り株に座り、どこか遠くをみているような少年。彼にも、しあわせを感じてほしいと願わずにはいられない。


【ごあいさつ】はじめまして!

ごあいさつ

くわのみ書房

 まだ準備中の絵本屋さんです。これからあなたにぴったりの絵本や児童書を紹介していきたいと思います。楽しい絵本が見つかりますように!

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.11

   くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.11」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人もきっと楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。 ■日 時:202...