岩崎書店
ウォルター・デ・ラ・メア 詩
カロリーナ・ラベイ 海後礼子 訳
雪は周りの音を吸い取ってしまうかのように、白い静かな世界をつくります。絵本の中では、しんしんと雪が降る中、一羽のこまどりが木の枝に止まっています。こまどりの歌声が聞こえてきました。それは一編の詩となって私たちの心に響きます。
でも、冷たいだけの世界ではないようです。こまどりの顔から胸にかけての赤、集落を作る家々の屋根の赤が私たちをほっとさせてくれます。そして、赤い煉瓦の家では3人の子どもたちが、おとうさん、おかあさん、そして一匹の犬とクリスマスイブを迎えました。
子どもたちが寝静まったイブの夜、雪が降る空からサンタクロースがやってきました。夜が明ければクリスマス。プレゼントを開けて大喜びの子どもたちは、積もった雪にわくわくしながら外に飛び出します。たっぷり遊んだ夕暮れの空に、冬の光がひとすじ浮かび上がりました。
こまどりに導かれ、どこか幻想的なホワイトクリスマスをたっぷり味わえる絵本です。
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