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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2024年5月23日木曜日

【本の紹介】ウンム・アーザルのキッチン(たくさんのふしぎ2024年6月号)



 イスラエルに暮らす一人の女性を紹介する絵本です。イスラエルについて、私たちが知らないことはまだまだたくさんありそうです。

 この女性は、まわりから「ウンム・アーザル」と呼ばれています。「アーザルのお母さん」という意味です。アラブ人の女性は、男の子を産むと尊敬を込めてそう呼ばれることがあるそうです。この絵本に登場するウンム・アーザルは、イスラエルに暮らすアラブ人です。

 ユダヤ人の国といわれているイスラエルですが、実は人口の21%をアラブ人が占めています。アラブ人の多くはイスラーム教を信仰していますが、イスラエルのアラブ人には9%以下とわずかながらカトリックのキリスト教徒がいるそうです。ウンム・アーザルも、そんなキリスト教徒の一人です。ウンム・アーザルたちが暮らすイスラエル第三の都市・ハイファは、自由な考え方の人が多く、アラブ人とユダヤ人が仲良く平和に暮らせる唯一の街だそうです。

 イスラエルを含む中東の地域は紛争が絶えず、今もガザ地区における争いを止めることができません。ただ、紛争以外の話題がなかなか伝わってこない中東にも、私たちと同じような普通の人々の暮らしがあるのです。ウンム・アーザルはキッチンで、大勢の人を喜ばせる美味しい食べ物を作ってきました。彼女の物語を知ることは、私たちの意識が争いのない世界に向かっていくことにつながると思います。(店主)


ウンム・アーザルのキッチン(たくさんのふしぎ2024年6月号)

菅瀬晶子 文

平澤朋子 絵


福音館書店

2024年6月1日発行

定価810円(本体736円+税)

2024年5月18日土曜日

【本の紹介】カラスノエンドウの たねが とんだ(かがくのとも2024年6月号)




 カラスノエンドウは空き地や道端でよく見かけるマメ科の植物です。身近な草花ですが、生命の不思議を感じることができます。どんな不思議なのか、この絵本でみてみましょう。

 カラスノエンドウは、春になるとあかむらさき色のかわいい花を咲かせます。でも、実はカラスのように真っ黒になります。だから、名前にカラスと付くのかな。

 春が終わるころ、黒い実が2つに割れています。まだ割れていない実を見つけたら、そっとつまんでみましょう。実が割れて、中に入っていた種が勢いよく飛び出します。実が割れるとき、「パチッ」という音も聞こえます。種を飛ばしたあとの実は、面白いことにさやがねじれているようです。

 ところが、雨の日。黒い実をつまんでも種は飛びません。ねじれていたさやも、ねじれが戻っています。種が飛び出るときに聞こえる音も聞こえず、カラスノエンドウのしげみはシーンとしています。雨で濡れたせい? この絵本では、それを調べるための実験のやり方も教えてくれます。(店主)


カラスノエンドウの たねが とんだ(かがくのとも2024年6月号)

高柳芳恵 ぶん

大橋慶子 え


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【本の紹介】うちゅうえんそく(こどものとも2024年6月号)




 荒唐無稽なお話の絵本です。何しろ、ペットボトルのロケットで宇宙まで行ってしまうのですから。

 今日は待ちに待った遠足の日。「どこに いくの?」と聞く子どもたちに、先生が「うちゅうです!」と答えます。

 宇宙まで行くにはロケットが必要。ということで、まずは工作の時間になりました。ペットボトルでみんな自分のロケットを作るのです。完成したロケットで、あっという間に宇宙に到着。宇宙の遊びは地球のそれとはずいぶん違うようです。

 現実の世界でも日本人の宇宙飛行士が大勢登場し、宇宙はとても身近に感じられるようになりました。宇宙人にお手紙を出せば、ホントにお返事が来るかも。そうなったら楽しいですね。(店主)


うちゅうえんそく(こどものとも2024年6月号)

田丸雅智 文

早川世詩男 絵


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年5月16日木曜日

【本の紹介】もぐたさんの あたらしいおへや(こどものとも年中向き2024年6月号)




 思いやりの気持ちが広がる絵本です。困っている人を助けてあげて、みんなで優しい気持ちになる。それって本当に素敵なことです。

 主人公はもぐらのもぐたさん。お散歩の途中でしたが、雨が降ってきそうになったので、急いでお家に帰ります。

 ドアを開けて、階段をいくつも降りて、廊下をいくつも曲がって、ようやくお部屋に到着。でも、落ち着く間も無くベルが鳴りました。入り口に戻ってドアを開けると、そこにいたのはびしょぬれのすずめ。やっぱり、雨になったようです。

 優しいもぐたさんは「そんなに ぬれちゃ かぜ ひくよ」といってお家に入れてあげますが、雨宿りのお客が次から次へと現れてお家はあっという間にいっぱい。でも、大丈夫。もぐたさんは自慢のスコップを持ち出して、新しいお部屋づくりを始めます。「スコップ ちっちゃか ほほいの ほい」と歌い出すと、みんなも次々と手伝ってくれました。(店主)


もぐたさんの あたらしいおへや(こどものとも年中向き2024年6月号)

小野寺悦子 文

伊藤夏紀 絵


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年5月15日水曜日

【本の紹介】カニのダンス(ちいさなかがくのとも2024年6月号)




 干潟のカニを紹介する科学絵本です。種類によって独特な動きがあり、その様はまるでダンスをしているようにみえます。

 舞台は川と海が出会うところ。海の水が引くと砂や泥の地面が現れ、干潟になります。カニが地面の下から出てきて、さあダンスが始まります。

 カニの姿を柔らかいタッチで丁寧に描きます。リアルな描写で、本当に動いているように見えてきます。それぞれのカニは何ともユーモラス。誰もがカニのダンスに魅了されてしまうでしょう。

 突然、カニたちがさっといなくなりました。鳥の影がよぎって、カニたちはさっと穴に逃げ込んだのです。生き生きとした自然を、この絵本から感じることができます。(店主)


カニのダンス(ちいさなかがくのとも2024年6月号)

越智典子 ぶん

伊藤知沙 え


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【本の紹介】だれのながぐつ?(こどものとも 0.1.2. 2024年6月号)




 長靴があります。誰が履く長靴でしょう。

 黄色に黒の縞模様。分かりますか? そう、虎の長靴でした。

 いろいろな長靴が出てきて、誰の長靴か当てっこする絵本です。それぞれヒントになる特徴がありますが、誰のか分かるかな。

 作者のさとうあやさんは、都心に近いながらも里山に暮らしているそう。そこでは、子どもたちは普段から長靴を履く機会が圧倒的に多いようです。長靴は、雨風や雪、泥や虫から身を守ってくれる頼もしい存在です。子どもたちは心強く感じ、より自由に過ごせているのかもしれません。(店主)


だれのながぐつ?(こどものとも 0.1.2. 2024年6月号)

さとうあや さく


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年5月14日火曜日

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.11




 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.10」を5月3日(金)に開催します。作家・村上春樹による翻訳絵本を楽しみましょう。

 村上春樹が手がける数多くの翻訳絵本から、今回は1996年4月に出版された『ベンの見た夢』(河出書房新社)を読みます。飲み物とお菓子付き。お気軽にご参加ください。


■読む本:『ベンの見た夢』(クリス・ヴァン・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳、河出書房新社)


■日 時:2024年5月3日(金)午後6時~7時

■会 場:くわのみ書房

■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き

■定 員:4人


〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年5月9日木曜日

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.10



 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.10」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。本を読んでもらうことは、子どもにも大人にも共通する楽しみです。どなたもお気軽にご参加ください。


■日 時:2024年6月8日(土)午前11時~11時30分

■会 場:くわのみ書房

■対 象:子どもと大人

■参加費:無料

※事前のお申し込みは不要です。


〈お問い合わせ〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年5月8日水曜日

【本の紹介】イエロー バタフライ




 2022年2月、ロシアがウクライナ侵攻を始めました。2024年5月になった今も、この戦争の終わりは見えてきません。

 戦争が長引くことに伴い、私たちの関心も薄れていくように思え、とても気がかりです。戦争が日常である世界を誰が望むでしょう。

 この絵本は戦争が始まって1カ月のうちに描かれたといいます。作者はウクライナのイラストレーター・絵本作家です。ウクライナとロシアの国境近くの街で暮らしていましたが、妻と幼い子どもとともに故郷を捨て、避難生活を余儀なくされました。

 絵だけで構成された絵本です。暗闇の世界から黄色の蝶が現れ、やがて青色の空の下に人々を導きます。この絵本は作者の確信であり、希望であり、信念です。戦争は終わり、新しい平和なウクライナでの暮らしが始まることを私たちに示しています。

 この絵本の売上の一部は The Universal Reading Foundation を通じてウクライナの子どもたちに本を贈る活動に寄付されます。(店主)


イエロー バタフライ

オレクサンドル・シャトヒン


講談社

2023年9月25日発行

定価:本体2300円(税別)

2024年5月7日火曜日

【本の紹介】ゆめわたげ




 透明感のある繊細なタッチの絵で動物たちの優しさを描いた絵本です。絵本に広がる世界へ、私たちの心も解き放たれていくようです。

 お花畑から「ゆめわたげ」が飛び立ちます。ふわふわのふくらみは、どんな願いごとも叶えてくれます。

 ほうっと見とれていたウサギのもとにゆめわたげが届きました。しかも3つも! でも、ウサギは何をお願いしたらいいのか分かりません。友だちならどんなお願いをするのでしょう。ウサギは急いで出かけることにしました。

 友だちに会って願いごとを聞いているうちにウサギは自分を見失います。そんなウサギに友だちが寄り添います。動物たちの願いはただ一つ。一人ひとりがみんなのことを思いやる世界になりますように!(店主)


ゆめわたげ

クリス・サンダース 作

糸畑くみ 訳


工学図書(山烋のえほん)

2023年9月13日発行

定価(本体1,800円+税)

2024年5月4日土曜日

【本の紹介】植物が彩る切り絵・しかけ図鑑




 植物とは何かを解説する絵本です。目を見張る美しい切り絵や仕掛けを使い、楽しく読み進めることができます。

 切り絵はレースのような繊細さ。色彩豊かな絵と効果的に組み合わされ、絵本自体がアート作品のような仕上げりです。さまざまな仕掛けも贅沢に盛り込みました。

 この絵本は、植物が果たす役割を植物プランクトンなどの話から解き明かします。したたかな生存戦略や、植物同士で情報交換するためのネットワークの存在など、植物の秘めた能力に驚かされます。

 薬として、また食品として、植物は私たちにとって欠かせない存在です。さらにこの絵本が「植物は地球上に息づくあらゆる生態系の基礎」になっていると指摘していることを、私たちは真摯に受け止めなければならないでしょう。(店主)


植物が彩る切り絵・しかけ図鑑

エレーヌ・ドゥルヴェール 絵

ジュリエット・アインホーン 文

檜垣裕美 訳

矢守航 監修


化学同人

2024年3月発行

定価4290円(本体3900円

2024年5月3日金曜日

【本の紹介】水はうたいます




 私たちの命を支える水。一滴の水はやがて大きな流れとなり、みずみずしい世界をつくります。

 世界の至るところで、水はその姿形を変えていきます。まるで一つの音符が集まって壮大なシンフォニーを奏でるように。

 水はうたいます。私たちは確かに、水のうたを聴くことができるでしょう。それは私たちの大きな喜びです。

 この絵本は、まど・みちおの詩の世界を見事に表現してくれました。水は私たちの命そのものであるのかもしれません。(店主)


水はうたいます

詩 まど・みちお

絵 nakaban


理論社

2023年11月発行

定価(本体1900円+税)

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.11

   くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.11」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人もきっと楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。 ■日 時:202...