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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2024年5月18日土曜日

【本の紹介】うちゅうえんそく(こどものとも2024年6月号)




 荒唐無稽なお話の絵本です。何しろ、ペットボトルのロケットで宇宙まで行ってしまうのですから。

 今日は待ちに待った遠足の日。「どこに いくの?」と聞く子どもたちに、先生が「うちゅうです!」と答えます。

 宇宙まで行くにはロケットが必要。ということで、まずは工作の時間になりました。ペットボトルでみんな自分のロケットを作るのです。完成したロケットで、あっという間に宇宙に到着。宇宙の遊びは地球のそれとはずいぶん違うようです。

 現実の世界でも日本人の宇宙飛行士が大勢登場し、宇宙はとても身近に感じられるようになりました。宇宙人にお手紙を出せば、ホントにお返事が来るかも。そうなったら楽しいですね。(店主)


うちゅうえんそく(こどものとも2024年6月号)

田丸雅智 文

早川世詩男 絵


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年5月16日木曜日

【本の紹介】もぐたさんの あたらしいおへや(こどものとも年中向き2024年6月号)




 思いやりの気持ちが広がる絵本です。困っている人を助けてあげて、みんなで優しい気持ちになる。それって本当に素敵なことです。

 主人公はもぐらのもぐたさん。お散歩の途中でしたが、雨が降ってきそうになったので、急いでお家に帰ります。

 ドアを開けて、階段をいくつも降りて、廊下をいくつも曲がって、ようやくお部屋に到着。でも、落ち着く間も無くベルが鳴りました。入り口に戻ってドアを開けると、そこにいたのはびしょぬれのすずめ。やっぱり、雨になったようです。

 優しいもぐたさんは「そんなに ぬれちゃ かぜ ひくよ」といってお家に入れてあげますが、雨宿りのお客が次から次へと現れてお家はあっという間にいっぱい。でも、大丈夫。もぐたさんは自慢のスコップを持ち出して、新しいお部屋づくりを始めます。「スコップ ちっちゃか ほほいの ほい」と歌い出すと、みんなも次々と手伝ってくれました。(店主)


もぐたさんの あたらしいおへや(こどものとも年中向き2024年6月号)

小野寺悦子 文

伊藤夏紀 絵


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年5月15日水曜日

【本の紹介】カニのダンス(ちいさなかがくのとも2024年6月号)




 干潟のカニを紹介する科学絵本です。種類によって独特な動きがあり、その様はまるでダンスをしているようにみえます。

 舞台は川と海が出会うところ。海の水が引くと砂や泥の地面が現れ、干潟になります。カニが地面の下から出てきて、さあダンスが始まります。

 カニの姿を柔らかいタッチで丁寧に描きます。リアルな描写で、本当に動いているように見えてきます。それぞれのカニは何ともユーモラス。誰もがカニのダンスに魅了されてしまうでしょう。

 突然、カニたちがさっといなくなりました。鳥の影がよぎって、カニたちはさっと穴に逃げ込んだのです。生き生きとした自然を、この絵本から感じることができます。(店主)


カニのダンス(ちいさなかがくのとも2024年6月号)

越智典子 ぶん

伊藤知沙 え


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【本の紹介】だれのながぐつ?(こどものとも 0.1.2. 2024年6月号)




 長靴があります。誰が履く長靴でしょう。

 黄色に黒の縞模様。分かりますか? そう、虎の長靴でした。

 いろいろな長靴が出てきて、誰の長靴か当てっこする絵本です。それぞれヒントになる特徴がありますが、誰のか分かるかな。

 作者のさとうあやさんは、都心に近いながらも里山に暮らしているそう。そこでは、子どもたちは普段から長靴を履く機会が圧倒的に多いようです。長靴は、雨風や雪、泥や虫から身を守ってくれる頼もしい存在です。子どもたちは心強く感じ、より自由に過ごせているのかもしれません。(店主)


だれのながぐつ?(こどものとも 0.1.2. 2024年6月号)

さとうあや さく


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年5月14日火曜日

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.11




 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.10」を5月3日(金)に開催します。作家・村上春樹による翻訳絵本を楽しみましょう。

 村上春樹が手がける数多くの翻訳絵本から、今回は1996年4月に出版された『ベンの見た夢』(河出書房新社)を読みます。飲み物とお菓子付き。お気軽にご参加ください。


■読む本:『ベンの見た夢』(クリス・ヴァン・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳、河出書房新社)


■日 時:2024年5月3日(金)午後6時~7時

■会 場:くわのみ書房

■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き

■定 員:4人


〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年5月9日木曜日

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.10



 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.10」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。本を読んでもらうことは、子どもにも大人にも共通する楽しみです。どなたもお気軽にご参加ください。


■日 時:2024年6月8日(土)午前11時~11時30分

■会 場:くわのみ書房

■対 象:子どもと大人

■参加費:無料

※事前のお申し込みは不要です。


〈お問い合わせ〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年5月8日水曜日

【本の紹介】イエロー バタフライ




 2022年2月、ロシアがウクライナ侵攻を始めました。2024年5月になった今も、この戦争の終わりは見えてきません。

 戦争が長引くことに伴い、私たちの関心も薄れていくように思え、とても気がかりです。戦争が日常である世界を誰が望むでしょう。

 この絵本は戦争が始まって1カ月のうちに描かれたといいます。作者はウクライナのイラストレーター・絵本作家です。ウクライナとロシアの国境近くの街で暮らしていましたが、妻と幼い子どもとともに故郷を捨て、避難生活を余儀なくされました。

 絵だけで構成された絵本です。暗闇の世界から黄色の蝶が現れ、やがて青色の空の下に人々を導きます。この絵本は作者の確信であり、希望であり、信念です。戦争は終わり、新しい平和なウクライナでの暮らしが始まることを私たちに示しています。

 この絵本の売上の一部は The Universal Reading Foundation を通じてウクライナの子どもたちに本を贈る活動に寄付されます。(店主)


イエロー バタフライ

オレクサンドル・シャトヒン


講談社

2023年9月25日発行

定価:本体2300円(税別)

2024年5月7日火曜日

【本の紹介】ゆめわたげ




 透明感のある繊細なタッチの絵で動物たちの優しさを描いた絵本です。絵本に広がる世界へ、私たちの心も解き放たれていくようです。

 お花畑から「ゆめわたげ」が飛び立ちます。ふわふわのふくらみは、どんな願いごとも叶えてくれます。

 ほうっと見とれていたウサギのもとにゆめわたげが届きました。しかも3つも! でも、ウサギは何をお願いしたらいいのか分かりません。友だちならどんなお願いをするのでしょう。ウサギは急いで出かけることにしました。

 友だちに会って願いごとを聞いているうちにウサギは自分を見失います。そんなウサギに友だちが寄り添います。動物たちの願いはただ一つ。一人ひとりがみんなのことを思いやる世界になりますように!(店主)


ゆめわたげ

クリス・サンダース 作

糸畑くみ 訳


工学図書(山烋のえほん)

2023年9月13日発行

定価(本体1,800円+税)

2024年5月4日土曜日

【本の紹介】植物が彩る切り絵・しかけ図鑑




 植物とは何かを解説する絵本です。目を見張る美しい切り絵や仕掛けを使い、楽しく読み進めることができます。

 切り絵はレースのような繊細さ。色彩豊かな絵と効果的に組み合わされ、絵本自体がアート作品のような仕上げりです。さまざまな仕掛けも贅沢に盛り込みました。

 この絵本は、植物が果たす役割を植物プランクトンなどの話から解き明かします。したたかな生存戦略や、植物同士で情報交換するためのネットワークの存在など、植物の秘めた能力に驚かされます。

 薬として、また食品として、植物は私たちにとって欠かせない存在です。さらにこの絵本が「植物は地球上に息づくあらゆる生態系の基礎」になっていると指摘していることを、私たちは真摯に受け止めなければならないでしょう。(店主)


植物が彩る切り絵・しかけ図鑑

エレーヌ・ドゥルヴェール 絵

ジュリエット・アインホーン 文

檜垣裕美 訳

矢守航 監修


化学同人

2024年3月発行

定価4290円(本体3900円

2024年5月3日金曜日

【本の紹介】水はうたいます




 私たちの命を支える水。一滴の水はやがて大きな流れとなり、みずみずしい世界をつくります。

 世界の至るところで、水はその姿形を変えていきます。まるで一つの音符が集まって壮大なシンフォニーを奏でるように。

 水はうたいます。私たちは確かに、水のうたを聴くことができるでしょう。それは私たちの大きな喜びです。

 この絵本は、まど・みちおの詩の世界を見事に表現してくれました。水は私たちの命そのものであるのかもしれません。(店主)


水はうたいます

詩 まど・みちお

絵 nakaban


理論社

2023年11月発行

定価(本体1900円+税)

2024年4月30日火曜日

【本の紹介】しずかに ねむる ねこ

 


 野良猫の日常を描いた絵本です。穏やかな時間を猫と一緒に過ごしましょう。

 大きな大きな野良猫です。毛の柄はしま模様のキジトラ。ゴンちゃんと呼ばれています。

 ゴンちゃんは毎日、ゆりちゃんの家に来て、庭のベンチで眠ります。ゆりちゃんがご飯を用意してくれます。ゴンちゃんはご飯をとても美味しそうに食べ、そのあとまたベンチで眠るのです。

 食事をして眠る。私たちはそれ以上に何を望むというのでしょうか。ゴンちゃんの日常を世界のすべての人々と共有できるよう願っています。(店主)


しずかに ねむる ねこ

浅野薫


文芸社

2024年4月15日発行

定価(本体1,200円+税)

2024年4月24日水曜日

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

 


 この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。

 名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッキリ」。これはチョッキリの仲間の「ハイイロチョッキリ」が持つ習性です。

 この写真絵本は多種に渡るチョッキリの生態を紹介します。チョッキリの仲間は草木に卵を産みつけるのですが、ハイイロチョッキリのように木の実に産むもののほか、葉にそのまま産む、葉を巻いて産む、茎に産むなど、種類によっていろいろ。作者は、葉を巻くチョッキリに興味津々のようです。

 卵を産みつけるため葉を巻いたものを「揺籃(ようらん)」といいます。チョッキリは葉に切り込みを入れたりしながら器用に巻いていきます。揺籃はそれぞれ特徴があり、作者ならずとも惹きつけられます。(店主)


チョッキリ 草木を切って子育てする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

藤丸篤夫 文・写真


福音館書店

2024年5月1日発行

定価810円(本体736円+税)

2024年4月19日金曜日

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.9





 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.9」を開催します。「子どもに語る アンデルセンのお話」(こぐま社)の中からお話を一つ、くわのみ書房のスタッフが声に出して読みます。子どもだけでなく、大人の方もお気軽にご参加ください。


■日 時:2024年5月4日(土)午前11時~11時30分

■会 場:くわのみ書房

■対 象:子どもと大人

■参加費:無料


※事前のお申し込みは不要です。


〈お問い合わせ〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年4月18日木曜日

【本の紹介】ならべかえ ーましかくのへんしんー(かがくのとも2024年5月号)



 パズル遊びの絵本です。ましかくを簡単な形に切り分けて複数の部品を作り、それらを並び替えていろいろな形に作り替えます。

 この絵本では、ましかく、つまり正方形の折り紙を使います。まず正方形を2つに切って三角形を2つ作ります。2つの三角形だけでも、それらを組み合わせればれば、正方形が大きい三角形や斜めの四角形に変身します。

 三角形の1つをさらに切って、2つの小さい三角形にしましょう。三角形が3つになりました。すると、もっといろいろな形を作ることができます。さあ、何ができるかな。このパズル遊びは、一般にシルエットパズル、あるいはアンカーパズルと呼ばれているそうです。

 いろいろあるシルエットパズルの中で有名なのは「タングラム」と呼ばれるパズル。正方形を7つの部品に切り分けて、それらの組み合わせでいろいろな形を作って遊びます。木製のものをよく見かけます。シルエットパズルは、単純に見えますが、なかなか奥深い遊びです。子どもも大人も一緒に楽しめます。(店主)


ならべかえ ーましかくのへんしんー

瀬山士郎 さく

青柳幸永 え


福音館書店

2024年5月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年4月17日水曜日

【本の紹介】さくのうえに(ちいさなかがくのとも2024年5月号)




 さわやかな風に誘われて、誰もがお出かけしたくなる季節です。そんな気分がいっそう盛り上がる絵本です。

 子どもたちがお散歩で公園にやってくるところからお話が始まります。子どもたちは遊歩道の柵の上で何か動いているものを見つけます。シャクトリムシです。バッタもいました。

 柵の上は虫たちと人との出会いの場。子どもたちはいろいろな虫と遭遇します。柵は、虫たちが暮らす木々や草むらと人間が使う歩道の境界にあり、両者の出会いにぴったりの場所になるそうです。

 柵の上の生き物観察を楽しみましょう。そこではたくさんの虫たちもお散歩を楽しんでいます。(店主)


さくのうえに(ちいさなかがくのとも2024年5月号)

山口てつじ さく


福音館書店

2024年5月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【本の紹介】うちゅうえんそく(こどものとも2024年6月号)

 荒唐無稽なお話の絵本です。何しろ、ペットボトルのロケットで宇宙まで行ってしまうのですから。  今日は待ちに待った遠足の日。「どこに いくの?」と聞く子どもたちに、先生が「うちゅうです!」と答えます。  宇宙まで行くにはロケットが必要。ということで、まずは工作の時間になり...