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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2024年7月27日土曜日

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.13



    
 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.13」を8月9日(金)に開催します。作家・村上春樹さんによる翻訳絵本を楽しみましょう。

 今回取り上げる絵本は『ハリス・バーディックの謎』(河出書房新社)です。初版発行は1990年11月。その後、新装版が2015年7月に発刊されました。この会ではすっかりお馴染みになったクリス・ヴァン・オールズバーグの作品ですが、その中でも一風変わった内容です。飲み物とお菓子付きの会です。お気軽にご参加ください。


■読む本:『ハリス・バーディックの謎』(クリス・ヴァン・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳、河出書房新社)

■日 時:2024年8月9日(金)午後6時~7時

■会 場:くわのみ書房

■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き

■定 員:4人


〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年7月26日金曜日

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.12



 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.12」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人もきっと楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。


■日 時:2024年8月7日(水)午後5時~5時30分

■会 場:くわのみ書房

■対 象:子どもと大人

■参加費:無料

※事前のお申し込みは不要です。


〈お問い合わせ〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

【ご報告】「村上春樹の絵本を読む会 vol.12」を開催しました!



 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.12」を7月12日(金)に開催しました。定員いっぱいの4人の方にご参加いただきました。

 当日取り上げた絵本は『2ひきのいけないアリ』(あすなろ書房)。この作品は1989年にほるぷ出版から、木島始の翻訳で『くいしんぼうのあり』として出版されていました。当日、参加者のお一人が木島訳を持参して来られ、図らずも新旧2冊の読み比べが実現。とても興味深い内容の会になりました。

2024年7月18日木曜日

【本の紹介】なつのふしぎなじゅうたん(こどものとも年少版2024年8月号)



 ちょっとびっくりしてワクワクしてくるお話の絵本です。空想のお話は子どもも大人も楽しめます。

 動物の仲間たちがくつろいでいると、しろくまさんが絨毯を持ってやって来ました。広げてみると真っ白な絨毯。なんと、そこには雪が降り始めました。涼しそう!

 裏返すと、青い絨毯になりました。雪は止んでお日さまがギラギラ。絨毯はプールになって、みんなで泳いだり、ボートにだって乗れますよ。しろくまさんが足をバタバタさせると、大波が起こって、まるで海みたいです。

 楽しく遊んだ後で食べるおやつは、とても美味しそう。しろくまさんの不思議な絨毯に、動物たちは大満足でした。(店主)


なつのふしぎなじゅうたん(こどものとも年少版2024年8月号)

はらだそのこ さく


福音館書店

2024年8月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年7月11日木曜日

【本の紹介】ころころ ただいま(こどものとも0.1.2. 2024年8月号)



 安心して「ただいま」と戻れるところを持っている子どもたちは、とても幸せです。その幸せを何度も噛み締める絵本です。

 りんごがお散歩をしています。「ころころ ころころ」と転がって、「ころん」と止まったところで「ただいまー」。待っていてくれたのは、おかあさんかな、おとうさんかな。

 続いてみかんがお散歩から帰ります。さらに、たまご、すいか、そしておにぎりまで、「ころころ ただいま」を繰り返します。子どもたちはいろいろでも、無事帰ったあとは、みんな安心してニコニコしています。

 子どもたちが安心して帰れるところがある。そんな当たり前の幸せを大切にしましょう。(店主)


ころころ ただいま(こどものとも0.1.2. 2024年8月号)

古内ヨシ


福音館書店

2024年8月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年7月3日水曜日

【本の紹介】風が描く絵 鳥取砂丘(たくさんのふしぎ2024年7月号)



 鳥取砂丘を紹介する写真絵本です。刻々と変化する砂丘のようすを伝えます。

 鳥取砂丘は、文字通り「砂でできた丘」。山の岩石が風化して砂となり、川を流れて海に出た後、波によって海岸に打ち上げられ、さらに風で内陸に運ばれて今の形になりました。

 鳥取砂丘は風がつくった砂の丘です。鳥取砂丘には一年中、風が吹いています。その風が砂を動かし、いろいろな模様の絵を描きます。その絵は絶えず変化し、同じように見えても決して同じ絵にはなりません。

 鳥取砂丘は乾燥した場所にある砂漠とは異なり、年間を通じて雨が降り、冬には雪も積もります。鳥取砂丘には動物たちもやってきます。昆虫や植物も生きています。こうした自然のあり方が、鳥取砂丘をよりいっそう魅力あるものにしています。(店主)


風が描く絵 鳥取砂丘(たくさんのふしぎ2024年7月号)

水本俊也 文・写真


福音館書店

2024年7月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)

2024年7月2日火曜日

【本の紹介】ながれものたび(かがくのとも2024年7月号)



 海に浮いて波に流れている海藻を「流れ藻(ながれも)」というそうです。ながれもは、ただ波間に漂うだけの存在ではありません。そこで繰り広げられる生命の営みを、この絵本を通じて知ることができます。

 浅い海の底の岩に海藻が生えています。夏の初め、強い風が吹き、大きな波ができて海藻をちぎってしまいます。浮袋が付いている海藻は沈むことなく、海に流されていきます。これが、ながれもです。

 小さな魚たちが、ながれもと一緒にいるようになります。ながれもは、魚たちを守るお家のような存在でしょうか。一方で、ながれものまわりには、その小さな魚を一口で食べてしまう大きな魚もやって来ます。大きな海に比べれば、ながれもが営む世界は小さなものかもしれません。でも、そこはとてもダイナミックな世界のように思えます。

 やがて、ながれもは葉や浮袋を失い、茎だけのようになって砂浜に打ち上げられます。私たちが見つけるのは旅を終えたながれもだけ。この絵本は、私たちが見ることのない「ながれものたび」を想像するきっかけになるでしょう。(店主)


ながれものたび(かがくのとも2024年7月号)

浅井ミノル ぶん

成広のり子 え


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税) 


2024年6月29日土曜日

【本の紹介】かわのなかでは(こどものとも2024年7月号)



 魚釣りのお話を魚たちの側から描いた絵本です。この魚たち、ちょっと用心深いようです。

 川底に黄色いお団子が「どぼん」と落ちて来ました。美味しそうな匂いです。でも、これは釣り針がついた餌。食べた魚は釣り上げられてしまいます。

 最初に見つけたのは2匹のギンブナでした。賢明なことに、危険を感じてすぐには飛び付かず、ほかの生き物たちの意見も聞いてみることにしました。すると、イシガメやウナギ、カニ、ナマズなど、川の仲間たちが大勢集まります。

 迫力いっぱいに描かれた魚たちが川の中で楽しい会話を繰り広げます。最後は経験豊かなコイが登場して事なきを得ました。魚釣りは魚と人間の知恵比べ。今回は魚たちが一枚上手だったようです。

 さて、このお話の中に登場するイタセンバラという魚。虹のような模様でとても綺麗です。私は見たことも聞いたこともありませんでしたが、作者の思い出の魚の一つのようです。(店主)


かわのなかでは(こどものとも2024年7月号)

伊藤秀男 さく


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年6月27日木曜日

【本の紹介】火の鳥 いのちの物語



 手塚治虫作品の『火の鳥』が絵本になりました。多くの人が親しんだ名作の漫画から生まれた絵本です。

 火の鳥は死ぬことがない不思議な鳥です。何百年も生きて羽などが痛むと、爆発する火山や燃え盛る炎の中に飛び込み、生まれ変わって子どもの火の鳥になって出てくるのです。

 子どもの火の鳥は、安らかな巣の中でゆっくり育ちます。巣で休む火の鳥のもとに、鳥や動物たちがやって来ました。火の鳥は生命の物語を話し始めます。一つひとつの命は、みんなつながっていることを教えてくれます。

 火の鳥が、よりいっそう親しみやすい存在として描かれています。この絵本をきっかけに、手塚作品の『火の鳥』シリーズを初めて手に取る人、また再びその世界を訪ねようとする人が大勢いるような気がします。(店主)


火の鳥 いのちの物語

手塚治虫/原作

鈴木まもる/文・絵


金の星社

2024年4月発行

定価(本体1,400円+税)

2024年6月19日水曜日

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.11


 

 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.11」を開催します。くわのみ書房のスタッフが「子どもに語る グリムの昔話」シリーズ(こぐま社)の中から選んだお話を声に出して読みます。子どもだけでなく、大人もきっと楽しめます。どなたもお気軽にご参加ください。


■日 時:2024年7月6日(土)午前11時~11時30分

■会 場:くわのみ書房

■対 象:子どもと大人

■参加費:無料

※事前のお申し込みは不要です。


〈お問い合わせ〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

2024年6月18日火曜日

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.12



 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.12」を7月12日(金)に開催します。作家・村上春樹さんによる翻訳絵本を楽しみましょう。

 今回取り上げる絵本は『2ひきのいけないアリ』(あすなろ書房)です。1989年にほるぷ出版から『くいしんぼうのあり』(木島始訳)として出版されていましたが、村上春樹さんの新訳版が2004年9月に発刊されました。飲み物とお菓子付きの会です。お気軽にご参加ください。


■読む本:『2ひきのいけないアリ』(クリス・ヴァン・オールズバーグ、村上春樹[訳]、あすなろ書房)


■日 時:2024年7月12日(金)午後6時~7時

■会 場:くわのみ書房

■参加費:500円 ※飲み物とお菓子付き

■定 員:4人


〈お問い合わせ・お申し込み〉くわのみ書房

電話:047-419-3567

電子メール:mulberrybookstore@gmail.com

(Facebook、Instagramでも受け付けます)

【本の紹介】  すったん すったん(こどものとも年中向き2024年7月号)


 

 タイトルの「すったん すったん」は縄跳びのようすを表現しています。なぜ縄跳びで「すったん すったん」? これは縄跳びのリズムを裏打ち、つまりバックビートで表しています。付録の「作者のことば」によると、とくに大縄跳びなどではリズムを裏打ちで感じた方が縄に飛び込みやすいとのことです。

 さて、この絵本では「すったん すったん」と一人の子どもが縄跳びを始めます。楽しそうにしているから「いーれーて」とお友だちがやって、今度は二人で「すったん すったん」。

 三人目のお友だちが来るあたりから、うまくいかなくなります。縄に足が引っかかって、それから縄の取り合いに。縄で綱引きも始まりますが、縄がすっかり伸びてしまうと次は電車ごっこです。子どもたちはいつだって、遊びには貪欲です。

 お友だちが一人ずつ増えていくので、数えっこ遊びも楽しめます。リズミカルな文章と、シンプルでユーモラスな絵がとてもよくマッチしています。最後は伸び切った縄で大縄跳び。お友だちは十人まで増えました。(店主)


すったん すったん(こどものとも年中向き2024年7月号)

おのりえん ぶん

はたこうしろう え


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【ご報告】「村上春樹の絵本を読む会 vol.11」を開催しました!


  くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.11」を6月14日(金)に開催しました。定員いっぱいの4人の方にご参加いただきました。

 作家・村上春樹さんが手がけた絵本の読み聞かせを楽しむ会です。村上さんが文章を書いたり翻訳したりした絵本はたくさんあります。

 今回はその中から、1996年4月に出版された『ベンの見た夢』(クリス・ヴァン・オールズバーグ絵と文、村上春樹訳、河出書房新社)を取り上げました。ベンは野球の遊びを後回しにして地理の勉強の本を読み始めますが、やがて眠りに落ちてしまいます。夢の中で世界を巡り始めたベンは誰かと出会うことになりますが、その誰かとは…。

 村上さんも魅了されたオールズバーグの絵本の世界。そこからいろいろな話題が派生して、楽しいおしゃべりの時間を過ごしました。(店主)

2024年6月13日木曜日

【本の紹介】ペンくんの ダンスすいぞくかん(こどものとも年少版2024年7月号)


 

 段ボールで作った生き物たちが生き生きと動き出す絵本です。表情豊かな生き物たちの楽しさが読む人たちにも伝わります。

 水族館でダンスの練習が始まります。ペンギンが「みんな あつまってー」と声をかけると、たくさんの仲間たちが寄って来ました。

 ペンギンがリーダーシップを発揮します。らっこさんやさかなさん、かにさん、オットセイさんがそれぞれ得意とするダンスを披露します。みんなの一生懸命な姿が胸を打ちます。

 最後にいるかさんが登場。ペンギンに「ペンくん ぼくも まぜてー」と声をかけました。いるかさんの大きなジャンプは見応えたっぷりです。(店主)


ペンくんのダンスすいぞくかん(こどものとも年少版2024年7月号)

小池アミイゴ


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年6月12日水曜日

【本の紹介】こぐまのおすもう(こどものとも0.1.2. 2024年7月号)




 可愛いこぐまたちが遊ぶようすを描いた絵本です。動きがとてもユーモラスなくまは、私たちに親しみを感じさせ、絵本にもよく登場します。

 くまは基本的に単独で行動し、1回の出産は通常2頭の子どもが生まれることが多いようです。ということで、この絵本に登場する2頭のこぐまはきっと家族でしょう。

 おかあさんぐまも、すぐそばにいるはず。2頭は安心してじゃれ合っています。じゃれ合いはまるでお相撲のように見えるところから、この絵本が出来上がりました。何度も何度もお相撲を取り、愉快になって笑い合うこぐまたち。その楽しさは、この絵本を読む子どもたちにも伝わります。

 絵は、木板を電熱ペンなどで焦がして絵や模様を描くウッドバーニングに絵の具で色付けして仕上げたそうです。優しい味わいの絵です。近年、人里に出没するくまのニュースを見る機会が増えています。くまが暮らしやすい環境を作ることは、私たちの周りの環境をよくすることにつながります。(店主)


こぐまのおすもう(こどものとも0.1.2. 2024年7月号)

猫野ぺすか さく


福音館書店

2024年7月1日発行

定価460円(本体418円+税)

2024年6月1日土曜日

【本の紹介】トクベツキューカ、はじめました!




 1年のうちで1日だけ自由にお休みしてよい日があったら、私たちはその日をどう過ごすでしょう。そんな特別な一日の子どもたちを描いた児童文学作品です。

 お話の舞台は小学校。その小学校では、生徒たちは1年に1日だけ、特別休暇を取ることができます。通称「トクベツキューカ」は、一人ひとりが好きなときに、好きな理由で学校を休むことができるのです。

 トクベツキューカの日は、誰もが自由にのびのびと過ごせるはず。でも、なかなかそう簡単にはいかないようです。自由だからこそ、自分に向かい合い、それまで見えてこなかった自分を知ることになります。子どもたちの成長する姿に胸を打たれます。

 季節ごとの5つのエピソードで構成しました。トクベツキューカを必要としているのは、子どもたちだけではないでしょう。かつて子どもだった人にもおすすめしたい作品です。(店主)


トクベツキューカ、はじめました!

清水晴木 作

いつか 絵


岩崎書店

2024年5月31日発行

定価(本体1400円+税)

2024年5月23日木曜日

【本の紹介】ウンム・アーザルのキッチン(たくさんのふしぎ2024年6月号)



 イスラエルに暮らす一人の女性を紹介する絵本です。イスラエルについて、私たちが知らないことはまだまだたくさんありそうです。

 この女性は、まわりから「ウンム・アーザル」と呼ばれています。「アーザルのお母さん」という意味です。アラブ人の女性は、男の子を産むと尊敬を込めてそう呼ばれることがあるそうです。この絵本に登場するウンム・アーザルは、イスラエルに暮らすアラブ人です。

 ユダヤ人の国といわれているイスラエルですが、実は人口の21%をアラブ人が占めています。アラブ人の多くはイスラーム教を信仰していますが、イスラエルのアラブ人には9%以下とわずかながらカトリックのキリスト教徒がいるそうです。ウンム・アーザルも、そんなキリスト教徒の一人です。ウンム・アーザルたちが暮らすイスラエル第三の都市・ハイファは、自由な考え方の人が多く、アラブ人とユダヤ人が仲良く平和に暮らせる唯一の街だそうです。

 イスラエルを含む中東の地域は紛争が絶えず、今もガザ地区における争いを止めることができません。ただ、紛争以外の話題がなかなか伝わってこない中東にも、私たちと同じような普通の人々の暮らしがあるのです。ウンム・アーザルはキッチンで、大勢の人を喜ばせる美味しい食べ物を作ってきました。彼女の物語を知ることは、私たちの意識が争いのない世界に向かっていくことにつながると思います。(店主)


ウンム・アーザルのキッチン(たくさんのふしぎ2024年6月号)

菅瀬晶子 文

平澤朋子 絵


福音館書店

2024年6月1日発行

定価810円(本体736円+税)

2024年5月18日土曜日

【本の紹介】カラスノエンドウの たねが とんだ(かがくのとも2024年6月号)




 カラスノエンドウは空き地や道端でよく見かけるマメ科の植物です。身近な草花ですが、生命の不思議を感じることができます。どんな不思議なのか、この絵本でみてみましょう。

 カラスノエンドウは、春になるとあかむらさき色のかわいい花を咲かせます。でも、実はカラスのように真っ黒になります。だから、名前にカラスと付くのかな。

 春が終わるころ、黒い実が2つに割れています。まだ割れていない実を見つけたら、そっとつまんでみましょう。実が割れて、中に入っていた種が勢いよく飛び出します。実が割れるとき、「パチッ」という音も聞こえます。種を飛ばしたあとの実は、面白いことにさやがねじれているようです。

 ところが、雨の日。黒い実をつまんでも種は飛びません。ねじれていたさやも、ねじれが戻っています。種が飛び出るときに聞こえる音も聞こえず、カラスノエンドウのしげみはシーンとしています。雨で濡れたせい? この絵本では、それを調べるための実験のやり方も教えてくれます。(店主)


カラスノエンドウの たねが とんだ(かがくのとも2024年6月号)

高柳芳恵 ぶん

大橋慶子 え


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【本の紹介】うちゅうえんそく(こどものとも2024年6月号)




 荒唐無稽なお話の絵本です。何しろ、ペットボトルのロケットで宇宙まで行ってしまうのですから。

 今日は待ちに待った遠足の日。「どこに いくの?」と聞く子どもたちに、先生が「うちゅうです!」と答えます。

 宇宙まで行くにはロケットが必要。ということで、まずは工作の時間になりました。ペットボトルでみんな自分のロケットを作るのです。完成したロケットで、あっという間に宇宙に到着。宇宙の遊びは地球のそれとはずいぶん違うようです。

 現実の世界でも日本人の宇宙飛行士が大勢登場し、宇宙はとても身近に感じられるようになりました。宇宙人にお手紙を出せば、ホントにお返事が来るかも。そうなったら楽しいですね。(店主)


うちゅうえんそく(こどものとも2024年6月号)

田丸雅智 文

早川世詩男 絵


福音館書店

2024年6月1日発行

定価460円(本体418円+税)

【ご案内】村上春樹の絵本を読む会 vol.13

      くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.13」を8月9日(金)に開催します。作家・村上春樹さんによる翻訳絵本を楽しみましょう。  今回取り上げる絵本は『ハリス・バーディックの謎』(河出書房新社)です。初版発行は1990年11月。その後、新装版が2015年7月に...