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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2025年7月1日火曜日

【本の紹介】キャッチ!




 キャッチボールが始まります。ただのキャッチボールにはおさまらないようです。

 子どもが投げたボールを、パパが「キャッチ!」。でも、パパが投げ返したボールは大暴投。キャッチしたのはお空を飛んでいたカラスでした。

 その後、ボールはどうなるかって? ボールの行き先は誰にも分かりません。ハラハラドキドキで後を追いかけるしかないのです。でも、最後にボールは、おさまるところにおさまります。よかったね!

 テンポのよい場面展開を楽しむ絵本です。大胆な構図と鮮やかな色使いが絵の躍動感を高めています。(店主)


キャッチ!

つしまひろし


ひだまり舎

2025年4月3日発行

定価1700円(税別)


#くわのみ書房

2025年6月28日土曜日

【本の紹介】ワスレッポおじさんのきままなさんぽ




 ワスレッポおじさんは、何でもすぐに忘れてしまう人です。忘れんぼうのワスレッポおじさんの愉快なお散歩を描いた絵本です。

 お散歩に出かけたワスレッポおじさんが最初に忘れることって何? それは、どうして外に出たのか忘れてしまうこと。でも、そんなことは気にせずにお散歩は続きます。

 大胆なペンタッチでリズミカルに描いた絵が楽しい。シンプルな線画をベースにカラフルな色使いで私たちを楽しませます。困った顔になっても、すぐにニコニコ顔になるワスレッポおじさんは街のみんなの人気者です。

 無事お家に帰って、気ままな散歩はおしまい。傘をお供に蝶ネクタイのワスレッポおじさんはとてもおしゃれだなあ。(店主)


ワスレッポおじさんのきままなさんぽ

文 石津ちひろ

絵 藤枝リュウジ


BL出版

2025年1月10日発行

定価[本体1,500円]+税


#くわのみ書房

【本の紹介】ねむれないよるのこと




 眠れない夜は子どもにもあります。眠れない夜に始まる不思議な冒険を描いた絵本です。

 子どもが「おやすみなさい」といって布団に入ります。でも、なかなか寝つけないようす。

 子どもは電車のおもちゃで遊び始めました。すると窓辺にバッタが現れて、電車に乗ろうと呼びかけます。子どもはいつの間にか電車のシートに腰をかけていました。いつも仲良しの怪獣のぬいぐるみも一緒です。

 着いた場所は「だいどころまち」。色鮮やかな商店街は楽しさいっぱいです。でも、帰りの電車に乗り遅れないようにね!(店主)


ねむれないよるのこと

なかざわくみこ


偕成社

2024年8月発行

定価[本体価格1500円+税]


#くわのみ書房

【本の紹介】おおきなて




 手の優しさと温かさは愛情そのものです。その愛情を感じ取る絵本です。

 子どもと年寄りを世話するようすが、見開きページの左右に描かれています。言葉は無くとも、愛情深く世話していることが伝わります。

 やがて、左ページで大人から世話をされていた子どもと、右ページで年寄りを世話をする大人が同一人物であることが分かります。左ページの大人は歳を重ね、右ページの年寄りになりました。父親の大きな手は、子どもにとって、とても大きく頼もしい存在だったことでしょう。

 時を超えた2つの物語を描いた絵本です。2つの物語を通じて、人の優しさと温かさが受け継がれていくことが分かります。


おおきなて

チェ・ドッキュ 作

申明浩 訳


ひだまり舎

2024年12月4日発行

定価2000円(税別)


#くわのみ書房

2025年6月21日土曜日

【本の紹介】これから大人になるアナタに伝えたい10のこと 自分を愛し、困難を乗り越える力




 サヘル・ローズさんが「これから大人になる」人たちに語りかけます。戦争のない平和な世界をつくるためにはどうしたらよいのか、自分の夢を持ち続けるためにはどうしたらよいのか。サヘルさんと一緒に考えてみませんか。

 サヘルさんはイラン人です。日本でタレント、俳優として活動する著名人の一人です。2024年に公開された映画「花束」の監督も務めました。とても多才な人です。

 この本でサヘルさんは自分の生い立ちを振り返ります。サヘルさんが生まれた当時、イランは隣国のイラクと戦争をしていました。多くの人々が亡くなり、サヘルさんも家族や親戚を見つけられず、やがて孤児院に行き、そこで育ちました。7歳のときに養母に引き取られますが、実は今も本名や誕生日が分からないままだそうです。そして、8歳のとき、養母とともに来日しました。イランや日本で過酷な生活が続きましたが、「暗闇があったから、光が見えた」と綴っています。

 サヘルさんは、サヘルさんがこの本で紡いだ言葉をよりどころに、読む人が自分自身の言葉を再発見してほしいと求めています。その言葉は、家族や自分、そして世界の人々を表すものです。いまだ戦争は終わることなく続いています。でも、希望を失うことはないのです。(店主)


これから大人になるアナタに伝えたい10のこと 自分を愛し、困難を乗り越える力

サヘル・ローズ


童心社

2024年11月30日

定価 本体1500円(税別)


#くわのみ書房

2025年6月20日金曜日

【本の紹介】ねこのおうちさがし




 ねこの成長をユーモラスに描いた絵本です。成長に合わせて理想のお家も変わります。ねこのお家探しが始まります。

 ねこは、小さなこねこでした。ダンボール箱のお家はとても素敵でした。でも、大人になって大きくなると、狭くなって居心地も悪くなりました。

 いよいよ引っ越しです。ねこは、ほかの動物たちが暮らすお家を見てまわります。どれもユニークで楽しそうなお家ですが、ねこの理想とはちょっと違うようです。

 猫はお家を探し求める旅で、いろいろなところに出没します。柔らかいタッチで描き込まれた絵は、ダイナミックな構図で読む人の目を楽しませます。最後の場面は、誰もがちょっとビックリ!(店主)


ねこのおうちさがし

ぶん・え:クアク・スジン

やく:すんみ


パイ インターナショナル

2025年2月14日発行

定価(本体1,400円+税)


#くわのみ書房

2025年6月19日木曜日

【本の紹介】いろって なあに?



 色について考えてみる絵本です。さて、色って何でしょう?

 例えば、黄色も色の一つ。黄色は太陽、ヒマワリ、トウモロコシの色。でも、それだけではありません。

 どんなものにも色があります。だから、色はどこにでもある。色は、この世界そのものを表しているのです。

 この絵本では、黄、紫、青、赤、緑、茶色、オレンジ色、白の8つの色のテーマごとに見応えのある絵が提示され、私たちを楽しませてくれます。色は、私たちの世界を豊かにしてくれるものです。(店主)


いろって なあに?

さく・え アリス&マーティン・プロベンセン

やく こみやゆう


KTC中央出版(アノニマ・スタジオ)

2022年10月25日発行

定価 本体1,800円(税別)


#くわのみ書房

2025年6月18日水曜日

【本の紹介】おかあさん、いいこと おしえてあげる



 母に子が語りかけます。「いいこと おしえてあげる」と話し始めます。

 まだ幼い子どもです。でも、「わたしが おとなになったらね」という言葉のあとに、たくさんの「いいこと」が描かれます。

 現実味のない「いいこと」が乾いたタッチの絵で美しく表現されています。子どもの話は一方的とも思える形で進みます。そして最後に、とても大切な「いいこと」が示されます。

 母と子がそれぞれを思いやり、やがて自立する。そんな物語を鮮やかに描いた絵本です。(店主)


おかあさん、いいこと おしえてあげる

シャーロット・ゾロトウ 文

ジュリー・モースタッド 絵

クレセント・ドラゴンワゴン あとがき

福本友美子 訳


工学図書(山烋のえほん)

2025年3月11日発行

定価(本体1,800円+税)


#くわのみ書房

2025年6月17日火曜日

【本の紹介】パイナップルに見た夢(たくさんのふしぎ2025年7月号)

 


 パイナップルについて学べる写真絵本です。かつては缶詰で購入する果物でしたが、今では新鮮な生果を気軽に食べることができるようになりました。

 日本産のパイナップルは、主に沖縄県で栽培されています。とくに石垣島を含む八重山諸島はパイナップルの栽培に適しているそうです。

 日本で本格的にパイナップルの栽培が始まったのは90年前。当時、日本の植民地だった台湾の人々が石垣島にやってきて本格的に栽培するようになりました。太平洋戦争が終わり、台湾が日本の領土ではなくなった後もパイナップルの栽培は続き、やがて定着して地域の経済を支えるようになりました。

 パイナップルはたくさんの人の夢と希望が託された果物だったのです。この絵本の作者の西野嘉憲さんは、農作物はそこに生きる人々の物語を抱えていると書いています。食べ物を知れば、その味わいもいっそう深まると思います。(店主)


パイナップルに見た夢(たくさんのふしぎ2025年7月号)

西野嘉憲 文・写真


福音館書店

2025年7月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年6月14日土曜日

【本の紹介】くらべてみよう いろいろな かみ(かがくのとも2025年7月号)



 紙は私たちの生活に欠かせません。お家にある紙を比べてみると面白そう。ということで出来上がったのが、この写真絵本です。

 私たちの身の回りにあるいろいろな紙。どんな違いがあるのでしょう。

 折り紙、画用紙、ティッシュペーパー、そしてダンボールを比べてみます。どこのお家にもありそうな紙たちです。クレヨンで色を塗る、紙飛行機を折ってみる、ちぎってみる。なるほど、それぞれに違いがあります。

 色水につけてみて違いをみるって、ちょっと面白そう。丸めたら立った! でも、そこにリンゴを乗せると…。違いがあるから、紙はいろいろなことに役立つのですね。(店主)


くらべてみよう いろいろな かみ(かがくのとも2025年7月号)

谷内つねお さく

ときわまさと しゃしん


福音館書店

2025年7月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】かなへびのきょうだい(こどものとも2025年7月号)



 かなへびの仲良し兄弟の日常を描いた絵本です。ほのぼのとしたお話に、自然と笑顔が浮びます。

 かなへびはトカゲの仲間。とても身近な爬虫類です。かなへびは小さな虫を食べます。2匹の兄弟は、たんぽぽのそばで獲物の虫を待つことにしました。

 兄は虫を食べる順番を弟に指示します。兄らしく振る舞うことが自分の務めと分かっているのです。その結果、いつも弟が大きい虫を食べることになり、なかなか公平な結果につながりません。いよいよ兄の順番のときに大物がやってきました。ところが…。

 絵は木版画です。鮮やかな色使いで、かなへびたちの姿を生き生きと描きます。愛すべきかなへびの兄弟です。(店主)


かなへびのきょうだい(こどものとも2025年7月号)

石森愛彦 さく


福音館書店

2025年7月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年6月12日木曜日

【本の紹介】なつに みつけた いいもの いくつ?(ちいさなかがくのとも2025年7月号)



 夏の「いいもの」を探す絵本です。青空の下、里山の生き物たちとの出会いが待っています。

 虫や鳥たちの元気な姿をすぐ見つけることができるでしょう。鮮やかに咲き誇る花たちも、私たちの目を楽しませてくれます。

 この絵本は、見つけたものを数える面白さも取り入れた「カウンティング・ブック」になっています。見開きページごとに提示された数の「いいもの」を探し当ててください。

 同じ作者による「いいもの いくつ?」シリーズの絵本が、この作品で春夏秋冬の四季ごとに揃いました。異なる季節に描かれた「いいもの」の変化を見比べることもできるそう。面白そうですね。(店主)


なつに みつけた いいもの いくつ?(ちいさなかがくのとも2025年7月号)

おおたぐろまり さく


福音館書店

2025年7月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年6月10日火曜日

【本の紹介】なんでかな(こどものとも年少版2025年7月号)



 子どもの疑問に寄り添う絵本です。素朴な疑問から世界が広がっていきます。

 子どもが不思議に思うことはたくさんあります。例えば、ぞうさんのおはな。どうしてあんなに長いのでしょう。

 この絵本は、こぞうがすべり台にするためと教えてくれます。本当かな? 違うよね? 子どもたち一人ひとりが、それぞれの答えを考えてくれるかもしれません。

 子どもたちとの会話も膨らみそうです。柔らかいタッチと鮮やかな色使いの絵は、ダイナミックな構図で見応えがあります。(店主)


なんでかな(こどものとも年少版2025年7月号)

みずさわそら さく


福音館書店

2025年7月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年6月7日土曜日

【本の紹介】にゃんころたいそう(こどものとも0.1.2. 2025年7月号)



 体操する絵本です。2匹のねこと一緒に身体を動かしましょう。


 愛らしいねこたちが手を上げて招いています。ねこの仕草に合わせて身体をほぐしていきます。


 ねこの動きは、とてもしなやか。その一瞬を捉えて、人間が真似しやすいポーズを教えてくれます。リラックスしてやるのがコツでしょうか。


 作者はこれまでに『ぺんぎんたいそう』『かめかめたいそう』(ともに福音館書店)を作り、三作目の本作品はたいそうシリーズ完結編。午前中に元気よくやる『ぺんぎんたいそう』、午後にのんびりやる『かめかめたいそう』、そしてこの『にゃんころたいそう』は夜にごろごろしながらやるのにうってつけだそうです。(店主)


にゃんころたいそう(こどものとも0.1.2. 2025年7月号)

齋藤槙 さく


福音館書店

2025年7月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】キャッチ!

 キャッチボールが始まります。ただのキャッチボールにはおさまらないようです。  子どもが投げたボールを、パパが「キャッチ!」。でも、パパが投げ返したボールは大暴投。キャッチしたのはお空を飛んでいたカラスでした。  その後、ボールはどうなるかって? ボールの行き先は誰にも分かりませ...